十字路のあるところ の商品レビュー
加筆修正された『水晶万年筆』を既に読んだのですが、どうしても気になって読み始めました。 まず、目次をみて、ビックリ。十字路の探偵その1からその6までって、『水晶万年筆』には、なかったのに。本文1行目から、少しの違いだけど、違うし。内容としては、ほぼ変わりはなかったのですが、味わ...
加筆修正された『水晶万年筆』を既に読んだのですが、どうしても気になって読み始めました。 まず、目次をみて、ビックリ。十字路の探偵その1からその6までって、『水晶万年筆』には、なかったのに。本文1行目から、少しの違いだけど、違うし。内容としては、ほぼ変わりはなかったのですが、味わいとしては全然違いました。こちらには写真があり、イメージがわきやすかったように思います。逆に言えば、『水晶万年筆』は、自分のイメージで読むことができました。 そして、十字路の探偵がここにいたなんて、驚くと同時にうれしく思いました。この本を読んでから、『十字路の探偵』を読むのもいいかもしれないと思いました。 それにしても、吉田篤弘さんの小説は、どこに何が潜んでいるかわかりません。そんなところにも、いつも読む楽しさを感じています。2冊並べて読む読書は初めてでしたが、なかなか楽しかったです。
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この夏刊行された『十字路の探偵』と、「十字路」つながりで手にしました。2005年の刊行です。 目次を開くと‥‥6つの短編に‥‥え!何ですと? 十字路の探偵・その一〜その六? 20年も前に「十字路の探偵」の名称を使ってたの? 吉田篤弘さんの物語と、坂本真典さんのモノクロ写真...
この夏刊行された『十字路の探偵』と、「十字路」つながりで手にしました。2005年の刊行です。 目次を開くと‥‥6つの短編に‥‥え!何ですと? 十字路の探偵・その一〜その六? 20年も前に「十字路の探偵」の名称を使ってたの? 吉田篤弘さんの物語と、坂本真典さんのモノクロ写真のコラボで、6つの短編が文章とモノクロ写真で構成されています。1編に8ページ8枚の写真が続き、写真の前に扉的な扱いで1ページの「十字路の探偵」が挿れてあります。 吉田さんは、後に明かしてます。「坂本さんが町を選んで写真を撮り、(著者が)<東京の路地=十字路のあるところ>を歩き、話の骨格になる風景を拾い集めた」と‥。そしてさらに、「写真家の足跡を推理するのは探偵気分だった」「探偵といっても、見つけてしまった謎を前にして困惑する探偵」だと‥。 本書を通じて、最新刊『十字路の探偵』の原点を見た想いです。狭い路地、古い建物、ブロック塀、階段、自転車、何かの跡地(更地)など‥、陰影が哀愁を誘うモノクロ写真は、不思議と懐かしく印象的です。 物語は、十字路で夢と現実が曖昧なまま交差するような世界観が広がり、物語のあとのモノクロ写真がさらに想像力を刺激し、読み手は物語に迷い込んだ錯覚に陥ります。やはり吉田篤弘さんの物語は、「静かな夜に、急がず読む」に限ります。 ほぼ同時期に刊行された『という、はなし』は、フジモトマサルさんが描いた24の「読書の情景」イラストに、吉田篤弘さんがストーリーをつけた絵物語集でした。あとがきで吉田さんは、「悶々となぞなぞの答えを探すが如く、健闘虚しく珍答、迷答」だった、と記していました。 吉田さんは当時、物語づくりに悩み苦しみながらも、こういうパターンを楽しんでいたのでしょうかね‥?
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フリージアさんのコメ に誘われて♪ 書店を巡ったのですが 「水晶萬年筆」は手に 入らず(泣 馴染の店員さんに相談 し代わりに手に入った のが本作。 「水晶萬年筆」は本作 に加筆修正し改題した ものだそうです。 ともかく半分の絵の謎 が解けて大満足♪ たしかにこれは男女で...
フリージアさんのコメ に誘われて♪ 書店を巡ったのですが 「水晶萬年筆」は手に 入らず(泣 馴染の店員さんに相談 し代わりに手に入った のが本作。 「水晶萬年筆」は本作 に加筆修正し改題した ものだそうです。 ともかく半分の絵の謎 が解けて大満足♪ たしかにこれは男女で 半分ずつしか、ですね。 昔住んでいた街を思い 出し暫しノスタルジー に浸りました♡ 街角のタバコ屋さんや 細い裏路地が懐かしい (ღˇᴗˇ)。o♡ 独特の吉田ワールドに 引き込まれて一気読み。 真夜中にベッドで耳を 澄ませたら、 遠くファンファーレが 聞こえるかも(๑˘ ˘๑)
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東京と思われる街を舞台とする不思議な物語の後に、レトロなモノクロ写真が数枚。都市化の波が呑み残したような風景です。行ったことなどないはずなのに、「こんな場所、あった…」なんて、懐かしさがこみあげます。物語がフィクションであろうとも、妙にリアルに感じるのです。
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ヘンなお話六篇と物語が終わったあとの町のモノクロ写真のコラボなので楽しいものです。 ■簡単なメモ 水が笑う、とたしかにあの本にあった。(一行目) 歩くたび「S、S、S」と妙な音を立てる。(p.8) 空中の売り場だった。(p.47) あのな、おでんってものは、濁点がつくほ...
