ワイルド・スワン(下) の商品レビュー
この物語のクライマックスの辺り、ちょうど自分が生まれた時期と重なる。それは瑣末なことだけど、その頃に至るまで、中国がこんな後進的な国家だったことに驚き。毛沢東以降、日本の戦後みたいな勢いで、近代化が進んできたということか。あとがきにも書かれてたけど、情報が無さ過ぎて自分の置かれた...
この物語のクライマックスの辺り、ちょうど自分が生まれた時期と重なる。それは瑣末なことだけど、その頃に至るまで、中国がこんな後進的な国家だったことに驚き。毛沢東以降、日本の戦後みたいな勢いで、近代化が進んできたということか。あとがきにも書かれてたけど、情報が無さ過ぎて自分の置かれた環境が誰のせいなのか、判断する材料が無いという状況が、狂信的国家を長期に渡って存続させていたことになるのかも。しかし、外国からも内部事情がよく分からなかった、ってのも凄いことですね。って、そういった不透明性は、現在においても場所を変えて、かの国家にすっかり当てはまることか。
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文化大革命で迫害された人たちがいたら、今の中国はどんな国になっていたのだろう。 毛沢東がいなければ、どんな文化が残っていて、国民の気質にどんな違いがあったのだろう。 黒い影響力は力を持ちやすく、そして一度持つととんでもない力を発揮する。恐ろしい。
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清朝支配末期の1920年から、市場開放された中国の1985年までを、著者、著者の母及び祖母の記憶を辿って語っている。 読んでいて、中国の教科書や他の本では決して記憶に刻まれなかった自分の母国の歴史や文化を生々しく学ぶことができました。素晴らしい本であり、特にこの本が手に入る海外...
清朝支配末期の1920年から、市場開放された中国の1985年までを、著者、著者の母及び祖母の記憶を辿って語っている。 読んでいて、中国の教科書や他の本では決して記憶に刻まれなかった自分の母国の歴史や文化を生々しく学ぶことができました。素晴らしい本であり、特にこの本が手に入る海外にいる華僑や華人は読むことをオススメします。 -回顧録のため、容易に想像できる生活に根ざした事実によって記録されている -事実の羅列のため、当時の時代背景で暮らすことの意味合いを考えることができる -他の公式な記録では味わえない臨場感がある -結果、自分は1985年に中国で生まれることができてなんと幸せかと思うようになりました このような莫大な記録を書き綴って記録として残してくれた著者に敬意を表します。本当に素晴らしい本です。
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面白かった。 日本では考えられないような過酷な人生。 それでいて、前向きな主人公には、励まされる。 みんなに読んでほしい。
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日本の満州支配から文化大革命まで、いわゆる中国の近現代史を女性三代視点で綴った本。国共内戦と文革ってうすぼんやりとしか話を知らなかったので前々から興味あったんだが、読んでよかった。特に文革の壮絶さには唖然。毛沢東がそこまで無茶苦茶だったとは知らなかったな~。独裁者の自国民に対する...
日本の満州支配から文化大革命まで、いわゆる中国の近現代史を女性三代視点で綴った本。国共内戦と文革ってうすぼんやりとしか話を知らなかったので前々から興味あったんだが、読んでよかった。特に文革の壮絶さには唖然。毛沢東がそこまで無茶苦茶だったとは知らなかったな~。独裁者の自国民に対するジェノサイドって、どういう心理状態からくるんだろう。ポルポト、スターリンに通じる独裁者の狂気、一読の価値有りです。
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すごい時代・・・ あまりの残酷さ、醜さに気分が悪くもなった。 自分が同じ立場に置かれたら・・考えただけでもぞっとする。 それにしても、多くの人が命を落とし、素晴らしい建造物や、著書が失われた。 今すっかり変ったかと言えばそうでもない気がする。 人間て怖いと思う・・
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靖国、尖閣、反日・・・。日本人の感覚では理解しづらい中国という国はどんな国なのか?中国人の感覚はどんなものか? 今いちばんその動静に興味があるのは中国である。 日本が統治していた満州時代から国共内戦、建国から文化大革命の終焉まで半世紀あまり、祖母・母・娘の三代にわたる人民の目か...
