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ほとんど記憶のない女 の商品レビュー

3.7

31件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

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2024/07/23

図書室で本を借りる時、お目当ての本の隣にあった本。どこかで誰かがこの本のことをあげていた、そんな朧げな記憶に従って借りてきました。独創的な短編集でした。1ページに収まるものもあれば、30ページくらいのものまでサイズは様々。奇妙な語り口がクセになる本でした。

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2023/09/30

岸本佐知子さんの訳には本当に感動する。「13人めの女」や「二度めのチャンス」が好き。短編の中の短編だが、抽象的なものが多いのでついていくのが精一杯の作品ばかり。しかもクールな文体で熱い。そんな作家のすごい作品を違和感なく日本語にのせてくれる翻訳。拍手しかないな。

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2023/05/22

たった数行で終わる短編もあって、これって小説?と思うが、じゃあ他にどんなジャンルが当てはまるかと言われると、やっぱり小説なのだった。エドワードゴーリーの絵がよく似合いそうな、暗くて魅惑的な作品集。

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2022/01/09

エッセイ風でもあり、私小説風でもあり、哲学的随想風でもあり、短編集で、そんなに厚くない本なのに、読破に結構時間がかかってしまった。 エレイン牧師の名前が出る話が2編あり。他にもあるのかな。 「グレン・グールド」が好き。 必ず読むとは限らないが、気になる作家ではあり続けそう。

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2021/10/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かったです。意味が分からなくて。 岸本佐知子さんが翻訳に選んだ本なら間違いなく変だろうという信頼があるので読みました。装丁も奇妙で好き。 これは一体どういう…と思う間に話が終わります。訳が分からなくても全然不快じゃなくて楽しいし、悲哀に満ちてるので良かった。 長めの作品では「ロイストン卿の旅」「裏のアパート」、短い作品では「天災」「自分の気分」「倫理」「大学勤め」「共感」が好きです。 「共感」はほんと共感しかなかった…共感にもこんなに種類があると気付いたけどそのどれもに共感できる。凄い。 あとがきも面白かったです。彼女の他の作品も読みたくなりました。

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2020/04/20

ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』にリディア・デイヴィスが熱烈な序文を書いているのだが、そういえばリディア・デイヴィス読んだことがなかった、と手にとってみました。  いちばん短いもので2行、長くて18ページくらいの作品が並んだ短編集。  カフカ的というか、「ひねく...

ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』にリディア・デイヴィスが熱烈な序文を書いているのだが、そういえばリディア・デイヴィス読んだことがなかった、と手にとってみました。  いちばん短いもので2行、長くて18ページくらいの作品が並んだ短編集。  カフカ的というか、「ひねくれたユーモア」というか、言葉遊びみたいな作品もあったりして。  なんとポール・オースターの元奥さん。そういわれると少し作風が似ているような気もする。  リディア・デイヴィスのwikiにはポール・オースターのことが書いてあるけど、ポール・オースターのwikiには「大学時代から交際していた女性と結婚」、「経済的な問題などから妻との関係が悪化し、離婚に至る」とリディアの名前は「配偶者」欄にしか書かれていない。  ふたりとも離婚後に作家として知られるようになるのですが、日本では2005年の本作まで彼女の作品が出版されていなかったためかと思われます。  ぞわぞわするような感じと、でも決して暗くない、むしろクスッと笑える感じの不思議な作品でした。   以下、引用。  十二人の女が住む街に、十三人めの女がいた。誰も彼女の存在を認めようとしなかった。  失敗から学べるものならそうしたいが、世の中には二度めがないことが多すぎる。じっさい、いちばん大切なことは二度ないことだから、二度めにうまくやることは、不可能だ。  もしもこれを友人に見せれば、きっとその友人は、ハリケーンには中心があるのにこの話には中心がない、と言うだろう。  私たちの理想は世界じゅうのすべての人にとても優しくすることだ。けれど私たちはいちばん手近な人間である夫にとても冷たい。  ミシェル・ビュトールいわく、旅することは書くことである、なぜなら旅することは読むことだからである。それを発展させるとこうなるー書くことは旅することであり、書くことは読むことであり、読むことは書くことであり、読むことは旅することである。  ロシア語には「裁判官による正義の悪用」を一言で表す語があると聞き、彼はこの国の民の信用ならざるを知る。アラビア語に「裁判官に渡す袖の下」を意味する一語があるのもこれに同じである。  ロシア語は又「赤い」と「美しい」の両方を一つの言葉で済ますが、これは古代のローマ人が「紫」という語を、例えば「紫の雪」といった具合に色と無関係に使っていたことを想起させる。  みんなの意見が一致することがらは、本当の彼女を言い表わしていると言っていいのかもしれないが、ひょっとすると本当の彼女などというものはどこにも存在しないのかもしれない、なぜなら本当の彼女をとらえようとするとあちこちで辻褄が合わなくなるからだ。  失われたいろいろのものたち、でも本当に失くなったのではなく、世界のどこかに今もある。 

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2017/10/22

岸本佐知子訳だと思わず手にとったのですが、リディア・デイヴィスってポールオースターの元パートナーらしい。 表向きは短編集なのだけど、何か一貫したテーマやメッセージ性があるわけでもなくて、随筆的な色合いが濃いなーと思いました。 「枕草子」みたいに類聚的章段も、日記的章段も、随想...

岸本佐知子訳だと思わず手にとったのですが、リディア・デイヴィスってポールオースターの元パートナーらしい。 表向きは短編集なのだけど、何か一貫したテーマやメッセージ性があるわけでもなくて、随筆的な色合いが濃いなーと思いました。 「枕草子」みたいに類聚的章段も、日記的章段も、随想的章段も全部あるけど、知識をひけらかすというより、新たな選択肢を示してくれることで、 書き手の思考力の高さがうかがえるようなかんじ。多分これは性格というよりも生きている時代の違いだと思います。

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2017/07/23

51の短編は内容も多岐にわたって、それぞれの作品も1ページで終わるものから10数ページもある作品までいろいろあるけど、描かれる範囲は限定されていて、自分と他者が曖昧になっていくような感覚が全体に描かれていたように感じた。

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2014/08/04

「だから何だよ」と言ってしまえばおしまいのような、文章の端切れ 脳内に溢れているとりとめのない思考を何の味付けも気取りもごまかしもせずにそのままポンと取り出してくれたような小気味良さ コーヒーのお供に何も考えず、何の気構えもなく読める本、そして変な後味もない。 お、と思うものもあ...

「だから何だよ」と言ってしまえばおしまいのような、文章の端切れ 脳内に溢れているとりとめのない思考を何の味付けも気取りもごまかしもせずにそのままポンと取り出してくれたような小気味良さ コーヒーのお供に何も考えず、何の気構えもなく読める本、そして変な後味もない。 お、と思うものもあるしつまらないものもある。

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2013/05/29

拾い読みした。 図書館で借りて読んだが、面白かったので購入して手元に置いておきたい。 一年ぐらいかけてゆっくり読みたいと思った。 2013.05.27

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