喜劇の手法 笑いのしくみを探る の商品レビュー
どういう技術でもって笑いが起こるのか、 おかしみが生まれるのか、を分析して述べているのですけど、 面白いです。 こういう講義を受けたかったよね、 もしも若い頃から文学に興味があったならですが。 大きく、戯曲を悲劇と喜劇にわけてみる。 そのうち結婚で終わるような比較的幸せな終わり...
どういう技術でもって笑いが起こるのか、 おかしみが生まれるのか、を分析して述べているのですけど、 面白いです。 こういう講義を受けたかったよね、 もしも若い頃から文学に興味があったならですが。 大きく、戯曲を悲劇と喜劇にわけてみる。 そのうち結婚で終わるような比較的幸せな終わり方をする方が喜劇であって、 一般的なイメージとしてあるように、 笑劇がすなわち喜劇、ではないんですよね。 人が死んで終わるような、 わかりやすい悲しみの戯曲でなければ、 ちょっと切ない喜劇もあるんじゃないかなと、 本書を読んでいると、 そう分類については考えたりしました。 でもって、 いろいろあるなかで23の項目に分けて取り上げ、 それら喜劇の技巧について具体例から端的に述べてくれています。 なので、とてもわかりやすいですし、 おもしろいし楽しみながら、その技術を知ることができる。 これは小説を書く場合にも大いに参考になります。 構想の段階で参考にするならば、 格段にイメージが広がるくらいのバラエティに富んだ技巧を収めている。 また、終章へ向かうにつれて、 演劇というものの深みについて、 どんどん誘ってくれるような作りになっていました。 新書という形式で、 紙数もそれほどの量ではない中で、 要点をついた文章で 読者は最短ルートをたどって、 演劇表現の最前線の苦闘領域まで行けてしまいます。 苦闘領域とはなにか、といえば、 たとえば劇中劇を用いることで、 劇そのものを茶化しながら、 観客の劇に対する認識を、揺さぶることについてなどですね。 劇中劇について演者が論じることは、 その本当の劇そのものをも論じることであり、 劇を壊しかねないわけですね、興ざめを引き起こすかもしれない。 でも、その技巧をあえて、 そして上手に用いることで、 認識論や記号論の深みと演劇自体が繋がるところまで、 観客を連れていくことがある。 そういう位相に頭がもっていかれれれば、 いつもならば疑問に思わなかったものが疑問として立ちあがってきます。 いったい演劇ってなんなんだろう? 演者は観客に話しかけることがあるし、 その話しかけは周囲の演者には聴こえない設定になっているしです。 たとえば現代的なリアリティを重視するドラマや映画と比べて どう解釈し、そういった話しかけはどう受け止めるべきなんだろう? 哲学して体系立てたくなるのですが、 なかなかそう、すとん、とは治まるものではない。 というように、 最初は技術や手法、方法論の形式を一つずつ知る、 みたいな読書になるのですが、 最終的には演劇論の領域までちょっと足をつっこむくらいの内容になります。 だから余計に面白かったですね。 ひとつの戯曲の性格を決めるのも一つの手法で足りたりしますが、 戯曲の筋とは関係なしに、 観客の認識を揺さぶったりするのも一つの手法としてある。 本書収録の手法は幅が広く、 もっと言えば、次元が異なるものが並列に収められていて、 それが「手法や技巧は360度に放たれるものだ」とでもいうみたいに、 それこそ自由を感じさせられます。 僕はこれまで演劇はあまり観ていないし、 戯曲を読んだのもシェイクスピアとチェーホフをあわせて3つほどです。 でも、これからまだ読む予定のものがもうすでに積読になっているし、 それらに触れるときに多少、分析的な目で楽しめるものさしになったかもしれない。 また、なにより小説を書くのに役立つタイプの本でした。 実用できる本として、 本棚の、目についてすぐに抜きやすいところに入れておこうと思います。 良い出合いでした。
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恥ずかしながらほとんど知らない喜劇が出てきたが、全てどういう物語かを説明してくれるので、手法についてもわかりやすかった。
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恥ずかしながら演劇にかなり疎い僕は、本書でなされる様々な説明を、アンジャッシュのコントを思い浮かべながら読み解いていった。 結論1:アンジャッシュのコントは喜劇である。 結論2:演劇の笑いと文章の笑いは、また別物である。
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既読感があるので、以前読んだかも。 英仏系古典“喜劇”の一般解題書はとにかく翻訳書が少なく、こういう新書はガイドブックとして有難いです。 23のおもな喜劇技法分類と用例を羅列。 用例はシェイクスピア、モリエール、ニール・サイモン、グレアム・グリーン、ゴーゴリ、カウフマン、ピンタ...
既読感があるので、以前読んだかも。 英仏系古典“喜劇”の一般解題書はとにかく翻訳書が少なく、こういう新書はガイドブックとして有難いです。 23のおもな喜劇技法分類と用例を羅列。 用例はシェイクスピア、モリエール、ニール・サイモン、グレアム・グリーン、ゴーゴリ、カウフマン、ピンター、チェーホフなど。 紙数都合上、ただの羅列以上に得るものは薄いですが、ないよりはてんでマシ。
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・だます 変装 一人二役 嘘 変身 ・迷う 双生児 偶然の一致 反復 循環 逆転 ・間違える 誤解 身代わり 自縄自縛 誤算 ・語る 傍白 アイロニー 沈黙と間 機智合戦 スラップスティック
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教育実習のために買った本。 シェイクスピアの話題が結構出てきて興味深かった。演劇見たいけど時間と金が…。 でも喜劇の手法について知ることができたのは一長一短かも。専門的に見れるかもしれないけど、「ああ、この喜劇はこのパターンね」なんて考えたら面白くなくなる? 三谷さんの喜劇と照ら...
教育実習のために買った本。 シェイクスピアの話題が結構出てきて興味深かった。演劇見たいけど時間と金が…。 でも喜劇の手法について知ることができたのは一長一短かも。専門的に見れるかもしれないけど、「ああ、この喜劇はこのパターンね」なんて考えたら面白くなくなる? 三谷さんの喜劇と照らし合わせたりすると面白いかも、なんて思いました。
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[ 内容 ] 劇場で喜劇を観るのは心躍る体験だが、なぜそれが面白くて楽しいのかという疑問に答えてくれる本は意外に少ない。 本書は、誰もが喜劇と認める作品を手がかりにして、その問いに具体的に答えようと試みる。 喜劇の観客はよく笑う。 その笑いはいったいどこから生まれてくるのだろう。...
[ 内容 ] 劇場で喜劇を観るのは心躍る体験だが、なぜそれが面白くて楽しいのかという疑問に答えてくれる本は意外に少ない。 本書は、誰もが喜劇と認める作品を手がかりにして、その問いに具体的に答えようと試みる。 喜劇の観客はよく笑う。 その笑いはいったいどこから生まれてくるのだろう。 著者は笑いのエッセンスを、シェイクスピアやモリエール、さらにはニール・サイモンやハロルド・ピンターなどの代表作から注意深く抽出し、そこに仕掛けられた創意あふれる手法を読み解き、笑いの源泉へと迫っていく。 演劇的知を駆使して喜劇の魅力を解き明かした、最良の演劇入門書。 [ 目次 ] 序 笑う―喜劇の観客 1 だます―喜劇と意識 2 迷う―喜劇と無意識 3 間違える―喜劇の状況 4 語る―喜劇の言葉 5 考える―喜劇についての喜劇 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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