勝海舟(五) の商品レビュー
山岡鉄太郎や益満休之助らに西郷への書簡を託し、「恭順謹慎」する慶喜の姿勢を説き、自らも西郷と面会し、慶喜の処刑を免除するなどの条件を飲ませた。 幕府内の戦争論者たちからは首を狙われながら、慶喜を水戸藩に送り出し、江戸城の無血開城を成し遂げる。
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幕藩体制から明治維新に変わる激動期、西郷との交渉、江戸城無血明け渡し、旧来価値観の現実と世界的歴史の流れの狭間で日本という国や国民への使命感と徳川家にも忠節を尽くす海舟の真骨頂発揮のくだり。咸臨丸での渡米や海軍創設の経験や日々の情報収集の土台があってこそである。儒教的価値観による...
幕藩体制から明治維新に変わる激動期、西郷との交渉、江戸城無血明け渡し、旧来価値観の現実と世界的歴史の流れの狭間で日本という国や国民への使命感と徳川家にも忠節を尽くす海舟の真骨頂発揮のくだり。咸臨丸での渡米や海軍創設の経験や日々の情報収集の土台があってこそである。儒教的価値観による武士道や攘夷の思考を超えて、それが勝海舟の現実的に時代を見抜く洞察と行動に結実する。1から5迄読んできて、途中冗長に感じるところも多々あったが長編独特の構想と重厚な展開のなかで最も盛り上がる決定的な場面となっている。 フィクションとはいえ事実関係への納得と同時に細やかな人情話が結構面白い。 歯切れよい独特の江戸弁でテンポよく展開する各場面の描写は時空を超えてリアルであり読み出しの頃の戯画的違和感を払拭して余りある。 西郷や鉄舟、そして大久保一翁、海江田、益満等々海舟を取り巻く傑物たちの魅力、政治を担う能力とりわけその胆力に感服である。
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子母沢寛 「勝海舟 」4&5/6 大政奉還→江戸開城 勝海舟の国家観が 幕府と西郷隆盛らを方向づけ、戦さによらず、徳川家から 朝廷への大政奉還、江戸開城に至っている。 なのに 著者は 江戸開城で この本が終わらせていない。つまり 勝海舟による近代国家樹立は まだ 先...
子母沢寛 「勝海舟 」4&5/6 大政奉還→江戸開城 勝海舟の国家観が 幕府と西郷隆盛らを方向づけ、戦さによらず、徳川家から 朝廷への大政奉還、江戸開城に至っている。 なのに 著者は 江戸開城で この本が終わらせていない。つまり 勝海舟による近代国家樹立は まだ 先があると考えている。最終巻に 著者が考える 勝海舟の最後の仕事があるはず
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その禄わずか四十俵の小倅から、今や陸軍総裁となった勝。 しかし朝廷に対する慶喜の恭順の意は通ぜず、薩長倒幕軍の東征はとどまるところを知らない。幕府軍には脱走兵が続出、江戸の運命は風前の灯となった。 勝一代の名文、和平への心血を注いだ一書を携えて、官軍総参謀西郷隆盛の許へ赴く山岡鉄舟。二百六十年の大権を握った徳川幕府の最期、江戸開場の日は刻々と迫る。 (当書裏表紙あらすじより) 司馬遼太郎の幕末モノはほとんどを読破しています。 だから幕末の少々判りにくい変遷も大体判っています。 でもこの本の主人公は勝海舟であり、どちらかというと歴史の表舞台ではなく裏にいたことが多い人。 京都中心に動いている歴史なのに、当の主人公は遠い江戸で謹慎中。自然、世の中の移り変わりを描いていても又聞きのような形。 だから4巻までが読みにくかったのかもしれません。 もっとも表舞台にいないからと言っても、そこを面白く読ませるのが力量だ、ということも言えるので、そういう点でいえば司馬遼太郎作品は上手く書かれていたんだな、と改めて感じました。 幕末のことは大体知っている、と言っても、実は江戸無血開城のことは良く知らなかった、ということが今回判りました。 そしてその頃のことを書いているのが本巻です。 知らないことが書かれ、物語が展開していくと面白さはグッと増しました。 面白くなるとグイグイと引き込まれ、結果的に読むスピードも速くなっていきました。 このまま一気に最終巻まで読んでしまいたいですね。
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第五巻読了。 勝海舟の人生の大きな節目である江戸開城を元氷川の目線で描く。 (常時、元氷川の目線でストーリーが進むことも新鮮) この巻での主人公は山岡鉄舟であり、その豪快さ、胆力の強さが魅力的。また、その才能・能力を一瞬で見極めることが勝や西郷のリーダーたる最たる能力なのだろうか...
