ローマ人の物語(23) の商品レビュー
ヴェスパシアヌス一家…
ヴェスパシアヌス一家の統治により、ローマ帝国は立て直った。そして次なる五賢帝時代へと移り変わっていきます。
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ヴェスパシアヌス帝の…
ヴェスパシアヌス帝の後継者となった二人の息子、ティトゥスとドミティアヌス。対照的な性格の二人は、ともに悲劇的な最期を遂げる・・・。ドミティアヌスに関しては、ティベリウスやクラウディウス同様、かなりの教訓を得ることができます。人間というのは、どうにも難しい生き物です、ね。
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誠実に災害復興に追わ…
誠実に災害復興に追われるうちに死んだティトウスと、帝国をよみがえらせたドミティアヌス兄弟の物語。特に弟、ドミティアヌスは統治・外交政策に大きな足跡をしるしますが、不評(というよりも憎悪)を買ってしまいます。難しいものですね。
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のちに「暴君」の代名詞ともなったネロが失脚、自死してから、約一年の間に3人の皇帝が即位しては消えた。圧倒的な帝政であるが、元老院や市民の支持を失った皇帝は、暗殺されるか自死を選ぶしかないという構造は興味深い。短命の跡を継いだのは「健全な常識人」と言われた皇帝。内乱や外敵の侵入など...
のちに「暴君」の代名詞ともなったネロが失脚、自死してから、約一年の間に3人の皇帝が即位しては消えた。圧倒的な帝政であるが、元老院や市民の支持を失った皇帝は、暗殺されるか自死を選ぶしかないという構造は興味深い。短命の跡を継いだのは「健全な常識人」と言われた皇帝。内乱や外敵の侵入など、帝国の危機に瀕してもそれを建て直すことができたのは、ごくごく普通の政治だったということ。その後、しばらくは安定した時代になるが、若くして登位した3代目は、暗殺された上に、歴史から抹消されるという罰を受けることになる。政治家・軍人としては悪くなかったが、市民の気持ちに鈍感だったことが思わぬ反発を招く結果になった。この物語は歴代皇帝の動向とそれに対する元老院や市民の反応を詳しく解説してくれているが、リーダー論として本当に面白い。次からはいわゆる「五賢帝の時代」でこれも楽しみ。
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ティトゥス、ドミティアヌス、ネルヴァの治世。ティトゥスの治世、まるで令和の日本のようだなと思いながら読んだ。元旦からの数々のニュースから一度離れようとこの本を手にしたのに、こちらはこちらで火山の噴火。奔走するティトゥス。こんな働き方をしている人、いるなぁと思う。真似できない集中力...
ティトゥス、ドミティアヌス、ネルヴァの治世。ティトゥスの治世、まるで令和の日本のようだなと思いながら読んだ。元旦からの数々のニュースから一度離れようとこの本を手にしたのに、こちらはこちらで火山の噴火。奔走するティトゥス。こんな働き方をしている人、いるなぁと思う。真似できない集中力と誠実さ。 ドミティアヌス。そんなに悪い皇帝か?と疑問。ローマの皇帝、というかローマの女性たちは自由な雰囲気を感じる。若い時から皇帝になるという自負が良い面もあり、驕りにもなる。ただやはりカエサルやアウグストゥスとまではいかない、と思うのは塩野さんの筆の力によるものか。 ネルヴァ。ローマにはこういう人がこういうタイミングで出てくるなぁ。でも、ネルヴァがいるかいないかは五賢帝時代と言われるこれからに大きく影響するのだろう。五賢帝の1人だしね、ネルヴァ。 さぁ、次はどんな皇帝なのか。楽しみだ。
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フラヴィウス朝創始者であるヴェスパシアヌスの死後(紀元79年)、彼の息子であるティトゥス、ドミティアヌスの兄弟が皇位を継ぐが、紀元96年にドミティアヌスが暗殺されてフラヴィウス朝は3代で途絶える。その後、五賢帝の一人に数えられる皇帝ネルヴァによる1年ちょっとの中継ぎ期間を経て、い...
フラヴィウス朝創始者であるヴェスパシアヌスの死後(紀元79年)、彼の息子であるティトゥス、ドミティアヌスの兄弟が皇位を継ぐが、紀元96年にドミティアヌスが暗殺されてフラヴィウス朝は3代で途絶える。その後、五賢帝の一人に数えられる皇帝ネルヴァによる1年ちょっとの中継ぎ期間を経て、いよいよ次巻からはトライアヌスが登場する。
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皇帝ヴェスパニアヌスの死後、後を継いだ長男ティトゥスと次男ドミティウス。しかしフラヴィウス朝は3代で終了し、五賢帝時代へ入る。 ネルヴァは次期皇帝に属州出身のトライアヌスを指名。ヴェスパシアヌスも父親が元老院階級ではない人で異例だったけど、ついに属州出身者がローマ皇帝になる時代が...
皇帝ヴェスパニアヌスの死後、後を継いだ長男ティトゥスと次男ドミティウス。しかしフラヴィウス朝は3代で終了し、五賢帝時代へ入る。 ネルヴァは次期皇帝に属州出身のトライアヌスを指名。ヴェスパシアヌスも父親が元老院階級ではない人で異例だったけど、ついに属州出身者がローマ皇帝になる時代がきた。「ローマ人が他民族を支配するのではなく、他民族までローマ人にしてしまった」というのがよく表れていると思う。
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皇帝の評価は、後世の文筆家の評価に頼るのではなく、後を継いだ皇帝たちが政策を継承したかを見るのはいい視点だと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
皇帝ネロの暗殺後に次々と皇帝が現れ消えていった1年を経て、ようやくヴェスパシアヌスの元、再び落ち着きを取り戻した。 皇帝の仕事をこなしつつ、ヴェスパシアヌスは帝位の安定についても法的根拠を定めたのである。 そしてスムーズにヴェスパシアヌスからその長男ティトゥスへと帝位が移る。 ティトゥスはヴェスパシアヌスとともに共同統治をしていたため、日常の政に支障はなかったが、その統治期間に帝国は次々に災害に襲われたのだ。 有能で誠実で経験豊富ときたら最強の皇帝だが、たった2年で彼は病死してしまい、その後を継いだのは11歳年下の弟であるドミティアヌス、30歳だった。 弟のドミティアヌスも有能だし仕事に対して誠実ではあったが、たたき上げの軍人だった父や兄と違い、気がつくと皇位継承者として育てられたドミティアヌスは、強権的であり、元老院を敵に回してしまう。 有能だから誰からも文句を言われないが、言えない不満は積もっていく。 そして暗殺の引き金を引いたのは、まさかの愛妻だった。 ちょっと独りよがりだったのかもしれない。 強権的だったかもしれない。 若さゆえの傲慢さがあったかもしれない。 でも、「記録抹殺刑」って程の何をした? ただ、元老院のメンツをつぶしただけなのに。 だからこそ、感情的な報復を元老院から受けてしまった。死んだ後に。 なんというかドラマティックだなあ。
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ティトゥス、真面目でいい人っぽいのに、早く亡くなってしまって残念。ドミティアヌス、次男キャラだな。 ここまででフラヴィウス朝は終わり、ネルヴァからの五賢帝時代へと。
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