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オスカー・ワイルドの生涯 の商品レビュー

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2017/08/19

『ドリアン・グレイの肖像』のラストに衝撃を受け、『幸福な王子』では つばめの自己犠牲に涙した。ヘルムート・バーガー主演の映画版 『ドリアン・グレイ』を観たのは遥か昔。 オスカー・ワイルド。アイルランドに生まれた作家にして詩人。そして、 ヴィクトリア朝の道徳観と階級主義の人身御供...

『ドリアン・グレイの肖像』のラストに衝撃を受け、『幸福な王子』では つばめの自己犠牲に涙した。ヘルムート・バーガー主演の映画版 『ドリアン・グレイ』を観たのは遥か昔。 オスカー・ワイルド。アイルランドに生まれた作家にして詩人。そして、 ヴィクトリア朝の道徳観と階級主義の人身御供になった人。 彼の生涯を追ったのが本書なのだが、同性愛の罪で裁かれた 「ワイルド裁判」に重きを置いているようだ。 そこへ辿りつくまでの章は、彼を取り巻く人々や、その時代の思想・ 風俗・文化の描写で寄り道が多い。まぁ、バック・グラウンドを知る にはいいのだが、ワイルド本人を知りたくて手に取ったのでちょっと 物足りないかなぁ。 同性愛と、下層階級との付き合いを問題視されたワイルド。裁判で は有罪を宣告され、ダンディズムを貫いた彼は投獄される。 数々の著作と、アメリカでの講演で時代の寵児となったワイルドも 出獄後は貧困と病に悩まされる。 大英帝国を離れることを余儀なくされたワイルドは、パリで病に 倒れ帰国すること叶わず他界した。46歳だった。 朦朧とする意識の中で、自分を追い詰めたイギリスへ帰ることを 望んだワイルドが哀しい。それにも増して切ないのが、彼の妻 であったコンスタンスだ。 資産家の娘であった彼女は、ワイルド裁判の後、ワイルドを名乗る ことを止めたが破滅した夫の身を案じ、自分の死後も夫に幾ばくか の金が渡るように手配している。 あと100年、ワイルドが遅く生まれていたら裁判にかけられることも なかったのだろうな。でも、100年遅く生まれていたら、時代の寵児 になっていたかは分からないけれど。

Posted byブクログ

2013/05/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

19世紀後半に生きた有名な戯曲家。 アイルランド生まれ。最初に生まれたのが男の子ので母親はオスカーワイルドを妊娠した時、女の子だったらと願っていたようだ。そのため5歳になるまで女の子のドレスを着せられて大きくなる。 そのせいかどうかはわからないが、結婚した後同性愛に目覚めてしまい、そのことで裁判沙汰になり、名声を得ていたのにイギリスをさて、パリの安宿で46歳の若さで死んでしまう。 オスカーはセレブだったので絶頂期には王室のファミリーや著名な人々との付き合いもあった。書いた戯曲は大ヒットし、たくさんのお金も得た。 ところがオスカーはお金があってもすぐ使ってしまい借金をしても返さない。これを読んで野口英世に似てるなと思った。 2人の共通点は、天才、借金、浪費、名声、早世である。 オスカーの思想、生き方、美意識は少し時代の先取りをし過ぎた。死後100年経ってロンドンのトラファルガー広場に銅像が建てられた。

Posted byブクログ

2009/10/04

とても分かりやすくワイルドの生涯が書かれてて、一足踏み入れるのに助かった。 サブタイトルの通り、本当に愛と美の殉教者だなぁ…と思った。生き方がすごいし、内面的なものもすごい。アクティブだけど、ちゃんと中身も伴っていて、頭も良い。05-10

Posted byブクログ