ご冗談でしょう、ファインマンさん(上) の商品レビュー
物理はからきしなので、彼が物理学的にどんな偉業を成し遂げたのか全然知らないのですが。 何にでも興味を持ち、物理に天才的な才能があって、物事を考える力があって、人生をとことん楽しむ生き方をしていることがわかった。 語学を学んだり打楽器を演奏したり催眠術にかかったり、たくさんのエピソ...
物理はからきしなので、彼が物理学的にどんな偉業を成し遂げたのか全然知らないのですが。 何にでも興味を持ち、物理に天才的な才能があって、物事を考える力があって、人生をとことん楽しむ生き方をしていることがわかった。 語学を学んだり打楽器を演奏したり催眠術にかかったり、たくさんのエピソードがある中で、ロスアラモス(原爆の開発地!)で鍵を開けるのに練習と努力を積み重ねた結果、鍵開けとしての名声を得た話が一番面白かった。
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私は物理を少々やっていたので、リチャード・P・ファインマンくらいの名前は知っていたし、いくつかのエピソードも知っていた。しかし、この本はずっと手を出さずにいた。とても人気のある本だが、この手の伝記本といえば退屈なものばかりだったからだ。だが、結論を先に言えば、非常に面白くて貪り読...
私は物理を少々やっていたので、リチャード・P・ファインマンくらいの名前は知っていたし、いくつかのエピソードも知っていた。しかし、この本はずっと手を出さずにいた。とても人気のある本だが、この手の伝記本といえば退屈なものばかりだったからだ。だが、結論を先に言えば、非常に面白くて貪り読んでしまった。この人は、自分が興味のあることだったり、腑に落ちないことだったりすることがあると、とことんまでやり抜く人であり、そうして、人生を楽しみ尽くそうとしていた人であるに違いない。ずるくて破廉恥なところもあるが、真はやはり愚直なまでにまっすぐであるところも、心くすぐられるものがある。 そして、ファインマンといえば、マンハッタン計画、つまり原爆の開発に関わった人物ということで、ロスアラモス時代の記述を読むのは日本人としてどこか複雑な思いだった。しかし、当時のアメリカ人がどういう思いでこの計画に参加していたのかを知る良い資料じゃないかと思う。やはり、皆どこかで葛藤を抱えていたに違いない。 久々に、早く続きが読みたいと思った本である。
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とにかく何にでも興味を持ち全力で取り組むと言うことが重要なんだと考えさせられる。 偉大な人なのに自慢や嫌味がまったくなくて面白い。
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それはまったくすばらしい発見に満ちている。「おい、あの連中が考えているお前とは、あんまりけた外れで、とうていそんな期待通りのことができるわけがない。そんな期待に近づこうとする努力する責任なんて何もありゃしないんだぞ!」(教授を雇うときには大学側は大ばくちを打つようなもので、もし結...
それはまったくすばらしい発見に満ちている。「おい、あの連中が考えているお前とは、あんまりけた外れで、とうていそんな期待通りのことができるわけがない。そんな期待に近づこうとする努力する責任なんて何もありゃしないんだぞ!」(教授を雇うときには大学側は大ばくちを打つようなもので、もし結果がよければよし、悪ければどうにもしかたがない。だから君の方は自分のやっていること、やっていないことについてくよくよする必要はぜんぜんないんだぞ)「オークリッジのデパートの前を通って、ふとショーウィンドウの中のドレスを見つけ、ああアーリーンの好きそうな服だなと思った瞬間だった、悲しみの波が一挙に押し寄せてきたのは。」そして「どんなことがあっても絶対に紳士であってはいけません!」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
偉大な物理学者が、物理で遊ぶことで、それが後にどんな帰結をもたらすかなど考えずに没頭する姿がいい。 ダンスパーティーやバーでの社交場面、戦時下の検閲をからかったり、金庫あけのイタズラに熱心になったりと、興味を持つものに真っ直ぐ取り組むところも好感が持てる。 こんな頭脳の持ち主でも、自分は何か役立つことをやってるのか?何かを成し遂げねばならないのに、何も閃かないなどと罪悪感を持つものなのなのだなと。 ただただ研究に没頭していられる、学生たちの相手に時間と頭を悩まされる必要の無い環境に置かれた、偉大な頭脳たち。そんな恵まれた環境にいながら何も浮かばないとなれば、きっと彼らにとっては地獄なのだろう。実際の活動、学生たちからの質問、そういう現実に即したチャレンジが必要なのだ。偉大な人々も、順次物事が進んでいく訳ではないのだ。 日常や仕事だってそうなのだと思う。何年後にこうしたいから、今これをやる、仕事ではこんな機会を与えられれば自分は成長する。そう思ったって、タイミングやチャンスは都合よく降ってこない。何の役に立つかわからなくたって、とにかく興味あるものを学ぶ。重要なのは継続していくことだろうと感じた。
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1965年にノーベル物理学賞を受賞したリチャードファインマン氏逸話短編集。 内容に物理学的な話などもあるが、物理を勉強したことのない私には専門的な内容はチンプンカンプン。物理の知識があったら、より楽しめる本だろう。しかし、専門的な知識ががなくても充分に楽しめる内容がほとんどである...
