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馬上少年過ぐ の商品レビュー

3.9

50件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2015/04/03

伊達政宗をはじめとした短編集。 分家の宇和島伊達家の話もあり、とても面白い。 司馬遼太郎の短編集はどうしてこうも面白いのだろう、長編小説より短編集を買い漁る癖がついてしまったではないか。

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2015/03/29

 歴史の教科書に出てきた人も、そうでない無名の人も、いずれも遠い昔の時代の話なので、どうしても実感がわかず想像力が働かない場合が多いと思います。何を考えてどういう人生の局面で、どういう真剣な、あるいはいいかげんなDecisionをしたのか など。  いくつかの短編を読んでいて...

 歴史の教科書に出てきた人も、そうでない無名の人も、いずれも遠い昔の時代の話なので、どうしても実感がわかず想像力が働かない場合が多いと思います。何を考えてどういう人生の局面で、どういう真剣な、あるいはいいかげんなDecisionをしたのか など。  いくつかの短編を読んでいて、そういうのが俄然Vividに伝わってきます。いきいきと見えてきます。遠い昔に生きていた人たちにも、今の自分たちと同じように感じて考えて行動していたのだろうと、うまく想像できます。  サラリーマンとしては、『重庵の転転』を非常に興味深く読みました。

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2014/11/10

司馬遼太郎氏の短編集。短編とはいっても、一つ一つ重厚でとても丁寧に書かれている。 他の長編のダイジェスト版のようになっている小説もあり、長編に取り組んでみたいが敷居が高いと思う人は、こういう短編集から読んでみるのもいいかもしれない(といってもやはり長編がおススメだが)。 室町時代...

司馬遼太郎氏の短編集。短編とはいっても、一つ一つ重厚でとても丁寧に書かれている。 他の長編のダイジェスト版のようになっている小説もあり、長編に取り組んでみたいが敷居が高いと思う人は、こういう短編集から読んでみるのもいいかもしれない(といってもやはり長編がおススメだが)。 室町時代から江戸時代まで、必ずしも一番活躍したわけではない歴史の脇役に焦点があたっていて興味深い。本当に面白くて、寝食を忘れて読んだ。

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2014/07/13

司馬遼太郎短編集。 全部で7つの短編集なので、それぞれの内容と感想をかなり手短に。 英雄児…頭が良過ぎる河合継之助の話。無隠の立場からみた継之助の生涯という感じ。「あの男にしては藩が小さすぎたのだ」という台詞がなんとも言えない。 慶応長崎事件…海援隊と外人水兵の斬った斬らなか...

司馬遼太郎短編集。 全部で7つの短編集なので、それぞれの内容と感想をかなり手短に。 英雄児…頭が良過ぎる河合継之助の話。無隠の立場からみた継之助の生涯という感じ。「あの男にしては藩が小さすぎたのだ」という台詞がなんとも言えない。 慶応長崎事件…海援隊と外人水兵の斬った斬らなかった話。坂本龍馬、アーネストサトウも出てくる。とにかく幕末の話なので、攘夷運動が盛んな時にこの事件は相当まずい。頭脳戦。 喧嘩草雲…絵師の草雲の話。足軽の子だから足軽絵師。嫁のお菊が亡くなってから人が変わったようになり、穏やか草雲になった。名将であり絵師であった草雲。お菊はいい嫁だったんだなぁと、しみじみ。 馬上少年に過ぐ…タイトルにもなっている。伊達政宗の幼少期中心の話。歌道に堪能だった政宗、疱瘡で片目が潰れてしまった政宗、母から愛されなかった政宗。奥州筆頭伊達政宗此処にあり!という感じ。 重庵の転々…土佐人の医師、重庵の話。武道にも長け頭もキレるこの重庵は伊予人から土佐人ということだけで嫌われていた。家老にまで登りつめたが、結局医師になって仙台で余生を送るという。何とも言えない。 城の怪…万左衛門の一目惚れから発展していく、乱心?な話。狐狸が城に出るという噂を聞き、退治しにいく。そこまではいいけど松蔵とのもや〜っとした感じ。かなり女は怖いなとつくづく。 貂の皮…脇坂甚内の貂。野伏だった脇坂が、豊臣秀吉との出会いで賤ヶ岳の七本槍の1人として世間に注目されたけど。それは豊臣秀吉から貰った貂の皮の庇護では?という話。貂の皮の有り難さというか、貂の皮のおかげで此処までこれましたというか。

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2013/09/22

収録作品内で少し出来にばらつきを感じる短編集。 それでも司馬遼が好きな人には短いという意味で読みやすい作品なのかな?とは思う(当方、特に司馬遼ファンではないので見当外れかもしれませんが)。 しかし、相変わらずの断定口調の人物評がそこかしこに散見。 「器量無し」って決めつけられる人...