第五巻読了。 勝海舟の人生の大きな節目である江戸開城を元氷川の目線で描く。 (常時、元氷川の目線でストーリーが進むことも新鮮) この巻での主人公は山岡鉄舟であり、その豪快さ、胆力の強さが魅力的。また、その才能・能力を一瞬で見極めることが勝や西郷のリーダーたる最たる能力なのだろうか。 いよいろ次巻が最終巻。 以下引用~ ・政治向きの根本は経済だ。戦も、議論も悉くが、経済を離れちゃあねえ。 ・この日本国には、大きな道が一本よりねんんだが、近眼の奴あ、一番分かり易いその大道がよく見えねえのか、往々、迷い込んで泥溝へおちるよ。 ・値打ちのねえ人ら、自分で自分に高値をつけて、人を追い越そう、追う越そうとしている。値打ちのある人は、その値打ちを内輪にかくして、むしろ退いて安きを求めようとしているところも見える。高橋さん、この兼ね合いがうまく行けば世の中あ治まる。 ・勝はいつもいう。策などというものは馬鹿の骨頂だ、丁度網を張ったところへ鳥が来れあいいが、その上を飛んだら仕方がないだろう、対手はどう来ると定まっていないじゃないかと。 ・戦は兵隊だけでやるんじゃあねえ、兵の強いとか弱いとかあ先ず次の問題だ。それよりも底の力となるものは経済だ、この目算もなしに戦をしてどうなるもんかえ。 ・長州人は元来が、死んだ後々の事まで、世の中に誤解されねえように、克明に遺言などを書くという風だが、薩人はそこへ行くと至極あっさりしたもんで、斬られる場に直っては一言も言わず、智己を千遇に待つという流儀だ。
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勝海舟の江戸開城の周辺の出来ごとが書かれています。 抗しがたい時の勢い、時の流れの中で、100年先を見つめ、「日本国」という幕府を脱した考えのもと行動する勝海舟。その報いが敵からも、味方からも命を狙われるという。 こころに残った場面 「気はながく、心はひろく、色うすく、...
勝海舟の江戸開城の周辺の出来ごとが書かれています。 抗しがたい時の勢い、時の流れの中で、100年先を見つめ、「日本国」という幕府を脱した考えのもと行動する勝海舟。その報いが敵からも、味方からも命を狙われるという。 こころに残った場面 「気はながく、心はひろく、色うすく、勤めは堅く、身をばもつべし」 徳川の人間は、江戸開城後、徳川復興のために活動することが徳川のためにならないことも、わかっていながらどうすることもできず、そうせざるを得ない。勝はその時の濁流を泳ぎ、悠々と見下ろしている。その透徹した視点、いかにして身につけたのか? いろいろと考えさせられました。
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江戸城無血開城に向け奔走する。思う所は幕人でなく日本人。虎視眈々と狙う異国の脅威を払うことができるか。10.9.8
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その禄わずか四十俵の小倅から、今や陸軍総裁となった勝。しかし朝廷に対する慶喜の恭順の意は通ぜず、薩長倒幕軍の東征はとどまるところを知らない。幕府軍には脱走兵が続出、江戸の運命は風前の灯となった。勝一代の名文、和平への心血を注いだ一書を携えて、官軍総参謀西郷隆盛の許へ赴く山岡鉄舟。...
その禄わずか四十俵の小倅から、今や陸軍総裁となった勝。しかし朝廷に対する慶喜の恭順の意は通ぜず、薩長倒幕軍の東征はとどまるところを知らない。幕府軍には脱走兵が続出、江戸の運命は風前の灯となった。勝一代の名文、和平への心血を注いだ一書を携えて、官軍総参謀西郷隆盛の許へ赴く山岡鉄舟。二百六十年の大権を握った徳川幕府の最期、江戸開城の日は刻々と迫る。
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