1965年にノーベル物理学賞を受賞したリチャードファインマン氏逸話短編集。 内容に物理学的な話などもあるが、物理を勉強したことのない私には専門的な内容はチンプンカンプン。物理の知識があったら、より楽しめる本だろう。しかし、専門的な知識ががなくても充分に楽しめる内容がほとんどである。 彼は、とりあえず好奇心旺盛。そして、なんにでもすぐ挑戦。そして大抵のことは器用にこなす。 絵を描いて個展を開いたり、音楽をしてみたり、そんななんでもできるファインマンの逸話がこの本には多く書かれている だが不思議なのは、それが自慢じみていないこと。全く嫌味を感じないこと。 それは、ファインマン氏は純粋に自分のしたいことをしているだけだからなのではないだろうか。 また、彼は息をするかのように新しいことにチャレンジする。きっと、彼にとってはチャレンジというほどのものではないのかもしれない。私のような凡人は、何を始めるにしても、まず下調べを行い「これは無理そうだな」とか、「きっと私には向いてないだろう」など、なにかと理由をつけてはチャレンジすることを後回しにしてしまいます。 「何事にも好奇心を忘れない。そして、とりあえず試してみる。」ということの大切さを学んだ。 彼は、また「誠意を尽くす姿勢が大切」と語っている。自分を欺かいない。己というものが一番だましやすい。心にぐさっとささった。 自分に嘘をつかいないということは、他人に嘘をつかないことより難しい。のか? 他人には、人間関係を円滑にするためにつかなくてはいけない嘘もあるとは思いますが、せめて、自分にだけは素直に生きて生きたいものだ。 くだらなくて笑える話から、深く考えさせられる話まで様々なことが短編で書かれており読みやすい内容であった。
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楽しんでいるから彼は天才なんだろう。 彼の生い立ちと物理学への情熱をユーモアたっぷりに書いてあり、その自由奔放さは読んでいて心が軽くなる。
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言わずとしれたファインマンのエッセイ集。理系としては、読んだというよりまだ読んでなかったことが恥ずかしいくらいの名著です。理論物理の領域における彼の業績は理解することすらままなりませんが、その生き方や考え方は理系に限らず誰にとっても参考になるでしょう。 文庫判の訳者あとがき...
言わずとしれたファインマンのエッセイ集。理系としては、読んだというよりまだ読んでなかったことが恥ずかしいくらいの名著です。理論物理の領域における彼の業績は理解することすらままなりませんが、その生き方や考え方は理系に限らず誰にとっても参考になるでしょう。 文庫判の訳者あとがきによると、日本版より先にドイツ、フランス、韓国などで出版されてあまり好意的な反響ではなかったとのこと。日本が好意的に描かれているのを差し引いても、不思議なことです。
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「ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)」 これが、ファインマンさん。 R.P.ファインマンは、1965年にJ.S.シュウィンガー、朝永振一郎とともにノーベル物理学賞を授賞した天才的な物理学者であります。本書は、そんな天才物理学者の自伝という立ち位置ではなく、ファインマンの日...
「ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)」 これが、ファインマンさん。 R.P.ファインマンは、1965年にJ.S.シュウィンガー、朝永振一郎とともにノーベル物理学賞を授賞した天才的な物理学者であります。本書は、そんな天才物理学者の自伝という立ち位置ではなく、ファインマンの日常を綴った日記に近いものであり、奇想天外なエピソードがつまりにつまったものになっています。詰まり過ぎてはみだしてます。これを読んだら、きっとファインマンさんに会いたくなること間違いなしな仕上がりです。 「ファインマンと聞いたとたんに思い出してもらいたいのは、ノーベル賞をもらったことでもなければ、理論物理学者であったことでもなく、ボンゴドラムでもマンハッタン計画でもない。僕が好奇心でいっぱいの人間であったということ、それだけだ」 なんて凄い心に響きました。なぜだろう、違うだろう、僕はこう思う、そんな純粋な気持ちを表現してきたファインマン少年から、少年心そのままに学者になっていくファインマン青年。好奇心をひかれたらそれに夢中になり納得のいくまで追求するのです。 上巻では、彼の少年時代、物理学者としての修行時代、また駆け出しの物理学者として携わったマンハッタン計画から終戦を迎えるころまでのエピソードが収録されています。どれもこれもインパクト大なエピソード。個人的な、お気に入りやりとりはアイゼンハートとファインマンのもの。アイゼンはハートはA、ファインマンはRで表記します。 A)私はファインマンがこれを理論物理に関連させてどう考えるか、聞きたいもんだね(からかいながら) ↓ R)はぁ、非常に密な関係があります。理論物理では・・・(と詩と理論物理を対比してみせる) ↓ R)今、僕は、詩と物理の類似を示しましたが、詩についてどんなことを言われたとしても、物理だけでなくどんな分野とでも、同じようにこじつけて類推する方法をいくらでも見つけれますよ(どや) ここまで信頼関係を築き、冗談を言える。こんな関係がすごく羨ましい。そんな関係の中、 A)催眠術の講演があるが、どうせならば催眠術の実験をした方が面白い!だれか実験台はいないか? ↓ R)僕!僕!僕!僕がやります! ↓ A)君が申し出るのはわかっていた。君以外に誰かいないかと聞いたんだ。 なんて最高ではないだろうか。
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数学的な話からジョークまで幅広い内容。 数学的な話は飛ばし飛ばし読んだ。 日本とメキシコの滞在中の話もかなりある、天才が好む異国の文化が興味深い。
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