下り“はつかり" の商品レビュー
鮎川哲也ってのは根っからのトリックメーカーだな。 小説としてはどうにも古臭いが、トリックだけは買える話が多い。 「赤い密室」「誰に屍体か」「死が2人を別つまで」 あたりが印象に残った。 (でも時刻表物は苦手だ)
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密室、アリバイ、フーダニッド、犯人当て、幻想文学といろんな鮎川短編が楽しめる1冊。 私の中で鮎川作品は、読んだ直後より、後から思い返すたびにじわじわと作品の凄さが味わえるという印象(たぶん、自分の中でプロットやトリックが消化されていくからだと思う)です。 後は、甘いものが食べたく...
密室、アリバイ、フーダニッド、犯人当て、幻想文学といろんな鮎川短編が楽しめる1冊。 私の中で鮎川作品は、読んだ直後より、後から思い返すたびにじわじわと作品の凄さが味わえるという印象(たぶん、自分の中でプロットやトリックが消化されていくからだと思う)です。 後は、甘いものが食べたくなりますな。羊羹とか。
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巨匠・鮎川哲也の短編傑作選。本格ミステリではない幻想文学からバリバリのフーダニットまで、縦横無尽な奇想の粋が味わえる。中篇・短編といえども侮ることなかれ。凡庸な作家なら大部の長編にふくらましそうなトリックとプロットを、無駄を一切省いて簡潔にまとめあげる構成の妙と美文に酔う、至福の...
巨匠・鮎川哲也の短編傑作選。本格ミステリではない幻想文学からバリバリのフーダニットまで、縦横無尽な奇想の粋が味わえる。中篇・短編といえども侮ることなかれ。凡庸な作家なら大部の長編にふくらましそうなトリックとプロットを、無駄を一切省いて簡潔にまとめあげる構成の妙と美文に酔う、至福のミステリ読書体験があなたを待っている。
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全体的にレベルが高いが、「誰の屍体か」「死が二人を別つまで」が特に好き。前者は魅力的な発端と、たったひとつの証言からドミノ倒しのような論理で導かれる逆説めいた結論が鮮やか。後者は、「ところが、主任はその一歩先を読んだのですな」で始まる、536ページ4行目からの一連の流れがすごい。...
全体的にレベルが高いが、「誰の屍体か」「死が二人を別つまで」が特に好き。前者は魅力的な発端と、たったひとつの証言からドミノ倒しのような論理で導かれる逆説めいた結論が鮮やか。後者は、「ところが、主任はその一歩先を読んだのですな」で始まる、536ページ4行目からの一連の流れがすごい。論理に鬼気迫るものがある。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『地虫』 花の精に恋した男の末路。 『赤い密室』 星影龍三シリーズ 密室で見つかった香月るり子のバラバラ遺体。遺体を包んでいた新聞から割り出された死亡推定時刻。妊娠1カ月の被害者。運び込まれた棺。被害者の交際相手・浦上とライバル・榎。そして浦上の元恋人伊藤ルイ。解剖台の上の遺体、胴体と左手の入ったカバンの謎。 『碑文谷事件』 鬼貫警部シリーズ 殺害された女優・山下小夜子。被害者の夫・山下一郎の九州から東京へ向かう電車の中にいたというアリバイ。一郎が電車の中で乗り合わせた大池宣造に通過駅の「島田」「磐田」を読みこんで読んだ俳句の謎。事件発覚後タクシーを待たせ入れ替わったと思われた一郎。 『達也が嗤う』 殺人が起きた屋敷。犯人が分かったと笑う達也。その達也も殺害される。題名に隠された秘密。 『絵のない絵本』 結婚するために3人の愛人を殺害した男の末路。しゃべる鶏の復讐。 『誰の屍体か?』 鬼貫警部シリーズ 送り付けられる硫酸の瓶、ピルトル、ヒモ。発見された死体。首がなく手が薬品で焼かれている。 『他殺にしてくれ』 自殺したと思われる自分の夫を他殺だと証明してくれと依頼された探偵。死体は顔が緑のペンキで塗られていた。 『金魚の寝言』 殺害された支店長の謎を調査する男。 『暗い河』 ゆすられた陶芸家の女。橋のたもとでアリバイつくり。東京になれていない証人。 『下り「はつかり」』 鬼貫警部シリーズ 殺害された河井武子。目撃された千家和夫。麻薬に依存していた武子に強請られていたと思われる千家。武子の正体にかくされた秘密。千家のアリバイを証明する下りの急行「はつかり」の写った写真と千家の手編みのセーターの謎。 『死が二人を別つまで』 遺産を相続した老女の結婚に隠された秘密。
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名作中の名作。鮎川哲也氏の作品は、本格ミステリ作家にありがちな「トリック一辺倒」という印象を抱きません。本作はその中でも、整然としていて読み応えのある作品です。
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表題作含む11編の短編集。 赤い密室・誰の屍体か・達也が嗤うなど、 読んだ後にうなってしまいます。 これは読んでおいて損はないと思いますよ。
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密室・アリバイ・フーダニット……サブテーマや展開の形を変えても、「本格」に対するスタンスは不変である。論理性で感服するもよし、絶妙なタイトルの余韻に浸るもよし、色んな楽しみ方が出来る。有栖川有栖氏曰く「容赦のない完成度」…この一言に尽きる。
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短篇集って言うか傑作集だよね。収録作のどれもこれもみんな傑作だと思う。2chの鮎哲スレで評判の高いのはどれも良かったし島荘のときはあんなにいやだった本格以外のお話もかなり楽しんで読めた。やっぱこの人凄いよ。個人的に好きなのは「赤い密室」「下り“はつかり”」「誰の死体か」「他殺にし...
短篇集って言うか傑作集だよね。収録作のどれもこれもみんな傑作だと思う。2chの鮎哲スレで評判の高いのはどれも良かったし島荘のときはあんなにいやだった本格以外のお話もかなり楽しんで読めた。やっぱこの人凄いよ。個人的に好きなのは「赤い密室」「下り“はつかり”」「誰の死体か」「他殺にしてくれ」「達也が嗤う」かな。
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