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孫文(下) の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2022/07/11

孫文が?と言っていいかどうかわからないが、中華民国?共和国?を建国するまでのはんせい。孫文自体は陽性で何度も立ち上がって頑張るのだが、なんせずっと海外で結局仲間達が弱った清を倒してくれる。そういう意味では物語としては盛り上がりに欠ける。でも何度も立ち上がって、世界を飛び回って同志...

孫文が?と言っていいかどうかわからないが、中華民国?共和国?を建国するまでのはんせい。孫文自体は陽性で何度も立ち上がって頑張るのだが、なんせずっと海外で結局仲間達が弱った清を倒してくれる。そういう意味では物語としては盛り上がりに欠ける。でも何度も立ち上がって、世界を飛び回って同志とお金をかき集めて、挫けずに頑張るのは凄いのだろう。清も寿命だったように感じる。日本との関わりはすごい勉強になった。民間はすごくサポーティブだったようだし、中国からの留学生も多かったよう。袁世凱が偉くなってた。この後そうなって日中戦争に入っていくのかもちゃんと読んでみないとな、と思ったが何を読めば良い?

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2021/02/07

孫文の辛亥革命までの足跡を辿る。 ただ、この期間、孫文は大半が海外で革命支援運動をしてたので、革命の醍醐味自体は伝わりにくいところがある。 辛亥革命を経て、中華民国建国後の孫文を知りたいと思う。(その意味で、ここで小説が終わることの消化不良あり) 中国には多くの華僑がいて、海外...

孫文の辛亥革命までの足跡を辿る。 ただ、この期間、孫文は大半が海外で革命支援運動をしてたので、革命の醍醐味自体は伝わりにくいところがある。 辛亥革命を経て、中華民国建国後の孫文を知りたいと思う。(その意味で、ここで小説が終わることの消化不良あり) 中国には多くの華僑がいて、海外の経験のある人物が相応にいたにも関わらず、列強の植民地化を防げなかったのは、満州族の清国と広東を中心とする華僑が分断されていたからなのだろう。 つまり、もともと当時の中国は分権国家で国家の意識が薄かった。外圧によってようやく国家意識を持つようになり、それはやはり華僑の力を含め漢民族を中心に束ねる必要があった。 中国人の海外のネットワークの影響は、日本の近代化と大きく異なるところ。 (現在のIT革新も海外留学帰りの人材の貢献が大きく、これが中国の大きな資産) 以下引用 ・科挙が廃止され、学校、とくに外国の学校が登竜門となる。何省に限らず若者たちは外国に出るようになった。とくに母国に最も近い日本は、公費であれ私費であれ留学生が多かった。 ・孫文がこのころの留学生のようすを見て、きわめて心強く思ったのは、広東以外の出身者が団結しはじめたことであった。 以下解説(加藤徹氏)より ・実は、今日的な意味での中国や中国人という概念は、19世紀までは存在しなかった。本作でも描かれているように、清朝の支配下の民は清国人であり、海外に出た漢民族は唐人あるいは支那人と自称した。 21世紀の今日、中国人は、世界的に見ても国家意識がきわめて強い。その理由は、国民国家としての中国がアメリカ合衆国にくらべてされずっと若いことにある。中国人という自覚が遅れたことが近代の屈辱の元凶となった、という痛烈な反省を現代中国人は懐いているのだ。 ・孫文が成功した理由はいくつかある。 中国国内外にはりめぐらされた華人ネットワークのなかを縦横無尽に泳ぎまわったこと。民族、民権、民主の三つからなる三民主義のように、明確な理想をかかげたこと。そして何より、孫文自身が、蜂起に何度失敗しようとも最後まであきらめない楽観主義と、無私の精神をもっていたこと。 孫文の後も、中国の国外に亡命したり、海外から中国を変革しようとはかった活動家は、数多く現れた。しかし、孫文と同じやり方で成功した者は、結局、一人もいなかった。 ・かつてアジアの人々の目に映る日本は、かがやいていた。中国の志士も、「きみは西郷たれ、われは月照たらん」「長沙は是れ薩摩」など、幕末日本の志士を強く意識していた。孫文、康有為、梁啓超といった要人は日本に亡命し、魯迅、蒋介石、周恩来などリーダー級の人物もこぞって日本に留学した。 日本政府は概して冷淡だったが、胸襟を開いて彼らを受け入れた民間人は多かった。 ひるがえって、現代はどうであろう。景気の動向に一喜一憂するだけで、明確な未来の夢を語れぬ今の日本は、アジアの人々から見て、魅力的な国だろうか。 政府間の関係は別として、わたしたちは、胸襟を開いて外国人を受け入れるだけの心意気を、いまももっているだろうか。 本作を読んで、そのようなことも考えさせられた。

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2019/04/28

辛亥革命に至る孫文の活動を小説として整理したもの。膨大な資料を読み解いており、史実に忠実な分、小説としての読みやすさはない。上巻はまだしも下巻を読むのには随分時間がかかってしまった。孫文の度量の大きさ、能力の高さ、当時の日本の国際的な立ち位置、日本の民間人と孫文の交流など大変面白...

