ペンと剣 の商品レビュー
パレスチナ問題が再燃している今だからこそ読むべき本。パレスチナ系アメリカ人知識人のエドワードサイード氏へのインタビュー集であり、氏の考え方や価値観をわかりやすく知ることができる。今後、氏の名著『オリエンタリズム』や『知識人とは何か』に挑戦してみたいと思った。また、パレスチナ問題が...
パレスチナ問題が再燃している今だからこそ読むべき本。パレスチナ系アメリカ人知識人のエドワードサイード氏へのインタビュー集であり、氏の考え方や価値観をわかりやすく知ることができる。今後、氏の名著『オリエンタリズム』や『知識人とは何か』に挑戦してみたいと思った。また、パレスチナ問題が解決しない理由について双方の視点から知ることができた。
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ナチスの犯罪を思い出すたび「ユダヤ人」という世界史の主体が、とても色濃く感じられる。でも、その主体は、現在に続く「帝国」間の緊張の中で、いまだに荒っぽいやり方で利用されてもいる。 アメリカとイスラムの関係も、対「ユダヤ人」との関係から導かれるものとして、脱宗教的に説明できる。「民...
ナチスの犯罪を思い出すたび「ユダヤ人」という世界史の主体が、とても色濃く感じられる。でも、その主体は、現在に続く「帝国」間の緊張の中で、いまだに荒っぽいやり方で利用されてもいる。 アメリカとイスラムの関係も、対「ユダヤ人」との関係から導かれるものとして、脱宗教的に説明できる。「民族問題」、宗教や思想の対立も終局、政治的な問題の中に集約されていく。 政治で解決することを願ったサイードの言いたいことは、そんなことかもしれない。 サイードのように、多様性を重んじる文化に生きるとは、さまざまなことを政治的に解決できると信じ続けることなのだろう。 文化そのものを論じて行き着くのは、「互いに違う」ということを認めることだけ。そこから先をどうするかというのは、やはり政治の問題になる。
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「オリエンタリズム」で有名なサイードへのインタビューを文章化したもの。 文化帝国主義とパレスチナ問題について言及。
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アルメニア系のバーサミアンが聞き手だったからこそ、な本かも。 視線の捌き方で個性が決まるこのご時世になんて優しくも冷静な視線を投げかける人なんだろうか。
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ユダヤ教の人文主義は、ユダヤ人の美学と神秘主義に根ざしている。啓蒙主義にも依拠しているが、同時にそれはまた受難と迫害の歴史によっても規定されている。 ユダヤ人が普遍的な価値観や思想にひきつけられるのは、セクト主義に掲げられる敵に対抗するためのものといえる。 キリスト教徒はイスラム...
ユダヤ教の人文主義は、ユダヤ人の美学と神秘主義に根ざしている。啓蒙主義にも依拠しているが、同時にそれはまた受難と迫害の歴史によっても規定されている。 ユダヤ人が普遍的な価値観や思想にひきつけられるのは、セクト主義に掲げられる敵に対抗するためのものといえる。 キリスト教徒はイスラム教徒よりも上の階級の属している。 現在、アラブ諸国のどの大学にも西洋だけ、またはアメリカだけを専門に研究する学部はない。
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