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宮田登 日本を語る すくいの神とお富士さん(2) の商品レビュー

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2019/12/07

富士講や浅間信仰については、養蚕地帯の女性たちを主体にしたものであったということ。 先に立つ行者たちは、さまざまなことを書き残しているが、内容は主観的で情緒的な感はいなめないが、それら自体が一種の「おふだ」のように信仰対象になったことは間違いないのだろう。 女性たちの関りかたにつ...

富士講や浅間信仰については、養蚕地帯の女性たちを主体にしたものであったということ。 先に立つ行者たちは、さまざまなことを書き残しているが、内容は主観的で情緒的な感はいなめないが、それら自体が一種の「おふだ」のように信仰対象になったことは間違いないのだろう。 女性たちの関りかたについても、すぐれた一個人が現れてその人の主義主張が大衆を感化して広まるといったような、従来型の歴史観は、どうしても作り話的である。やはり主役は集団であり、集団の行動を文明論的にあるいは哲学的にとらえなおすことが第一歩となるのではないか。そういうことまでこの本に書いてあるわけではないが、女性史にとっては女性たちの民俗や伝来の信仰が重要であることは宮田氏がよく書いていることである。 このシリーズは著者の著作集にもれた小編を毎月1冊づつ集成したもので、地方の書店にも並んだ。その後、何年かで本はネット購入が大半となり、書店にあまり行かなくなる。 『宮田登日本を語る〈2〉すくいの神とお富士さん』 吉川弘文館 2006年

Posted byブクログ