収録作品内で少し出来にばらつきを感じる短編集。 それでも司馬遼が好きな人には短いという意味で読みやすい作品なのかな?とは思う(当方、特に司馬遼ファンではないので見当外れかもしれませんが)。 しかし、相変わらずの断定口調の人物評がそこかしこに散見。 「器量無し」って決めつけられる人物の御一族の心中を察するに余りあるってやつです。

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2015/07/14

馬上少年過ぐ、自ら言ってるところがあまりにもかっこいいじゃないか。 貂ってなんだろ、 と。菜の花の沖のロシア描写にもずっとあった、黒貂だったが、まぁ豹の一部に似てるものだと思っていたのだが(つくりがいっしょだし)ウィキってみてびっくり、 非常にめんこいもんだとは。 動物園にもい...

馬上少年過ぐ、自ら言ってるところがあまりにもかっこいいじゃないか。 貂ってなんだろ、 と。菜の花の沖のロシア描写にもずっとあった、黒貂だったが、まぁ豹の一部に似てるものだと思っていたのだが(つくりがいっしょだし)ウィキってみてびっくり、 非常にめんこいもんだとは。 動物園にもいないよなぁ

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2013/03/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最近の歴史ブームで注目されるのは誰もが知っている者たちだが、この本ではスポットをライトを浴びる事が無かったであろう者たちが描かれている。 七つの話の中で、私の印象に残っているのは「馬上少年過ぐ」と「重庵の転々」だ。誰もが知っている奥州の”伊達政宗”と、そこから遠く離れて時を経た宇和島に感じる”伊達”の話が並べられている事に強い衝撃と、私の知らない歴史のすき間を見つける事が出来た喜びのようなものを感じた。この話を読む事で、より伊達政宗という人物が好きになった。 「文庫本版のために」で描かれる東北像と仙台という都市の考察には強い共感を覚えた。魅力的な都市ではあるが伊達政宗という人物を感じる事ができる場所が少ないように感じたからだ。だから、ぜひ私も宇和島を訪れてみたいと思った。

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2013/01/25

非常に有能な人間が、ちょっと場所とタイミングを間違えて生まれてきてしまった。という運命のいたずら。頭がいいからこそ、自分のみが基準となり、時代の潮目というものが読めないということはあるのかもしれない。歴史には、あらゆる意味で非常に大袈裟な登場人物が多く、今の日本人とは同じ民族とは...

非常に有能な人間が、ちょっと場所とタイミングを間違えて生まれてきてしまった。という運命のいたずら。頭がいいからこそ、自分のみが基準となり、時代の潮目というものが読めないということはあるのかもしれない。歴史には、あらゆる意味で非常に大袈裟な登場人物が多く、今の日本人とは同じ民族とは思えない。自分も江戸時代に生まれたら、とんでもなく豪快な男になっていたのだろうか。いや大人なしく、茶店で団子食べてるな、たぶん。

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2012/12/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館でのカテゴリがヤングアダルトだったのがびっくり。 そうか、ヤングアダルト向けなのか・・・ 併読していた『街道をゆく』の「南伊予・西土佐」で宇和島伊達藩の話にぶつかってタイミングの良さににやにやしてしまった。 「馬上少年過ぐ」は全文読みたくなる名文のようです あと、司馬は濡れ場を書くのが苦手なんだなぁというのを実感した。 淡々とした描写を心がけると言うより描けなかった、というのが本音なんだろう。 そんな彼にとって開高健のような存在はねたましいを通り越して燦然と輝く巨星だったのではないか。【十六の話】の弔辞を思い起こしてそんな印象も抱いた

Posted byブクログ

2012/09/13

昭和40年前後に発表された短編を集めたもの。表題作は伊達政宗だが、他は河井継之助、菅野覚兵衛、田崎早雲、山田文庵、脇坂甚内など比較的マイナーな人物が題材になっている。だからこそ面白い。日本史は奥深いな。有名人系長編作品よりずっと面白いのだった。

Posted byブクログ