1,800円以上の注文で送料無料

言葉の力、生きる力 の商品レビュー

3.4

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2009/11/17

言葉が人間に与える影響とその重要性を、自他の体験談を交えながら訴えたエッセイ集。 このエッセイ集は、人生の指針を与えてくれるような言葉、他者を励まし、他者の力となる言葉、人生という物語を紡ぐ言葉、そして近年の言葉の危機など、言葉をメインテーマにしている。 特に「言葉の危機、時...

言葉が人間に与える影響とその重要性を、自他の体験談を交えながら訴えたエッセイ集。 このエッセイ集は、人生の指針を与えてくれるような言葉、他者を励まし、他者の力となる言葉、人生という物語を紡ぐ言葉、そして近年の言葉の危機など、言葉をメインテーマにしている。 特に「言葉の危機、時代の危機」の後半の、人間の想像力に言及したエッセイが興味深かった。 しかし、言葉の崩壊や想像力の欠如という事実に対する警鐘を鳴らしているものの、著者自身の考えがあまり書かれていなかった点が残念。 また「いのちの言葉を生み出す死」の中の、「人間には物語を生きている側面がある」という一節は非常に考えさせられた。 自分自身の物語を自分自身で紡ぎだすということは、自分自身と真正面から嫌になるくらい向かい合い、深い対話を重ねなければなしえないことである。 しかしその物語は、困難や、いずれ訪れる「死」という課題に直面したとき、何よりも解決の手助けをしてくれるものなのではないか。

Posted byブクログ

2009/10/04

柳田邦男のエッセイ集。医療や環境問題といった、この本で考察の対象となっているものに関し、柳田氏の観点が壮大である一方かなり重たく、やや読みにくかった。 また、若者の言葉の崩壊についてふれている割に、そのあたりの考察はあまり深くないので、説得力がなかった。しかし、氏が絵本に惹かれ、...

柳田邦男のエッセイ集。医療や環境問題といった、この本で考察の対象となっているものに関し、柳田氏の観点が壮大である一方かなり重たく、やや読みにくかった。 また、若者の言葉の崩壊についてふれている割に、そのあたりの考察はあまり深くないので、説得力がなかった。しかし、氏が絵本に惹かれ、簡単で理解の容易な言語表現の内部にある本質をつく力が、暖かい絵の魅力と相まって世界観を形成し、相互にその魅力を高めてあっている点への指摘や、幼いときに感受性の鋭さをもてあましながら体験してきた様々な出来事の中で、その際に得た言葉にはできなかった深い感動や想いには、ものごとの本質をついているものが多いので、大人になったときにそうした体験やそのときの想いを言葉などで表現できるようになると、素晴らしい詩になるのだ、という指摘はなるほどと思った。

Posted byブクログ

2009/10/04

 柳田邦男はある著書で、若いころのように綿密な取材を要する本はもう書かない、という引退宣言のような言葉を書いていて、最近はエッセーのような作品が多い。残念である。  本書の内容はほぼ三つに分類できて、「心を耕してくれた名文句」、医療について、言葉の力についてなど。 著者が心を打た...

 柳田邦男はある著書で、若いころのように綿密な取材を要する本はもう書かない、という引退宣言のような言葉を書いていて、最近はエッセーのような作品が多い。残念である。  本書の内容はほぼ三つに分類できて、「心を耕してくれた名文句」、医療について、言葉の力についてなど。 著者が心を打たれた言葉とその言葉を書いた人物の紹介。また言葉について著者がたいへん危機感をもっている話。医療についての発言。  「名文句」の部分には本当に心に残る言葉が多く、紹介された人物や本についてもっと知りたくなる。

Posted byブクログ