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なぜ起こる鉄道事故 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2022/08/07

著者はエリートではあるものの、実務、事故処理を経験した稀有な経営者であると分かった。 桜木町事故等、戦後の事故をレビュー出来た。戦争混乱、物資不足とは言え、複数の要因が絡まっている。 今の安全な鉄道は過去の教訓、改善の積み重ねである。 福知山線事故は死者数7番目、けが人含めると...

著者はエリートではあるものの、実務、事故処理を経験した稀有な経営者であると分かった。 桜木町事故等、戦後の事故をレビュー出来た。戦争混乱、物資不足とは言え、複数の要因が絡まっている。 今の安全な鉄道は過去の教訓、改善の積み重ねである。 福知山線事故は死者数7番目、けが人含めると4番目にランクされる。いかに大きな事故だったかが分かる。 遅延発生時に金一封、菓子を手渡して免除してもらう記述があった。後の日勤教育を避ける為の手段と思われる。福知山線事故の根源を見る事が出来る。 「ひかり42号」車軸破壊事故(昭和41年(1966年)7月25日) 根源は製造時の停電による焼きなましが中途半端であったため、強度不足になっていた。 東海道新幹線大阪運転所脱線事故 1973年(昭和48年)2月21日 現場手前のカーブ地点でのレール潤滑油(レールと車輪の磨耗や、騒音を低減する)の過剰塗布が原因で、ATC自動ブレーキが十分に作用せず滑走 Wikipediaからの引用 国鉄では運転士が自らの原因で正常運転から30秒遅れると処分を受ける慣行が100年以上続いていたが、JR発足後やめさせるなど、常に先例主義を嫌い、発想の転換を貫き、改革を実現させていった。

Posted byブクログ

2021/07/16

鉄道事故の変遷と人間を含めたシステムをいかに制御して事故を起こさないようにするかが書かれており、こうした不断の努力によって我々は現在安心して鉄道を使うことができるのだなと思ったと同時に、この本が書かれてからも福知山線脱線事故が起きたり、新幹線の台車に亀裂が生じ危うく事故が起こると...

鉄道事故の変遷と人間を含めたシステムをいかに制御して事故を起こさないようにするかが書かれており、こうした不断の努力によって我々は現在安心して鉄道を使うことができるのだなと思ったと同時に、この本が書かれてからも福知山線脱線事故が起きたり、新幹線の台車に亀裂が生じ危うく事故が起こるところだったり、JR北海道のずさんな体制が問題になったりと事故を無くす挑戦に終わりはないとも感じた。そして事故を無くすためには事故が起こる直前だけではなく日ごろの行いも大事であり、だからこそ鉄道業界では厳しさも必要なのだなと感じた。無論、福知山線脱線事故の原因となった度を越した日勤教育はだめだが、アメとムチをもって、ケアレスミスも報告させて重大事故を起こさないように対策することが重要である。

Posted byブクログ

2012/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

国鉄技術系キャリア→JR東会長が綴る、鉄道安全工学の軌跡と展望 http://www.amazon.co.jp/review/R3U4T473LPSNYD/ref=cm_cr_rdp_perm

Posted byブクログ

2012/01/01

イギリスで世界初の旅客鉄道開業の初日に人身事故が発生。それ以来、鉄道は事故との闘いの歴史を繰り広げてきた。 ブレーキのほとんど無かった初期の車両から、貫通ブレーキを装備する車両へ。 時間間隔法による安全確保から空間間隔法による安全確保へ。 信号機と転てつ機を連動させて間違った転換...

イギリスで世界初の旅客鉄道開業の初日に人身事故が発生。それ以来、鉄道は事故との闘いの歴史を繰り広げてきた。 ブレーキのほとんど無かった初期の車両から、貫通ブレーキを装備する車両へ。 時間間隔法による安全確保から空間間隔法による安全確保へ。 信号機と転てつ機を連動させて間違った転換を防止する仕組みを構築。 着実に事故を減らす取り組みを行い、今日の安全性が保たれている。 しかし、事故との闘いには終わりはない。

Posted byブクログ

2011/12/05

著者の山之内秀一郎氏は元JR東日本会長であります。 例の福知山線脱線事故が起きたのが2005年4月だから、この文庫版が出る直前とも言へませう。世間の目が、鉄道事故に対して厳しくなつた頃でせう。タイムリーとも言へるが、間が悪いとも申せませう。 章立ては4章からなりますが、鉄道が...

著者の山之内秀一郎氏は元JR東日本会長であります。 例の福知山線脱線事故が起きたのが2005年4月だから、この文庫版が出る直前とも言へませう。世間の目が、鉄道事故に対して厳しくなつた頃でせう。タイムリーとも言へるが、間が悪いとも申せませう。 章立ては4章からなりますが、鉄道が誕生して以来の、鉄道事故の歴史を時系列で述べてゐます。第3章のあたりから著者が実際に経験した時代になり、書き方にも変化が表れます。 それにしても鉄道黎明期の事故の多さ、未熟さには仰天するばかりであります。まづは走らせる事が第一で、止めることは二の次の時代があつた。走らせるだけですごいだらう、と言はんばかりであります。事故が起きたら、繰り返さぬやうに対策を進めるといふ、安全対策としては完全に後手に回つてゐたのでした。 安全対策の一つの完成形といふべきものが、東海道新幹線であります。悪い言ひ方をすれば、人間を信用しないシステムと申しますか。しかし本書でも触れられてゐるやうに、旧国鉄では組合問題が厳然としてありまして、改革は進まなかつたのであります。折角世界に冠たる新幹線も、諸外国の追ひ上げを受け、しばしば追ひ越されてきました。 組合は「俺達のウデを信用しないのか」といふが、問題のすり替へでありませう。仮に運転士が居眠りして夢を見てゐても、安全に停止するシステムが必要だつたのです。無論居眠りを奨励するわけではありませんが。 著者は言ひます。新幹線が安全であるのは、そのシステムに理由がある。しかしだからと言つて「安全の最後の決め手はシステム」といふ訳ではなく、やはり最後の決め手は人間だと思ふと。ただそれが安易な精神論に陥るのを恐れるとも述べてゐます。その言やよしと申せませう。かかる人物がトップにゐるなら、差し当たり安心であります。 しかし、一部の意見で、JR西日本にもこんな人材がゐたなら福知山線事故は起きなかつただらう、といふのは違ふねと思ひます。西と東では周囲の環境がまるで異なつてゐるとだけ述べてこの場は去ることにいたします。 (そもそも乗り物は危険がいつぱいであることを認識して利用した方が良い) http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-128.html

Posted byブクログ