ヘンなお話六篇と物語が終わったあとの町のモノクロ写真のコラボなので楽しいものです。 ■簡単なメモ 水が笑う、とたしかにあの本にあった。(一行目) 歩くたび「S、S、S」と妙な音を立てる。(p.8) 空中の売り場だった。(p.47) あのな、おでんってものは、濁点がつくほど、うまいもんなんだ。(p.49) 「自由を求めるあまり、ずっと不自由だった人です」(p.59) 煙突は眠たげである。(銭湯の壁画) 「その、足のつむじっていうのは、いったいどのあたりにあるんです?」(p.79) ない言葉をつくる。それでわたしだけの辞書をつくって、ひそかに愛用する。(p.82) この世の正体はこれすべて繁殖じゃないのか。(p.86) 何もしないで、何かをしたような気になれるってことはないものでしょうか?(p.89) いい質問には常に答えが何通りもある。(p.89) 「夜を拾うんだ、吉田君」(p.115) 彼なりの「トンネルの向こう」(p.171) 「偶然」を封印しました。(p.172) 怪盗の老後(p.186) 「甘酒が今日もあるよ」(p.187) 「読み」を通り越し、「読み過ぎ」と称し称されるようにならないことには(p.188) 「ちくしょう」と「くそったれ」と「うるせぇ」の三つ。(p.191) 「街は終わらない。終わらないのが街だ」p.193 「僕は師匠の〈言葉〉の弟子になりたいだけです」(p.196) 俺という人間がいまここにいるたった一人とは限らない。(p.205) 俺がこの都から何を盗みとろうと、俺がこの都にいる以上、結局のところ盗んだものはまだ都にある。(p.205)
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先ほど、吉田篤弘さんの「水晶萬年筆」(2010.7)を読みました。著者は十字路がお好きだなと思いながら、次の本「十字路のあるところ」(2005.12)を手に取りました。なんと、「水晶萬年筆」と同じ6話が。確認すると、「水晶萬年筆」は「十字路のあるところ」を改題したものでした。ただ...
先ほど、吉田篤弘さんの「水晶萬年筆」(2010.7)を読みました。著者は十字路がお好きだなと思いながら、次の本「十字路のあるところ」(2005.12)を手に取りました。なんと、「水晶萬年筆」と同じ6話が。確認すると、「水晶萬年筆」は「十字路のあるところ」を改題したものでした。ただし、「十字路のあるところ」は、写真家、坂本真典氏の写真が随所に添付され、物語のイメージアップに一役買っています。改題文庫化の際は、写真は削除されています。
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十字路のでてくる短編と写真。 「雨を聴いた家」「水晶萬年筆」「ティファニーまで」「黒砂糖」「アシャとピストル」「ルパンの片眼鏡」 暗いときによめる。 C0093
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帯表 物語あり。 帯裏 「夜を拾うんだ」 先生は事あるごとにそう言っていた。 「ピアノから黒い鍵盤だけ拾うみたいに」 そうした言葉が、黒砂糖を丸ごとのみこんだように、いまも僕の腹の中にある。 あんな人はもう二度と現れない。 「小説トリッパー」二〇〇三年冬季号~二〇〇五年春季号連...
帯表 物語あり。 帯裏 「夜を拾うんだ」 先生は事あるごとにそう言っていた。 「ピアノから黒い鍵盤だけ拾うみたいに」 そうした言葉が、黒砂糖を丸ごとのみこんだように、いまも僕の腹の中にある。 あんな人はもう二度と現れない。 「小説トリッパー」二〇〇三年冬季号~二〇〇五年春季号連載に加筆・修正しました
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脇道、袋小路、迷い道。 本書のタイトルにあるのは「十字路」。 どれも人生に使われる。 十字路に出た。さあ、どちらに行こうか?
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前に本屋で水晶万年筆、と言う本を見かけて綺麗なフレーズだなあと思い読んでみようと図書館で借りてみました。正直よくわかりませんでした。感性で読むんだろうなあ、こういう本は。 お話が始まる前に終わってしまった、そんな印象のお話ばかりでした。個々のイメージは透明で綺麗なのですが、もう...
前に本屋で水晶万年筆、と言う本を見かけて綺麗なフレーズだなあと思い読んでみようと図書館で借りてみました。正直よくわかりませんでした。感性で読むんだろうなあ、こういう本は。 お話が始まる前に終わってしまった、そんな印象のお話ばかりでした。個々のイメージは透明で綺麗なのですが、もう一歩踏み込んでだから?と言うところまで書かれている作品の方が好みです。
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