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モモ の商品レビュー

4.4

1143件のお客様レビュー

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2024/07/07

モモ 著:ミヒャエル・エンデ 訳:大島 かおり 岩波少年文庫 127 考えながら読ませて頂きました 表紙に、時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語、とあり ミヒャエル・エンデ館(https://userweb.www.fsinet.or...

モモ 著:ミヒャエル・エンデ 訳:大島 かおり 岩波少年文庫 127 考えながら読ませて頂きました 表紙に、時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語、とあり ミヒャエル・エンデ館(https://userweb.www.fsinet.or.jp/necoco/ende.htm)より ミヒャエル・エンデは、1929/11/12-1995/08/28 ドイツのバイエルン州出身の児童文学者です 2番目の妻が日本人であったことより、日本とだいぶ関係の深かった方のようです 作中、灰色の人間がでてくるのですが、どうもそれが、自分のように思えて、ちょっと悲しくなりました 人間が時間という悪魔にとりつかれたのは、産業革命で、テイラーが生産性という概念をもちこんでからと思っているのですが、それまでの自由人・非産業革命人の代表が、エンデで、産業革命以後に時間を管理するようになった人が、灰色の人間であって、その対立の物語とも思えます。 ようは頑張って生産性を上げて、創り出した時間を、どう考えるかであって、投資と言うのが適切のなら、どう自分に投資するのか、余暇というか、平穏というのか適切のなら、どううるおいの時間として過ごすのか、 西洋の二元論的な対立ではなく、別の終わりかたもあってよかったのではないかと感じました。 もくじ  第一部 モモとその友だち  1章 大きな都会と小さな少女  2章 めずらしい性質とめずらしくもないけんか  3章 暴風雨ごっこと、ほんものの夕立  4章 無口なおじいさんとおしゃべりな若もの  5章 おおぜいのための物語と、ひとりだけのための物語  第二部 灰色の男たち  6章 インチキで人をまるめこむ計算  7章 友だちの訪問と敵の訪問  8章 ふくれあがった夢と、すこしのためらい  9章 ひらかれなかったよい集会と、ひらかれたわるい集会  10章 はげしい追跡と、のんびりした逃亡  11章 わるものが危機の打開に頭をしぼるとき……  12章 モモ、時間の国につく  第三部 〈時間の花〉  13章 むこうでは一日、ここでは一年  14章 食べものはたっぷり、話はちょっぴり  15章 再会、そしてほんとうの別れ  16章 ゆたかさのなかの苦しみ  17章 大きな不安と、もっと大きな勇気  18章 まえばかり見て、うしろをふりかえらないと……  19章 包囲のなかでの決意  20章 追手を追う  21章 おわり、そして新しいはじまり    作者のみじかいあとがき    訳者のあとがき    エンデの人柄にふれた日々   佐々木田鶴子 ISBN:9784001141276 出版社:岩波書店 判型:B6変 ページ数:432ページ 定価:800円(本体) 2005年06月16日第1刷発行 2023年12月15日第38刷発行

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2024/07/02

 身寄りのない少女モモが時間泥棒たちからみんなの時間を取り戻していく物語です。  久しぶりに、ミヒャエル・エンデの作品が読みたくなって、小学生の頃に読んだことがあったこの作品をオーディブルで見つけたので選んでみました。  小学生の頃の自分が、どんな感想を抱いたのかは覚えていませ...

