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コカイン・ナイト の商品レビュー

4.2

7件のお客様レビュー

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2016/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

3部作全部翻訳されたら、まとめて読もうと思っていたんだけど、なんかいつになるかわかんないし、1作目を文庫で発見したので。 ・・・なんか、半分まできても、ただの半熟玉子、なんですけど???これ、ちゃんと最後はSFになるんだろうか? フランクが有罪を言い張った理由は…? うわあ、クサるわあ! ラスト1/3、いや、1/4になってや〜っと、SFになった! 確かにSFになったよー、なったけどさあ。…。 エストレージャ・デ・マルは、レジデンシア・コスタソルは、ユートピアなのか、それともディサトピアなのか? 人間はここまで疲弊しているのか・・・いや、正確には、 我々ってここまで腐敗しているとバラードに本気で思われてるの?バラードが内に抱えていた闇はここまでに深いのかい… 更に凹むのは、この世界に一番近いのは、抗菌グッズとコンビニと未知の隣人とバーチャルに囲まれた平成の東京のような気がする…ってことですな。 聖者やメシアって、同じ時代に生きていたら、案外迷惑なのかも〜 世界が大きい仕掛けになっているんで、どう言ってもネタバレになりそうで、ワケわからんくてゴメン… まあ、SF人は読んでクラサイ。 いやはや脱帽〜

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2014/06/17

ジャンルとしてはSFではなく、現実の世界を舞台にしてはいるが、一見、楽園のように見えた世界が最後に反転する様は、『結晶世界』などでバラードが描き続けたディストピアにも通じているようだ。 主人公は『有罪答弁をした弟の無実を信じる』という立場で、ストーリーはミステリ構造を持っている…...

ジャンルとしてはSFではなく、現実の世界を舞台にしてはいるが、一見、楽園のように見えた世界が最後に反転する様は、『結晶世界』などでバラードが描き続けたディストピアにも通じているようだ。 主人公は『有罪答弁をした弟の無実を信じる』という立場で、ストーリーはミステリ構造を持っている……が、ミステリとして読んでしまうとオチがアレなのはご愛敬かw 寧ろ人間の業を強く押し出したラストだろう。 新潮社は『スーパー・カンヌ』も文庫化してくれないものだろうか……。

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2012/08/29

村上龍曰く『テニスというスポーツは、王侯貴族たちが退屈な日々をやり過ごすために発明したスポーツ』だそうだ。クロフォードにもってこいのスポーツですね。/今の日本、特にネット内で沸き起こる「叩く」という行為に、本書における「犯罪」に近いものを感じる。東京をはじめとする日本の街が、着実...

村上龍曰く『テニスというスポーツは、王侯貴族たちが退屈な日々をやり過ごすために発明したスポーツ』だそうだ。クロフォードにもってこいのスポーツですね。/今の日本、特にネット内で沸き起こる「叩く」という行為に、本書における「犯罪」に近いものを感じる。東京をはじめとする日本の街が、着実にバラード的な都市に向かっている気がしてならない。

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2011/09/17

内容は ヨーロッパの静かな高級リゾート地を生き返らせる というお題目の下、快活な人気者が動く。 社会を活性化させるのは犯罪っつーことで 火事やらエロやらクスリやらを、ばら撒く。 がしかし、皆、彼の魅力に惹きこまれてゆく。 こういう社会病理みたいなの、あるね。 なんだけど、長い、長...

内容は ヨーロッパの静かな高級リゾート地を生き返らせる というお題目の下、快活な人気者が動く。 社会を活性化させるのは犯罪っつーことで 火事やらエロやらクスリやらを、ばら撒く。 がしかし、皆、彼の魅力に惹きこまれてゆく。 こういう社会病理みたいなの、あるね。 なんだけど、長い、長すぎる……

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2009/10/04

生け贄なくして人間社会は成立しえないのか。神話から9.11テロまで綿々と続く真実を魅惑的なシチュエーションにおいて描き出した傑作。誰も狂気からは逃れられないだろうという気がする。僕もしかり。

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2009/10/04

J.G. バラードの「病理社会の心理学」三部作の第一作。 「人間」はもちろん、その「人間」が構成する「社会」自体も病理に侵されるという時代を予見した傑作。 スペイン南端の高級リゾート地「エストレージャ・デ・マル(海の星)」を舞台に、成熟の果てに現れた倦怠(=社会の精神病)と、他...

J.G. バラードの「病理社会の心理学」三部作の第一作。 「人間」はもちろん、その「人間」が構成する「社会」自体も病理に侵されるという時代を予見した傑作。 スペイン南端の高級リゾート地「エストレージャ・デ・マル(海の星)」を舞台に、成熟の果てに現れた倦怠(=社会の精神病)と、他者の介入によるその解消。 距離を置いて接していた主人公(他者')が、次第にその社会の意思に飲み込まれる様子が、サスペンスのエクリチュールで描かれ、読者(他者")をも飲み込んでいく。 情報過多と文化の成熟から、社会、そして人間の病理が進んだ今こそ読むべき作品。

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2009/10/04

ヤバイヨヤバイヨ。年末に今年読んだ本ベスト10をやるつもりだったんだけど(まともな書評つけて)、このまま行くと「誰が本を殺したか」になりそうでノンフィクが1位なんて嫌だなあと思っていたところですごい本読んじまった。なんだなんだ装丁が悪いよ。どうせバカな若者が中米あたりでコカインや...

ヤバイヨヤバイヨ。年末に今年読んだ本ベスト10をやるつもりだったんだけど(まともな書評つけて)、このまま行くと「誰が本を殺したか」になりそうでノンフィクが1位なんて嫌だなあと思っていたところですごい本読んじまった。なんだなんだ装丁が悪いよ。どうせバカな若者が中米あたりでコカインやってセックスしたよ、みたいな本かと思ったら、全然違うじゃん。大掛かりな装置を壮大な比喩のように思わせつつ、最後の最後にその一歩先で結末書くところがニクすぎる。ということで、バラードの新しい三部作をうちの洋書に入荷します。で、新潮社はスーパーカンヌを早く文庫化して、ミレニアム何とかを早く訳してください。

Posted byブクログ