道元 の商品レビュー
私は法華経を中心とした日蓮仏教を主に学んだが、本書が示す道元の仏教理解とのずれは全く感じなかった。 とにかく著者の道元の言葉を噛み砕き、言語化する能力に感嘆するのみである。 応用より基本の威力を思い知った。
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p20 古仏心巻の引用の解釈、前後の文脈が分からないが、悟りに触れる必要はあるのだろうか。(私訳)例示された諸々の存在は仏法において成立しており、またその存在を問うのが仏法である。さらにその作用を起こすのが心である。心仏ともに新しく生まれたものではなく、古よりあり、椅子や竹木とい...
p20 古仏心巻の引用の解釈、前後の文脈が分からないが、悟りに触れる必要はあるのだろうか。(私訳)例示された諸々の存在は仏法において成立しており、またその存在を問うのが仏法である。さらにその作用を起こすのが心である。心仏ともに新しく生まれたものではなく、古よりあり、椅子や竹木という概念と同時に発生し、また等価である。 p22著者とそれほど解釈に違いはない?
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禅を始めた頃に「道元入門」として購入。「自己」「空」「真理」といった禅の概念に対する道元の考えをわかりやすく解説している・特に「青山常運歩」という概念は奥が深い。
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非常に興味深い。透徹した論理を用いながらも、いたずらに知識に振り回されず、道元の思考に直接肉薄する表現に瞠目した。 ただ、基本的に、必要最小限度哲学の素養がないと読みにくいのは確かだろう。 道元は、要するに、人間の心には生まれながらに、仏があると言っている。それは、方法序説におい...
非常に興味深い。透徹した論理を用いながらも、いたずらに知識に振り回されず、道元の思考に直接肉薄する表現に瞠目した。 ただ、基本的に、必要最小限度哲学の素養がないと読みにくいのは確かだろう。 道元は、要するに、人間の心には生まれながらに、仏があると言っている。それは、方法序説において、デカルトが人間には生まれながらに平等に良心が備わっていると発言し、カントが人間はア・プリオリに、道徳意思を持っていると主張しているのに、概略重なる。 要するに、仏とは良心であり道徳意思であり純粋理性である。 デカルト、カント、またチョムスキーなどの知識があると読みやすい。 日本もまだまだ捨てたものでないと思った。
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道元の思想がコンパクトにまとまっていて、読みやすく初心者向けで面白い。 「道元の深遠な思想をコンパクトにまとめるなんて、できるもんか」と少し思ったのですが、読んでみるとちゃんとまとまっているのです。 ただ、道元の言葉を紹介する上で、単語の解説と、あとときどきポストモダン思想的なキーワードが入り込んでくるのがうるさかったかな。 学生時代はポストモダン思想的なキーワードにはどっぷり浸かって、とても面白い世界だと思ったのですが、どうも「なんにでも応用できる曖昧さ」があって安易に使われていると途端に胡散臭く感じてしまうんですよね。 ポストモダン思想も、その原型をたどると案外に骨があって、そんなに曖昧なものでもないと思うのですが。
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正直、大学生向けの教科書のような記述で読みにくい。でも、道元のさとりの大まかな枠組みを、原文、現代語訳、解説と、シンプルにまとめ、全体像をとらえきっていると思う。100ページを少し超えるだけの小冊子ながら、掘り出し物に出会えた喜びがあった。
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1200年代の日本にもここまで哲学の深まりがあるんだなぁと感心しました。空と時間、関係性の関わりと解脱と現成を通して現在に存在するということについての解説は、とても興味深かったです。
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