 身寄りのない少女モモが時間泥棒たちからみんなの時間を取り戻していく物語です。  久しぶりに、ミヒャエル・エンデの作品が読みたくなって、小学生の頃に読んだことがあったこの作品をオーディブルで見つけたので選んでみました。  小学生の頃の自分が、どんな感想を抱いたのかは覚えていません。が、人生の折り返しと言われる年齢を目前に控えた自分が読んだ感想は、こんなに面白い物語だっただろうか、の一言です。  本当に面白かった。  物語というのは、ファンタジーというのは、メルヘンというのは、こういう物語のことを言うんだったと思わせてくれるお話でした。  そして、とても風刺がきいている。  主人公のモモは、いつからか廃墟となった円形劇場に住み着いた身寄りのない浮浪児の女の子。どこにも行く当てがないことを知った付近の人々や円形劇場を遊び場にしていた人たちは、自分たちができるだけでそれぞれ少しずつモモを助けてやり、モモは円形劇場に訪れる人たちの話を『ただ聴く』ことで人々の役に立っていた。けれど、そんな慎ましくも楽しい生活の中に、灰色の男たちが忍び寄ってくる。彼らは時間泥棒で、人々の時間を奪ってしまおうとしていた。  この物語を改めて読んで、私が普段思う『時間がない』という時の『時間』とは何だろう、と考えさせられました。  今、この世の中の人で『時間がない』と思ったことのない人がどれだけいるだろう、と。いつでも何かに急かされていて、けれどその『時間』とは実際に時計で測れる『時』のことではない。全ては心の豊かさの問題なのだと思うと、自分が今どれだけ貧しい世界で生きていることか、と衝撃を受けた心地さえしました。  ゆっくり何かに向き合う『時間』、誰かの話を聴く『時間』、効率だけでなくその仕事に愛情をもって取り組む『時間』……忙しさにかまけておざなりにしてしまっていることを、モモの目線から指摘された気がします。  児童文学ではあるけれど、やはり名作は名作たるゆえんがあるのだなと、改めて感じました。大人になった今、『時間』をなくしてしまった今、読むことができてよかったと思います。  時代や年代を問わず読むことができる、素晴らしい作品でした。

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2024/06/24

ずっと気になっていたけど読んでなかった児童書。ボリュームはあるし単行本で読んだら重たかったけど単行本が職場にあったので借りてきました。ファンタジーもあり、探偵小説でもあり、とても読み応えがありました。 なぜ今まで読まなかったんだろうか…

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2024/06/23

「ずっと気になっていたけれど読んだことがない本を読もう」シリーズ、第一弾は児童文学の名作『モモ』です。 小学生の頃、夏休み前になると「あなたに勧めたい100冊の本」といった冊子が配られまして、『モモ』はその中で毎年紹介される一冊でした。 ずっと気になってはいたものの、「時間どろぼ...

「ずっと気になっていたけれど読んだことがない本を読もう」シリーズ、第一弾は児童文学の名作『モモ』です。 小学生の頃、夏休み前になると「あなたに勧めたい100冊の本」といった冊子が配られまして、『モモ』はその中で毎年紹介される一冊でした。 ずっと気になってはいたものの、「時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語」という長い副題になぜか圧倒されてしまい、結局手に取ることはなく……。今こうして、ようやく読むことができました。 児童文学だからと油断していたものの、実際に手に取ってそのボリュームにびっくり。およそ400ページあり、手にずっしりきます。 しかし、圧倒的な読みやすさであっという間にその世界観に引き込まれ、久しぶりに「あぁ面白かった」と達成感に包まれています。 子供向けとされていますが、これは本当にタイパ・コスパに囚われてしまった人にこそ読んでほしい一冊。モモの大冒険にわくわくするうちに、「私も時間どろぼうに時間を盗まれていたのかも」と気付く人は多いのではないでしょうか? 相手の話にじっくり耳を傾けること、花や風や星の営みに目を向けること、そしてゆたかな時間の過ごし方を守ること。 モモから、たくさんの大切なことを教えてもらいました。カシオペイアのかわいさにもニコニコ。 忙しい忙しいと目の前の大事なものを切り捨ててしまっている時に、ふと立ち止まって読みたい一冊です。

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2024/08/27

風刺がたっぷりの、児童文学なんだけど社会人になってこそ読みたい本。 「タイパ」「時短」「生産性」というワードの普及。 何が割くべき時間で何が短縮すべき時間か、その人の価値観に委ねられる部分が大きくなっている。それから解き放たれるべきと主張する自己啓発本が売れるくらいには。 何を...