辛亥革命に至る孫文の活動を小説として整理したもの。膨大な資料を読み解いており、史実に忠実な分、小説としての読みやすさはない。上巻はまだしも下巻を読むのには随分時間がかかってしまった。孫文の度量の大きさ、能力の高さ、当時の日本の国際的な立ち位置、日本の民間人と孫文の交流など大変面白く、学ぶことが多い。

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2016/08/24

 この作品は捉え方によって全く評価が分かれてしまうと思う。  タイトルは『孫文』となっているが、実際には日清戦争による台湾併合の後に広州で起こした第一回蜂起にて始まり武昌での辛亥革命までを主軸に描いている。だから孫文が出てこないシーンなどたくさん有るし、革命には関係があるものの孫...

 この作品は捉え方によって全く評価が分かれてしまうと思う。  タイトルは『孫文』となっているが、実際には日清戦争による台湾併合の後に広州で起こした第一回蜂起にて始まり武昌での辛亥革命までを主軸に描いている。だから孫文が出てこないシーンなどたくさん有るし、革命には関係があるものの孫文には全く関係していない人物の話も収録されている。更にはフィクション小説というよりも史記としての側面が強いため、孫文を主人公とした小説を読みたいと思った人には少々違和感を覚えさせてしまうかもしれない。  しかし、膨大な量の文献を参考に書かれた本作には中国革命に興味を示す者にはとてつもない魅力を放っていると思う。  ただ、個人的に許せない点もある。本作を単行本から文庫本に変更する時にタイトルも変えられている訳だが、何故元のままもしくは他の適切な題名に出来なかったのかと思ってしまう。原題は上巻が『青山一髪 上 孫文起つ』、下巻が『青山一髪 下 辛亥への道』となっている。上記で示したように本作は中国革命に主軸を置いたものであって、孫文の軌跡を描いたものではない。その証拠に物語開始時に孫文は既に三十手前だし、死ぬ13年前の臨時政府の大総統就任式で終わっている。  孫文の栄光の部分だけ抽出したという解釈も出来なくは無いが人格形成に重要な意味をもつ少年時代まで削ってしまうというのは少々納得がいかない。  だからこそ個人的には、孫文だけを想起させてしまうような本書のタイトルには異を唱えたい。せっかく原題の『青山一髪』という言葉がクライマックスで小気味いい洒落を残しているのに。

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2011/08/26

やっとこさ、下巻も終了〜。 まず、とにかく人物と地名が多すぎる!。 海外が絡む本はこれが厳しい。。だんだん 棒読みになってしまうし、眠たくなる! とりあえずこの本は辛亥革命で終了してしまうので同じ陳舜臣の「山河なんたら」を読むことにしました。その後の孫文が出てくるらし...

やっとこさ、下巻も終了〜。 まず、とにかく人物と地名が多すぎる!。 海外が絡む本はこれが厳しい。。だんだん 棒読みになってしまうし、眠たくなる! とりあえずこの本は辛亥革命で終了してしまうので同じ陳舜臣の「山河なんたら」を読むことにしました。その後の孫文が出てくるらしいので。 そのときにむすすの孫文像が一応Fixするはず。 中国近代史に興味のある方は一読してもいい本 です。

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2009/10/07

辛亥革命にいたるまでの道のりをノンフィクションで描いている。 なんか、孫文がもっと辛亥革命に絡んでると思ってたんだけど、当の本人はそんとき中国にいなかったんだね。(アメリカのデンバー) なんか上下巻読んでて、基本的に孫文は世界各地を回って資金集めをたくさんしている印象をいだきまし...

辛亥革命にいたるまでの道のりをノンフィクションで描いている。 なんか、孫文がもっと辛亥革命に絡んでると思ってたんだけど、当の本人はそんとき中国にいなかったんだね。(アメリカのデンバー) なんか上下巻読んでて、基本的に孫文は世界各地を回って資金集めをたくさんしている印象をいだきました。 解説の方が書いている通り、中国史の変換のベクトルは「北から南へ」「内陸部から沿海部へ」というものだった。チンギスハンも、永楽帝も、ヌルハチも、康有為も。 それを孫文は「南から北へ」というベクトルで達成したことがすごいよね。 中国同盟会は、華興会、興中会、光復会の合併だよ。不満持ってた人も多いみたいだけど。 康有為は保皇会のリーダーとして孫文とかと対立した。

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