天球儀文庫 の商品レビュー
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二人の少年が登場して物語が展開しますが、本作はそれぞれの兄や親族が「意図的に」登場します。 長野さんの小説は、時間の止まった箱庭のような雰囲気がありますが、本作は時間軸を意識させられ、少年たちが成長して大人になっていくことを想像させます。
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毎晩の読み聞かせで最近のお気に入り。 秋の新学期から翌年の夏季休暇まで、アビと宵里(しょうり)、2人の少年が過ごした一年の日々を描く。 私の高校もインターナショナルだったので、9月生を迎える秋の季節を懐かしく思い出した。 宮沢賢治の銀河鉄道の夜に出てくるジョバンニとカンパネ...
毎晩の読み聞かせで最近のお気に入り。 秋の新学期から翌年の夏季休暇まで、アビと宵里(しょうり)、2人の少年が過ごした一年の日々を描く。 私の高校もインターナショナルだったので、9月生を迎える秋の季節を懐かしく思い出した。 宮沢賢治の銀河鉄道の夜に出てくるジョバンニとカンパネルラにも似た2人の少年の幻想的な世界観が美しい。 息子もちょっと大人びて天才気質の雰囲気の友人と深く付き合うことが多いので、2人の少年の日常という場面設定がしっくりくるようで、毎晩のように天球儀文庫読んで、とリクエストしてくる。 毎晩のイメージトリップが楽しくなる一冊。
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耳をすませばのしずくが書く小説の中の世界みたいな、不思議な世界観。品の良いお洒落な風景と少年たちの幻のような時間が、清涼な読後感を誘います。私が呼んだのは文庫版ではなく4篇それぞれが一冊の本になっているもので、中の装丁もとても美しい。レコードのノイズをソーダの音と表現してみたり、雪雲を天使の枕と言ってみたり、表現の一つ一つが上質なファンタジーで、久々に夢中になって読んでしまいました。
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彼らが彼らでいられる時間が短いから、こんなに燦めいて見えるのかなと思います。 言葉遣いも行動も丁寧じゃないのに、上品さは全く失われなくて長野作品の少年は良いです。
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登場人物であるアビ、宵里、という名前から、美しいガラス細工のように作られた工芸品のような繊細さを感じる。小物や街の描写も奇麗。清潔に博物館の中に陳列されているミニチュアを観るような、そんな世界観を想う。
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別れても、また何度でも巡り合って、そしてその度、惹かれ合う。友情ってこういうことじゃない?という長野先生の気持ちがストレートに描かれている。この意見に対して、率直に素敵だなと思った。過ごした時間分増えていくような甘さや馴れ合いではなくて、お互い良いと思えるような点を持ち続けている...
別れても、また何度でも巡り合って、そしてその度、惹かれ合う。友情ってこういうことじゃない?という長野先生の気持ちがストレートに描かれている。この意見に対して、率直に素敵だなと思った。過ごした時間分増えていくような甘さや馴れ合いではなくて、お互い良いと思えるような点を持ち続けている友情が。 長野先生の作品の中でもかなりわかりやすい部類のものかと思う。
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再読。 アビと宵里(しょうり)、少年たちの戻らない日々。 架空のキリスト教の国。 英国とフランスとイタリアが混ざった感じ。 秋、冬、春、夏、季節ごとの章立て。 単語がキラキラしてます。 筆記帳(ノオト) 腸詰肉(ソオセエジ) シトロンソォダ 人工天体(サテライト)… ...
再読。 アビと宵里(しょうり)、少年たちの戻らない日々。 架空のキリスト教の国。 英国とフランスとイタリアが混ざった感じ。 秋、冬、春、夏、季節ごとの章立て。 単語がキラキラしてます。 筆記帳(ノオト) 腸詰肉(ソオセエジ) シトロンソォダ 人工天体(サテライト)… これは世に言うBLかしらと悩む。 うーん…否。 解説にも書かれていますが、物語性の強さからきっとこれは非BL。 自己と他者を同一視するんじゃなくて、区別して自立する展開は爽やかな余韻を残してくれます。 あーーでも、表紙は全然好きじゃない。 以前読んだ各章が一冊の本になってるやつはすてきだったのにな。残念。
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かつて「天球儀文庫シリーズ」として分冊で刊行された4作を1冊にまとめたもの。 アビと宵里、2人の少年の1年間。 冒険、ちょっとした諍い、それぞれの旅立ち。 親友同士の短い季節が、キラキラした「長野ワールド」の中で描かれる。 あとがきを読むと、著者はもうこうした世界を描くことはないような気がする。 「こういう世界」にハマって、ファンになった世代としては残念。また書いてほしいと思う。 新たに書かれることがないのであれば、大事にして今後も何度も読むことになるだろう。
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作品社出版の芸術的な『天球儀文庫』シリーズの単行本もあるのだが、文庫本の表紙絵をどうしても手にしたくなり、改めて迎えたわけである。 ・収録作品・ 『天球儀文庫』 「月の輪船」「夜のプロキオン」「銀星ロケット」「ドロップ水塔」 長野まゆみ 天球儀通信/文庫版に際してのあとがき ...
作品社出版の芸術的な『天球儀文庫』シリーズの単行本もあるのだが、文庫本の表紙絵をどうしても手にしたくなり、改めて迎えたわけである。 ・収録作品・ 『天球儀文庫』 「月の輪船」「夜のプロキオン」「銀星ロケット」「ドロップ水塔」 長野まゆみ 天球儀通信/文庫版に際してのあとがき 中村えつこ・解説 少年はなぜいつもふたりなのか
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