風刺がたっぷりの、児童文学なんだけど社会人になってこそ読みたい本。 「タイパ」「時短」「生産性」というワードの普及。 何が割くべき時間で何が短縮すべき時間か、その人の価値観に委ねられる部分が大きくなっている。それから解き放たれるべきと主張する自己啓発本が売れるくらいには。 何を軸に持つかは個人の自由だと思うけど、せめて自分の大事な人は大事にできる時間を、確実に持ちたい。

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2024/06/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

灰色の男たちがとにかく不気味で良いキャラクターだった。煙とともに現れ神出鬼没。仲間に対して冷酷で、何を企んでいるか分からない。彼らが出るシーンは毎回ゾクゾクしながら特に楽しんで読んでた。 特に「かみそりのような笑み」というフレーズが印象的だった。これ程不気味で、恐ろしくて、尚且つ一瞬でどういった表情かわかる表現は初めて見た。巧みとしか言いようがない

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2024/06/21

通勤電車の中で読了。病んじゃった。 これを読んで時間を奪われないように個人がどこまで手が尽くせる?一日8時間週5で働いてもギリギリの生活しかできない社会システムが憎い。電車の中で本を読む余裕だけは辛うじてあるけど、乗り換えのたび本を中断させられ走った先で肩と肩がぶつかる揺れる車内...

通勤電車の中で読了。病んじゃった。 これを読んで時間を奪われないように個人がどこまで手が尽くせる?一日8時間週5で働いてもギリギリの生活しかできない社会システムが憎い。電車の中で本を読む余裕だけは辛うじてあるけど、乗り換えのたび本を中断させられ走った先で肩と肩がぶつかる揺れる車内で読む読書の時間ってこの本が言いたい豊かな時間とかけ離れてる気もする。 社会風刺の言いたいことはわかるんだけど、モモの白状させる能力、結局何者かわからないカメ、時間の花の設定に少し白けちゃって、ファンタジーとしてそこまでのめり込めなかった。本当にいるかもと思えるファンタジーの中のリアリティ説得力がないように感じた。モモが精神的に自立しすぎててなんだかな。ベッポやジジのキャラクターは好きだった。 エンデ自身が書いた挿絵が良い。絵の方が好きかも。 名作ファンタジーにイチャモンつけたくなるくらい疲れてるのか本当にこの作品が自分に合わないのかわからない 次「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を、読んでみる。

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2024/06/11

これは、私が小6か、小5くらいに読んだ作品。 子どもはもちろんだけど、大人にこそ、読んでほしいと思う作品。

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2024/06/08

「スロー・イズ・ビューティフル」で何度も引用されていた「モモ」を読んでみました。 「本来人間の生きがいとは、生産性や効率性の観点から見れば無駄にしか見えないような時間にこそあったはずだ。」という辻信一氏の考え方の底流はこの物語にあるのではないかと感じました。 例えば、こんな一文か...

「スロー・イズ・ビューティフル」で何度も引用されていた「モモ」を読んでみました。 「本来人間の生きがいとは、生産性や効率性の観点から見れば無駄にしか見えないような時間にこそあったはずだ。」という辻信一氏の考え方の底流はこの物語にあるのではないかと感じました。 例えば、こんな一文から。 「時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心を住みかとしているのです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。」

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2024/06/07

子どもの頃に買ってもらって大切に読んでたのにいつの間にか内容もあまり思い出せなくなって ふと読みたいなと思って岩波少年文庫で買い直して読み終わりました。 きっと子どもの頃にはわからなかったことや理解が難しかった部分も、大人になった今読んだからこそ刺さる内容ばっかりだった、、、もう...

子どもの頃に買ってもらって大切に読んでたのにいつの間にか内容もあまり思い出せなくなって ふと読みたいなと思って岩波少年文庫で買い直して読み終わりました。 きっと子どもの頃にはわからなかったことや理解が難しかった部分も、大人になった今読んだからこそ刺さる内容ばっかりだった、、、もうすでに大人のわたしは時間どろぼうにかなりやられてるなあとどんより モモもマイスターホラもきっと私たちの心のどこかにいて、私たちが勇気をだして時間を見つめ直した時に時間を止めて貯蔵庫の扉をあけてくれるのかもしれない。 モモが時間の花をみんなに返してくれたあとの世界があったかくてやさしくて、ほんとに泣ける! 毎日せかせか色んなことに追われて、ゆとりもなくなって、な毎日だけど、旅先で素敵な景色を見た時、近所に綺麗な花が咲いてた時、カフェでゆったりした時間を過ごした時、早起きして朝がきもちいいとき、いろんな場所に時間に、きっとひとりひとり違う綺麗な時間の花は咲いてる 何度も何度も読み返したい、大人も子どももみんな読んだらいい本当に名作中の名作

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