1,800円以上の注文で送料無料

頼むから静かにしてくれ(2) の商品レビュー

3.9

12件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/07/08

どうしようもなさ。情けなさ。 斜め半歩下ったところにある感情。 「頼むから静かにしてくれ」 自分のだらしなさは棚に上げて、相手には厳しく当たる。 自分の人生がうまくいくはずないんだという決めつけが根幹にあるからなのか。 女は現実的で、男はロマンチスト。 自分が焦燥していると...

どうしようもなさ。情けなさ。 斜め半歩下ったところにある感情。 「頼むから静かにしてくれ」 自分のだらしなさは棚に上げて、相手には厳しく当たる。 自分の人生がうまくいくはずないんだという決めつけが根幹にあるからなのか。 女は現実的で、男はロマンチスト。 自分が焦燥しているときほど、周りの人たちは能天気に明るく感じられる。

Posted byブクログ

2023/01/20

初期短編集なので、傑作揃いの「大聖堂」と比べるとやや小粒な印象はあったが、どの短編もじわりと効いてくるユーモアの感覚や、人生に突き放されてにっちもさっちもいかない場所に放り込まれた人間のどうしようもなさを描いていてとてもよかった。短編だからこそできるクリーンな切れ味が沁みる。レイ...

初期短編集なので、傑作揃いの「大聖堂」と比べるとやや小粒な印象はあったが、どの短編もじわりと効いてくるユーモアの感覚や、人生に突き放されてにっちもさっちもいかない場所に放り込まれた人間のどうしようもなさを描いていてとてもよかった。短編だからこそできるクリーンな切れ味が沁みる。レイモンド・カーヴァーの作品は地味と言ってしまえば地味なんだけれども、奥底からじわりと何かが溢れ出てくるような読み味。「大聖堂」を読んだ時にも思ったが、なかなか読みこなすには力量が必要なのではないか。

Posted byブクログ

2021/08/14

どのお話も本当ストーリーとしては完成されているはずなのにどこかに欠損を感じる。それは本心がまるまる書かれていないから。 けれどそれがレイモンドカーヴァーのハイセンスなところ。文章化せず、ちょっとした態度で伝える。 「こういうのはどう?」であれば、そこに結末は書かれていないど、諦...

どのお話も本当ストーリーとしては完成されているはずなのにどこかに欠損を感じる。それは本心がまるまる書かれていないから。 けれどそれがレイモンドカーヴァーのハイセンスなところ。文章化せず、ちょっとした態度で伝える。 「こういうのはどう?」であれば、そこに結末は書かれていないど、諦めとも言える彼の態度から、想定と異なる田舎暮らしへの決心を感じる。 表題作の「頼むから静かにしてくれ」も、過去の奥さんの浮気を許すのだろうと言うことが、最後のシーンから想像つく。 これらの文章化されていない部分は、もしこれらの出来事を友人に話すとしたら、事実として認めたくないような、女々しい部分とも言える。悪く言えば、「自分のことを棚にあげる」ような書かれ方。 けれど、それは書き手であるレイモンドカーヴァーの優しさであろう。主人公らに愛を込めて、リカバリーを。

Posted byブクログ

2020/12/24

むきだしでとても生々しい短編集。 登場するダメな男たちが情けなくも人間らしい。 人生なんてこんなもんだろうって思える。 「嘘つき」、「合図をしたら」、「他人の身になってみること」、表題作が特に好きでした。

Posted byブクログ

2020/07/01

短篇集。2冊にわかれていてこちらはⅡ巻。ⅠとⅡに収録される短篇の解題がまとめて巻末にある。「頼むから静かにしてくれ」はとても好きな短篇だった。にっちもさっちもいかない人間が出てくるけど、その眼差しは優しい。にっちもさっちもいかない状況なのになぜか絶望しない短篇。

Posted byブクログ

2017/06/22

少々荒削りの印象があったがそこには当時のアメリカの実情が少しの歪みもなく表現されていることを感じた。理想主義に傾かない、カーヴァーだけの文体というものをひしひしと感じる。カーヴァーの作品は西欧の16世紀風に言えば写実的で、ある観点から見ればリアリズムでもある。そういった文章からは...

少々荒削りの印象があったがそこには当時のアメリカの実情が少しの歪みもなく表現されていることを感じた。理想主義に傾かない、カーヴァーだけの文体というものをひしひしと感じる。カーヴァーの作品は西欧の16世紀風に言えば写実的で、ある観点から見ればリアリズムでもある。そういった文章からは切実さを感じるわけだが、正直救いのなさが心を痛めつけ過ぎて読むのが辛かった。もちろん、そこがカーヴァーの良さであるのは周知のことだが。

Posted byブクログ

2015/01/25

十年ぶりに読み返すと、書いた当時の作者の年齢や登場人物の年齢と近づいたこともあり、やるせなさ高まる。

Posted byブクログ

2014/03/16

デビュー作の後半(2)。 図書館で借りて1が無かったので先に2から読みました。 特に表題作が良かった。 人生のひとつの場面をこうやって渋く語る感じは、他の小説ではなかなかないなと思う。 次は1を読みます。

Posted byブクログ

2010/12/13

短編集。 独特のユーモアとセンスの良さを感じさせる文章。 中でも駄目な男を主人公にした物語は男性読者には頷けるところも多いのではないかと思います。 「いつも立派で強がっているあの人が、実はこんな情けないエピソードがあったんです。」といったような。 思わず目を背けたくなるよ...

短編集。 独特のユーモアとセンスの良さを感じさせる文章。 中でも駄目な男を主人公にした物語は男性読者には頷けるところも多いのではないかと思います。 「いつも立派で強がっているあの人が、実はこんな情けないエピソードがあったんです。」といったような。 思わず目を背けたくなるような展開も読んでいて面白いです。 意外に間抜けなところは誰にでもあることで、そこが人間くさくて私は好きです。

Posted byブクログ

2010/10/22

レイモンド・カーヴァーの短編集。 なんだかズーンとくる話が多かった気がする。 手の打ちようもない、どうしようもないって感じではなくて、ひっ迫もしてなくてふわふわしてるんだけど、でも確かにまとわりついてくる絶望感。 きっと悪いことが起こるに違いないっていう予感。 明日は全てがもう少...

レイモンド・カーヴァーの短編集。 なんだかズーンとくる話が多かった気がする。 手の打ちようもない、どうしようもないって感じではなくて、ひっ迫もしてなくてふわふわしてるんだけど、でも確かにまとわりついてくる絶望感。 きっと悪いことが起こるに違いないっていう予感。 明日は全てがもう少しだけ悪くなってそうな感じ。 なんかそういった類の雰囲気が全編を通じて漂っていたように思う。 村上春樹さんの解説によると、そうした雰囲気の中に面白みや希望のようなものがあるらしいけど、自分にはただただずーんとした感じが残っただけだった。 一番印象に残ったのは「鴨」 何か良くないことが起こりそうな予感でピリピリしてた。

Posted byブクログ