多元化する「能力」と日本社会 の商品レビュー
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2005年刊。著者は東京大学大学院情報学環助教授。現代日本において必要な能力を、ポスト近代的なハイパーメリトクラシーと定義づけ、その内実と実態、変容要因、特に学生期での関係性の実情、享受されるべき教育内容や提供主体(家庭の重要性と限界、現行学校教育の不適合)を解説。実感に適切な用語と内実を付与した点は高く評価したい。ただ、著者も混迷を自認するように、その影響(特に女性のライフスタイルと少子化)と処方箋は?。また、自前の調査データが少なく、0年代後半、10年代のデータ補完が欲しいところ。 友達作りとその関係性維持に汲々としている長女を見ていれば、本書にある学生期における対人関係の実情は十分納得できる。ただ、男性労働者の所得減が男女とも結婚に踏み出せないというテーゼもあることから、男性の所得減を変数に加味した分析結果を知りたいところではある。
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第四章 生きるためのスキル 社会的包摂・排除、の度合いも多元化しつつある 大人とは何か? どうやったらなれるのか? ライフスキル 努力する能力(小中学校)、対人能力(高校)について前章で見てきたが、学校出たあとのライフスキルはどうか 家事スキル テクニカルスキル メンタル...
第四章 生きるためのスキル 社会的包摂・排除、の度合いも多元化しつつある 大人とは何か? どうやったらなれるのか? ライフスキル 努力する能力(小中学校)、対人能力(高校)について前章で見てきたが、学校出たあとのライフスキルはどうか 家事スキル テクニカルスキル メンタルスキル →ライフスキルなどのポスト近代化能力と社会的地位との連関がありそう 第六章 ハイパー・メリトクラシーに抗うために だめ連とか 社会全体に広がるものか? 実はその集団自体がポスト近代型能力なものを求めてないか? やっぱりそれはサステイナブルさに欠けないか? やっぱり何か目指すものがあったほうが生きやすくないか? 専門性への期待 スキルを身につけること ・ポスト近代型能力がなくても、何かのスキルがあればある程度許容されるシェルターになる ・専門性はカリキュラムによって取得がしやすい ・また、専門性を持つことによって仲間ができたり、不安が軽減されたりして、ポスト近代型能力が形成されやすくなる
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http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100001626
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「勉強ができるだけじゃだめなんだ、コミュニケーション能力、自主性といったものが大切だ」といった風潮と、それに矛盾する「やはりまだ学歴社会である」といった風潮、どちらも現代の日本に存在すると思う。なぜそのようになるのかとても納得する形で示してくれた。とても面白かった。
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2012 7/2パワー・ブラウジング。筑波大学中央図書館で借りた。 業績主義(メリトクラシー)のたてまえ/イデオロギーが希薄した"むきだしの"メリトクラシー、「ハイパー・メリトクラシー」に関する本。 受験勉強とそれに基づく学歴等の何か特定のものへの"...
2012 7/2パワー・ブラウジング。筑波大学中央図書館で借りた。 業績主義(メリトクラシー)のたてまえ/イデオロギーが希薄した"むきだしの"メリトクラシー、「ハイパー・メリトクラシー」に関する本。 受験勉強とそれに基づく学歴等の何か特定のものへの"努力"によるのではない、個性や創造性、ネットワーク形成力など、その場/その場での能力に応じた評価が重要になってあらゆることに努力のリソースを注がないといけないんだけど、事前に何に注ぎ込んでおけばいいのかがわかるわけではないし、そういうものが教育できるのが現状、家庭環境等になってしまうために乗り越え難い不平等も生じうるといった問題点も指摘する。 対抗策として著者が掲げたのが「専門性」(ただ、これはむしろ「専門」ってだけにしておいた方がより著者がいいたいことに近そうな?)である点とか一周回って面白い。 序章とあとがきにおける、本書の不十分な点への著者自身のexcuseと、でも指摘した現象は正しいと確信している的な文章の書き方は、何かの参考になるかも・・・ってもちろん使うべきではない手法と思うけど。
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今日のメリトクラシーの特徴を分析した書。一昔前のメリトクラシーが人々に要求していたのは学歴や学力、標準生などであった。しかし、一方今日のメリトクラシーが人々に要求するのはそれに加え、ユニークさや創造性、個性、コミニュケーション力とかなり多岐にわたる(ハイパーメリトクラシー)。この...
今日のメリトクラシーの特徴を分析した書。一昔前のメリトクラシーが人々に要求していたのは学歴や学力、標準生などであった。しかし、一方今日のメリトクラシーが人々に要求するのはそれに加え、ユニークさや創造性、個性、コミニュケーション力とかなり多岐にわたる(ハイパーメリトクラシー)。このような状態が続くことによって人々は圧迫される。結果、子どもを完璧に育てなくてはならない重圧による少子化、若者の将来に対する不安を生み出すことにつながっていると指摘。 着眼点は非常に面白いし、データも豊富。しかし、データと結論の一貫性に若干違いがあったり、また、現代の問題をすべてハイパーメリトクラシーを主軸に片付けようとしている点に無理がある気がした(これらはあとがきで本人も認めているようである)。 あというなら教育社会学の書であるので学歴系の話題を期待したが、あまりそれに触れられてなかったので個人的にへこんだ。
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本の構成はわかりやすい。賛否両論あろうが問題提起としてはきちんとなされている感がある。論旨とはずれるが、人間関係に自信がない人ほど大学進学を選ぶとか、アルバイトやパートなどの非正規労働と自信などの相関関係の分析の試みとかが面白かった。
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あとがきの中で明かされているように、相当の苦心を経て書かれた一冊だと思います。能力には数値化できるものと、決して数値化できないものの二種があると思いますが、前者を炙り出し、努め鍛え中長期的なアプローチに昇華していくそのモノに価値があるのではないかと本書を通じて考えさせられました。
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勉強だけでない対人能力やいわゆる文科省や企業が提唱する能力をハイパー・メリトクラシーとしてそれが要求されている児童生徒の現状を分析したものである。その圧力釜への対抗として著者は「専門性」を提唱している。この「専門性」が実際にどこまで保持できるかは不明であるが、ある解決策としては有効である。 教育についての基本的な視点を持つための本として薦められる。 再度2025年1月8日に読んだ。
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