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日本を滅ぼす教育論議 の商品レビュー

3.6

21件のお客様レビュー

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うーん、これ評価に困…

うーん、これ評価に困るなぁ。本書で指摘されていることはまったくそのとおりなんだけど、これって教育論議に限ったことじゃないんだよね。そもそも日本人の事実認識、原因分析、対処方法に欠陥があると思うんだけど、この題名では教育論に限定された話だと誤解されてしまうんじゃないかな。題名を「日...

うーん、これ評価に困るなぁ。本書で指摘されていることはまったくそのとおりなんだけど、これって教育論議に限ったことじゃないんだよね。そもそも日本人の事実認識、原因分析、対処方法に欠陥があると思うんだけど、この題名では教育論に限定された話だと誤解されてしまうんじゃないかな。題名を「日本人のおかしな思考法」に変えて、内容も書き直して再出版すべきだと思います。

文庫OFF

2020/04/17

行動としてルールを守ることが必要だが、人間の本質的な欲求に向き合ってルールから逸脱した際のリスクマネジメントを行うことが大事である。

Posted byブクログ

2019/09/02

一見正論に見えるが、何だか怪しい。ある特定の方向の主張や政策の批判を意図していないというが、明らかにある特定の思想信条から物事が描かれている。また徹頭徹尾「外国では~」、「知り合いの外国人が~」と情報ソースとしてイマイチな超局地的な逸話を持ち出してさも欧米ではすべてが成功している...

一見正論に見えるが、何だか怪しい。ある特定の方向の主張や政策の批判を意図していないというが、明らかにある特定の思想信条から物事が描かれている。また徹頭徹尾「外国では~」、「知り合いの外国人が~」と情報ソースとしてイマイチな超局地的な逸話を持ち出してさも欧米ではすべてが成功しているような錯覚を植え付けようとしているが、一体従来の日本式で具体的に何が上手くいっていないのか、課題を明確にしない。何か必死でグローバリニズムに誘導しようとする売国の香りがする。 もちろん同質性信仰による同調圧力とか、契約マインドの欠如による様々な問題が生じているのは確かであり、すべて否定しないが、少々気を付けたほうが良い。

Posted byブクログ

2017/01/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2006年刊行。「教育論議」とあるが、本書の議論は教育に限定されない。むしろ、教育を素材に、マネージメントの欠如、実態調査の不足、エビデンスを求めない情緒的な議論の手法、性善説等に由来するリスクの未想定、その結果生じるリスク対策の欠如、ルールの意義とそれに無知な点、ルールと道徳の違いに関するセンスや契約マインドの欠如など、日本人の心性の根本を暴くもの。網羅的で新書としては十分な内容。価値相対主義・証拠主義に依拠する発想も個人的にはなじみやすい。著者は政策研究大学院大学教授で、元OECD研究員。

Posted byブクログ

2019/09/01

現状の認識に関する議論の失敗 (日本の議論はすれ違いがある、スクールマネージメントの欠陥) 海外では知られる日本の教育の特徴 (思考力不足と言われるが、これは察し合うという日本の文化も影響している、理科教育は日本に学べ、ゆとりで授業内容も3割削減されたが、授業時数も2割削減さ...

現状の認識に関する議論の失敗 (日本の議論はすれ違いがある、スクールマネージメントの欠陥) 海外では知られる日本の教育の特徴 (思考力不足と言われるが、これは察し合うという日本の文化も影響している、理科教育は日本に学べ、ゆとりで授業内容も3割削減されたが、授業時数も2割削減された) 日本の教育の特徴 (教育でよくなると考えている、教育の目的を知識・技能の獲得ではなく、心や人格の完成としている、日本は平等を求める ↓ それゆえ 学校に期待される役割が極めて大きい 学校教育への投資が大きい 教員の経済的社会的地位が高い 教員が経済問題(労働力をつくるなど)ではなく、政治問題(心とイデオロギーが結びつきやすい) 原因の特定除去ではなく、新たな教育を追加しようとする いじめへの認識(いじめと犯罪は違う。心の教育などは原因の特定除去ではない) 結果不平等は経験せざるを得ない 高校と一口に言っても実態は様々 協調性(当番、班活動のよさ) 努力の力を信じている 目的と手段の混同 すべての子どもたちに必要なこととは? ルールを守る心は必要 リスクマネジメント(悪いことは起こる)という考えはあるのか? 日本独特の労働市場(新卒は有利)は改革されるのか 優秀な教員の確保 プロフェッション(専門技能職)を担うプロフェッショナルの伝統がない 受験戦争や入試地獄は日本だけ 測定している者も素人 同質性への信仰 博愛とは仲良くすることではなく、異質な他者を尊重することの意味

