ペルセポリス(1) の商品レビュー
中東の社会情勢や各国の関連性をよく理解していないので、話している話題の意味がよくわからなかった。 ただ、それぞれの章ごとにプロパガンダや物質主義といったグローバルイシューが現れていたので、当時の(今現在も?)イランの情勢が理解できた。 気になったことといえば、「?」が手書きのとき...
中東の社会情勢や各国の関連性をよく理解していないので、話している話題の意味がよくわからなかった。 ただ、それぞれの章ごとにプロパガンダや物質主義といったグローバルイシューが現れていたので、当時の(今現在も?)イランの情勢が理解できた。 気になったことといえば、「?」が手書きのときとフォントで打ったものの2種類がある、 マルジの友達は大抵男の子として描かれている(男尊女卑の影響で、マルジのような思想を理解できる人が男の子だけ?)、 翻訳のせいかもしれないが、絵とセリフが噛み合わないときがあったことだ。 中東の状況をもう一度おさらいしてからまた読んでみようと思う。
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学習マンガリストから。一から歴史を学ぶのは大変だし、取っ掛かりが分からないことも多いから、その一助として漫画が非常に有効、ということに異議はない。本作も、イランへの関心を、少しでも心に植え付けるという意味では、大いに賛成。ただ、しつこく繰り返してしまうんだけど、日本で暮らす以上、...
学習マンガリストから。一から歴史を学ぶのは大変だし、取っ掛かりが分からないことも多いから、その一助として漫画が非常に有効、ということに異議はない。本作も、イランへの関心を、少しでも心に植え付けるという意味では、大いに賛成。ただ、しつこく繰り返してしまうんだけど、日本で暮らす以上、自国のそれと容易に比較が出来てしまうんだな、これ。絵も表現もコマ割りも、いずれもやはり見劣りしてしまう。
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淡々と描かれる中東の少女のお話。まず前文の国の歴史に圧倒される。情勢不安定な中の暮らしぶりは子どもの思考がメインなので、うっかり読み進めると実は重大な事件だったのでは?と読み返すことも多い。訳の方が詩人だからでしょうか、削ぎ落とされた文の余白を読むのが奥深く感じます。基本的には大...
淡々と描かれる中東の少女のお話。まず前文の国の歴史に圧倒される。情勢不安定な中の暮らしぶりは子どもの思考がメインなので、うっかり読み進めると実は重大な事件だったのでは?と読み返すことも多い。訳の方が詩人だからでしょうか、削ぎ落とされた文の余白を読むのが奥深く感じます。基本的には大きな出来事も淡々と進む印象が強いですが、ラスト辺りで起こる事件の演出は物静かに強く心に訴えてきます。一国から見た一面(しかもかなり裕福層だと思われる)ではありますが、日本からは距離的にも文化的にも遠い国であるため、興味を持つ一歩になると感じました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
イランというと、なかなかイメージの湧きづらい、といより近寄りがたいイメージの国ではないでしょうか。 イスラム教、イラン・イラク戦争、シーア派、ホメイニ氏など、人によっては怖い、という思いすら持つかもしれません。 しかし、庶民の生活やその内実は意外と開かれており、むしろ我々と何ら変わらないのかもしれない、と本書を読んでいて思いました。 ・・・ ちょっと「おませ」なマルジの、少女から大人への成長の半生が描かれます。開放的・先進的な家庭で育まれ、イスラム革命、イラン・イラク戦争を経験し、欧州留学の名のもとにイランから避難させられるまでが描かれます。 ・・・ スーパーフラットな描写タッチも、斜に構える主人公ととてもよくマッチしていたと思います。マンガですのですらすら読めますし、映画はカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞したそうです。そちらも見てみたいものです。 イスラム世界、シーア派、女性の権利等々に興味がある方にはお勧めできる作品だと思います。
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日本の漫画を読みなれていると読み難いけれど、激動の時代のイランで多感な少女期を過ごした著者ならではの視点で描かれた日常が面白い。 イランの今しか知らないと、「あ、こんな感じだったのか」とちょっと驚きも新しい発見もある。
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この本はもっと広まるべき。 現代史はこういったものから学ぶべきだと思う。 いかに自分の権利というものが脆弱だったか、少女の目線からわかりやすく描かれている。 作者サトラピはとても人間味があってストーリーテラーとしても、イラストレーターとしても魅力的な人。(作者紹介のサトラピの絵...