靖国、尖閣、反日・・・。日本人の感覚では理解しづらい中国という国はどんな国なのか?中国人の感覚はどんなものか? 今いちばんその動静に興味があるのは中国である。 日本が統治していた満州時代から国共内戦、建国から文化大革命の終焉まで半世紀あまり、祖母・母・娘の三代にわたる人民の目から見た中国社会動乱の記録である。 現在の中国はその時代にくらべてはるかに進んだとはいえ共産党の一党独裁は変わらず欧米日本のような民主主義社会への移行は道遠しである。共産党一党独裁を堅持したまま経済、軍事だけが突出して肥大化した分、問題はより複雑である。 毛沢東、北朝鮮など、今の欧米日本から見て理解ができないような独裁恐怖社会ができてしまうのか? それは、なぜ戦争をするのか?戦争が起こってしまうのか?という問いと同じように思う。 今現在の私の答えは「貧困と無知」である。 国民が貧しく、教育が受けられずに知識もなく、社会で起こっていることの情報が得られず全体像が見えないと、たったひとりのの人間(毛沢東、金日成、ヒトラー等)の扇動で簡単に点火し、貧困は怒りや恨み、暴力、差別に、無知は空虚なイデオロギー盲信へと転化する。 それにしても、幼時から共産主義、毛沢東崇拝教育を受けた著者がその呪縛からはっきり開放されたのは、「ニューズウィーク」に掲載された毛沢東の記事を見た22歳の時である。 大躍進運動で農業生産が壊滅して大飢饉、百花斉放や文化大革命で多くの人民が迫害粛清追放など、我々から見ると毛沢東の呪縛がいつ消えてもおかしくないと思うが、子供時代からたった一つの主義思想が唯一の価値だと教育された著者は、飢饉や粛清は否定しても毛沢東は否定できない。毛沢東を否定する自分を否定するのである。 人が人として生きる基本は、一に食、二に教育である。
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読了 内容(「BOOK」データベースより) 迫害を受け続ける家族。思春期をむかえた著者は、十代の若者が遭遇する悩みや楽しみをひとつも経験することなく急速に「おとな」になった。労働キャンプに送られる両親。著者にも、下放される日がついに訪れた。文化大革命の残虐な真実をすべて目撃しな...
読了 内容(「BOOK」データベースより) 迫害を受け続ける家族。思春期をむかえた著者は、十代の若者が遭遇する悩みや楽しみをひとつも経験することなく急速に「おとな」になった。労働キャンプに送られる両親。著者にも、下放される日がついに訪れた。文化大革命の残虐な真実をすべて目撃しながら生き、「野生の白鳥」は羽ばたく日を夢見続ける。
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ロンドン在住の中国人女性ユン・チアン(張戎)。 清代末期に、軍閥将軍の妾として嫁いだ彼女の祖母、 国民党・共産党の激動の時代を生き抜いた彼女の母、 そして、多感な時期を文革の時代で過ごした筆者。 女三代の中国人の生活を通して、20世紀の中国の 実情をありのままに描いたノンフィクシ...
ロンドン在住の中国人女性ユン・チアン(張戎)。 清代末期に、軍閥将軍の妾として嫁いだ彼女の祖母、 国民党・共産党の激動の時代を生き抜いた彼女の母、 そして、多感な時期を文革の時代で過ごした筆者。 女三代の中国人の生活を通して、20世紀の中国の 実情をありのままに描いたノンフィクション大作。 もともと、この本の存在は知っていて、中国に 来たならば、読んでおかなきゃなと思っていたところ、 2007年に新しい筆者の巻頭辞が追加された 改訂新版が発行されて、平積みになっていたので、 買ってあったもの。 中国に来てから、中国を知るための本はいろいろ 読んだけど、一番胸に来たのはこの本。 歴史書で深く書かれない内容まで、身の回りの 出来事として赤裸々に描かれている。 でも、十何億って言う中国人民はそんな時代を乗り越えて 生きているんだよね。80以後世代は別として。 毛沢東が(共産党が?)当初に掲げた理想と 今の中国の実情とのギャップを考えると、 今なお毛沢東を崇拝し、今の指導部も彼の後継としての 位置づけになっていることに違和感を禁じえないね。 筆者が生まれ育ち、その母が今も暮らすのが、 四川大地震の被害のあった四川省成都。 被害を伝える映像、救助隊の進む映像を目の当たりにし、 筆者の両親が共産党の職員として、四川省内を 駆けずり回っていた頃の苦労も偲ばれます。 http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2008-05-18
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個人的には特に女子にオススメします。 この内容がノンフィクションっていうのがすごい...。 中国。 とても近くて、だけどあまり知らなかったこの国の激動と変遷を、 市民の目から知ることができたように思います。 自分が生まれてからのほほんと日本で過ごしていた時期に、 こんなすごい...
個人的には特に女子にオススメします。 この内容がノンフィクションっていうのがすごい...。 中国。 とても近くて、だけどあまり知らなかったこの国の激動と変遷を、 市民の目から知ることができたように思います。 自分が生まれてからのほほんと日本で過ごしていた時期に、 こんなすごい歴史的変化があったとは...。 最近過ぎて教科書で習わなかったから知らなかったけれど、 中国という国について、非常に興味を持った一冊です。 またそんな状況の中、生き抜いた作者とその家族の歴史を知り 自分の悩みなんて小さくてどうでもいいと思えて、ふっきれた、 そんな本でした。 オススメです。
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