Posted byブクログ

2014/03/30

 一見すると、ごもっともなことが書いてあるよ。あるんだけどなー。ひとつひとつの内容には、肯けるトコもいっぱいあるのになー。なんでこんなに読んでてイライラするかなー。てなわけで、理由を考えてみた。  まず、「おまえがゆーか」とつい思ってしまうこと。著者の経歴は、もと文科省の課長さ...

 一見すると、ごもっともなことが書いてあるよ。あるんだけどなー。ひとつひとつの内容には、肯けるトコもいっぱいあるのになー。なんでこんなに読んでてイライラするかなー。てなわけで、理由を考えてみた。  まず、「おまえがゆーか」とつい思ってしまうこと。著者の経歴は、もと文科省の課長さまである。人ごとみたいに言うてはるが、それなりに「責任」があるポジションに、あんたいたはずでしょうと。すみません、オレのココロ、狭くって。「いや、イチ課長なんて吹けば飛ぶような存在ですから、いくら自分ひとり考えてたって蟷螂の斧です」というならしょがないけど、それならそう書いといてもらうともすこし落ち着くのに。  次に、「教育論議」について語っていたはずなのに、いつのまにやら「日本人論」へと横滑りしていくこと。「同質性信仰」とか「ルール無視」とか「水戸黄門好き・権力者好き」とか「契約マインドがない」とか。具体的なデータに基づいて言ってない、ただの放言というのは、往々にして「だから日本はダメなんだ」式の論調に陥りがち。必要なのは、具体的に現状を把握して、問題の元凶を摘出することでしょう。アレ、似たようなこと、この本の中でも言ってなかったっけ?  1,2章はまだマシなんだが、後半にいくにしたがって、「日本人の性質が、アメリカやヨーロッパと比べてどーこー」という論調になっていく。じゃあナニですか。解決策としては「日本人の性質を変えろ」ということですか。これこそ、具体性のない「教育論議」そのものなんでは。  批判も具体的にやれ? 仕方ないな。この本でさいしょに「アレ?」と思ったのは、“「ゆとり」の実態”と題した一節。「ゆとり」をつくるために教育内容を三割削減したが、授業時間数も二割減ったので、実質「ゆとり」なんて生じなかった。だから「ゆとり教育の是非」などということを議論すること自体が無意味、という。  でもさー。「ゆとり教育批判」ちゅうのは、「ゆとり」がどーたらじゃなくて、まさに「教育内容の削減」→「学力低下」を問題にしてたはずじゃん。実際、「学力低下」は2002年12月に文科省が発表した全国学力調査で明らかになったよね。なんか、批判のポイントずれてないか?   日本では、教育内容について「まず全員共通のミニマムを特定する」という発想がないとなげく節も、あれれれれ。だって「学習指導要領が最低基準」って、文科省も文部大臣も言ってたハズ。アレはいったいなんだつーの。  こうやって見ていくと、オレの不満はやっぱり「文科省」がらみの記述かな。具体的な日本の「教育行政・教育制度・教育思想」を問題にするのではなく、有象無象の「教育論議」を批判しているのは……結局、官僚や政治家、ひいては「自分」への批判をしたくないからなんじゃないかと……ジト目で見ちゃうんですけど、どうですか。それはあまりにゲスの勘ぐりだとしても、「日本人の議論は論理的じゃない」とお経のように唱えたからと言って、日本の教育がマシになりますか。  ウンコな論議ばかりというのは、そもそも教育言説に限った話じゃない。著者がウンコばかり拾ってくる気でいるのなら、政治論議だろうと芸術論議だろうとクソまみれにするのは簡単だ。  似たようなタイトルで『なぜ教育論争は不毛なのか』(苅谷剛彦/中公新書ラクレ)という本が3年前に出ている。まさに「日本を滅ぼす教育論議」に出てきた内容が、あいまいな「日本人批判」に逃げることなく、問題点をきちんと指摘する形で提出されている。「教育論議」の中にも、ウンコじゃないものはあるのである。(もっともその苅谷が、この本を朝日の書評で書いていたから、手に取ったわけなんだが)  各論としては非常に肯けるところがありながら、「あいまいな日本人批判」が気になって、どうにも居心地の悪い本だった。