この本はもっと広まるべき。 現代史はこういったものから学ぶべきだと思う。 いかに自分の権利というものが脆弱だったか、少女の目線からわかりやすく描かれている。 作者サトラピはとても人間味があってストーリーテラーとしても、イラストレーターとしても魅力的な人。(作者紹介のサトラピの絵の中に小さくタバコを握らせてたのがとても好き。) シャーの存在は、私にとって想像範疇を超えるもの。ただ、この本の中でシャーも支配下で生きるとはどういうことか、そこにどんな怖さがあるのか、淡々と描かれているからこそ共感できるものがあった。 私はイランのパフレヴィの時代を生きた人に興味がある。今の時代と正反対を生きた彼らは、選択を知っているからこそ、苦しさも倍だと思う。サトラピも、その一人。
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ダビッド・ベー『大発作』を読みマルジャン・サトラピを知り読んでみる。イランのこと、宗派、日常生活、戦争で世の中が変わっていく様を少女の目線で書かれている漫画。話は1980年から始まるので自分も少女として同じ時を生きている。それなのに全く知らない世界。驚いた! 漫画で読みやすく、イ...
ダビッド・ベー『大発作』を読みマルジャン・サトラピを知り読んでみる。イランのこと、宗派、日常生活、戦争で世の中が変わっていく様を少女の目線で書かれている漫画。話は1980年から始まるので自分も少女として同じ時を生きている。それなのに全く知らない世界。驚いた! 漫画で読みやすく、イスラーム革命前とその後を日常生活から垣間見れる貴重な作品。誰かに薦めたいな。
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1980年頃から、イランの10歳の少女が経験したこと。著者の回想記だ。 革命や戦争や内戦で爆弾が落ちてきたり、イスラムの戒律による規制や弾圧。 そんな世の中で成長し、自由な教育を求めてウィーンに渡り、思春期を迎え、挫折し帰国し…。 著者は1969年生まれなので、私とほぼ同年代。...
1980年頃から、イランの10歳の少女が経験したこと。著者の回想記だ。 革命や戦争や内戦で爆弾が落ちてきたり、イスラムの戒律による規制や弾圧。 そんな世の中で成長し、自由な教育を求めてウィーンに渡り、思春期を迎え、挫折し帰国し…。 著者は1969年生まれなので、私とほぼ同年代。 日本でぬくぬくと育った私とは大違いの人生だ。 自分に誇りを持つこと。 公平正大であること。 イスラム教の教えというよりは、人としてこうあるべき…なのだろう。 中東について、私は本当に何も知らないと実感した。 多分、この本を読んでも、まだまだ知らないことが多すぎる。 同時に『未来のアラブ人』も購入したので、しばらく中東のお勉強だ。
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イラン出身でフランス在住の漫画家が書いた、自伝的作品。同作者が監督を努めた映画が面白かったので、これも読んでみた。 そしたら映画よりさらに面白ろかった! シンプルで可愛らしい絵なのだが、とても魅力的。戦争でむなしく死んでいく革命家や近所の子供、それに家族との関係。視点がとて...
イラン出身でフランス在住の漫画家が書いた、自伝的作品。同作者が監督を努めた映画が面白かったので、これも読んでみた。 そしたら映画よりさらに面白ろかった! シンプルで可愛らしい絵なのだが、とても魅力的。戦争でむなしく死んでいく革命家や近所の子供、それに家族との関係。視点がとてもシュールで、作者の知性を感じます。 ロックが好きで自由奔放なマルジが、とても危なっかしいのだが面白い。リアルにヤバい時代なので、文字通り命がけで反抗してます。 全2巻で、これはその一冊目。 あまりに自由すぎるマルジを心配した両親が、涙を呑んでオーストリアへ娘を旅立たせるところまえが書かれています。 人生の歓びと悲しみに満ち溢れた傑作です。 映画が良くて原作を読み、映画と同じかそれ以上に面白い作品はあまりない。『イントゥ・ザ・ワイルド』の原作『荒野へ』や、『血と骨』の原作、『刑務所の中』の原作漫画なんかが相当面白くてオススメです。
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今の日本で、子を持つ人が読んだら、身につまされる漫画です。 不穏で先の見えない政情の中、本当は離れ離れになりたくないけど、娘の健やかな成長を願ってフランスの学校に単身で進学させようという両親の姿に、涙が出ました。 ちなみに、続編の『ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る』は、か...
今の日本で、子を持つ人が読んだら、身につまされる漫画です。 不穏で先の見えない政情の中、本当は離れ離れになりたくないけど、娘の健やかな成長を願ってフランスの学校に単身で進学させようという両親の姿に、涙が出ました。 ちなみに、続編の『ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る』は、かなり違う方向性です。世の中に翻弄される、主人公たちの悲しい様子ではなく、主人公が自我を確立するまでの「自分語り」のような感じです。
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