1,800円以上の注文で送料無料

ルソーにおける人間と国家 の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2013/06/01

ルソー思想における「自然法」の位置づけを手がかりとして、『不平等起源論』『社会契約論』で問題となる、自然法と実定法の関係、そしてその帰結として、ルソーが自然法論者だったのか法実証主義者だったのか、という問いに明快な答えを与えている。ルソーのいう「自然法」は人間本性の傾向性をさすも...

ルソー思想における「自然法」の位置づけを手がかりとして、『不平等起源論』『社会契約論』で問題となる、自然法と実定法の関係、そしてその帰結として、ルソーが自然法論者だったのか法実証主義者だったのか、という問いに明快な答えを与えている。ルソーのいう「自然法」は人間本性の傾向性をさすもの、そしてそれを理性が反省的に把握するもの(推論的自然法)であり、自然法は実定法に「なるべきもの」として考えられている。したがって、ルソーにあってはホッブズにおけるように、法内容の正しさとは無関係に法が妥当するのではなく、内容的正しさを担保するために「一般意志」が必要とされているのだ、ということになる。

Posted byブクログ