Posted byブクログ

2014/02/08

原因を究明し、論点を明確にしろと全編に渡って言われていた。タンクの水位の例えはわかりやすかった。心の教育にはやはり読み書き計算なのね。そして、道徳で最も重視すべきはルールを守ること。大学は学ぶこと自体に価値がある、まあこんな感じで、はだめなのね…反省も多々。 2014/02/08...

原因を究明し、論点を明確にしろと全編に渡って言われていた。タンクの水位の例えはわかりやすかった。心の教育にはやはり読み書き計算なのね。そして、道徳で最も重視すべきはルールを守ること。大学は学ぶこと自体に価値がある、まあこんな感じで、はだめなのね…反省も多々。 2014/02/08読了。

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2013/09/03

教育に少しでも興味がある人は是非読んでほしいと思った本。読みやすくて面白いし大事な視点で書かれてる。 教育の国際比較、ミクロな教育経営、マクロな教育行政、経済学的に見た教育、社会学的に見た教育、科学的に見た教育、日本人の特異な考え方、高校・大学教育、原発、などなど盛りだくさん。...

教育に少しでも興味がある人は是非読んでほしいと思った本。読みやすくて面白いし大事な視点で書かれてる。 教育の国際比較、ミクロな教育経営、マクロな教育行政、経済学的に見た教育、社会学的に見た教育、科学的に見た教育、日本人の特異な考え方、高校・大学教育、原発、などなど盛りだくさん。 とりあえず読んだ方が良いほんとに。

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2012/08/31

線を引きながら、夢中で読みました。 今、tossでやっていることの全てとつながっているのですね。 いじめ 親学 教員の質の向上 など まず、何と浅く狭いレベルで思考していたんだろうって思って、 衝撃を受けています。 また、 日本の教育の全てが間違っているのではないのに、 ...

線を引きながら、夢中で読みました。 今、tossでやっていることの全てとつながっているのですね。 いじめ 親学 教員の質の向上 など まず、何と浅く狭いレベルで思考していたんだろうって思って、 衝撃を受けています。 また、 日本の教育の全てが間違っているのではないのに、 日本人が自分たちで自分たちの教育のよさを把握していないというのも、驚きました。 測定可能な目標のこと ここに書いてあったのかあ。 心の問題として誤魔化すことが、これほどまでに蔓延していること 全く意識していませんでした。 全員が身につけるべきこと と それ以外 を区別すること 教師の仕事を医師に置き換えて説明するところ 明快でした。 一回読んで、 全ての箇所に驚いているだけです。 二回目、すぐに読み始めます。 線を引くマーカーの色を変えて、読みます。 木曜日までに、 あと二回読みます。 本は、三色の色の線が引いてあることになります。 松崎先生に教えていただいた読み方を、 初めてやってみようと思います。

Posted byブクログ

2012/05/27

日本における教員はどのような考えに基づいて行われるかを知るには良い本。 そしてこれからの日本の教育を憂うにも十分すぎる本。 教育論議をする人たちの頭はあまりよくないってことは伝わってきた。

Posted byブクログ