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新聞記者 夏目漱石 の商品レビュー

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2023/02/03

朝日新聞の主筆、池辺三山は、日露戦争で伸びた部数が、戦後激減したため、知的読者を増やそうと二葉亭四迷や夏目漱石を入社させ、新聞小説の連載で好評を得ました。また文芸欄を創始し漱石に編集を一任しました。 https://www.honzuki.jp/book/309027/revie...

朝日新聞の主筆、池辺三山は、日露戦争で伸びた部数が、戦後激減したため、知的読者を増やそうと二葉亭四迷や夏目漱石を入社させ、新聞小説の連載で好評を得ました。また文芸欄を創始し漱石に編集を一任しました。 https://www.honzuki.jp/book/309027/review/277565/

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2022/08/20

朝日新聞社に勤めた「サラリーマン夏目漱石」についての名著です。 漱石がどのような経緯や条件で朝日に入社し、それが当時の世間の目にどのように映ったのか、そしてどのような人たちが奮闘し、漱石を支え、漱石はどのように執筆・編集をしていったのかが、細かな数字を交えた調査記録とともに記され...

朝日新聞社に勤めた「サラリーマン夏目漱石」についての名著です。 漱石がどのような経緯や条件で朝日に入社し、それが当時の世間の目にどのように映ったのか、そしてどのような人たちが奮闘し、漱石を支え、漱石はどのように執筆・編集をしていったのかが、細かな数字を交えた調査記録とともに記されていて興味深かったです。 また、著者は朝日新聞に在籍していた経歴があり、そのため当時の大阪朝日と東京朝日の関係が詳しく書かれていたことも、これまで個人的に気になっていたトピックスだったのですっきりしました。他にも、どの新聞社がどのような状況で海外特派員や従軍記者や写真画の第一号を出したのかなど、漱石と直接関係はないものの、漱石を取り囲む当時の状況を知ることができる内容が多かったことも良かったです。 尚、美術関係、装丁関係などについては比較的記述は少なかったのですが、朝日でも関係していた橋口五葉の名はもちろん、『虞美人草』掲載告知から二か月で三越呉服店が令嬢向き浴衣地をデザインして発売したことや、晩年に漱石が画家で友人の津田青楓に宛てた感傷的な手紙のことなど、あちこちに小さな話は散りばめられていてアートファンにも嬉しい内容でした。

Posted byブクログ

2010/08/21

朝日新聞の記者として文芸欄に新聞小説を書く夏目漱石。 病に倒れた後の「思い出すことなど」を書いていた時期のことを外側から書いてあったりして面白い。 小説だけでなく講演なんかも面白くて評判だったようだ。 楽しく読めました。

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2009/10/04

夏休みの宿題といえば、読書感想文を思い浮かべる人は多いだろう。どんな本を読むか、どんな本がお薦めになっているか。学校で、本屋さんの棚で。この二つ違いをあげれば現代物のチョイスが学校推薦のものにはないでしょう、ということ。裏を返せばいわゆる文豪ものは かぶっています ということでも...

夏休みの宿題といえば、読書感想文を思い浮かべる人は多いだろう。どんな本を読むか、どんな本がお薦めになっているか。学校で、本屋さんの棚で。この二つ違いをあげれば現代物のチョイスが学校推薦のものにはないでしょう、ということ。裏を返せばいわゆる文豪ものは かぶっています ということでもある。そのかぶっているものの、筆頭はなにを隠そう 夏目漱石 『こころ』ではないでしょうか。ちなみに新潮文庫の100冊の一番目に来ているのがこの作品。  夏休みが来るたびに 聞かされるこの名前。作品を読んだことはなくても誰もが彼の名前は知っている。文豪としての名前、しかし彼にはそれ以外の形容詞があった。そう新聞記者というものが。  衆知の事実のことなのだが、あまり省みられることのなかった新聞記者、夏目漱石。 本書は、彼の文学作品の裏にある生活の一断面をドキュメントチックに叙述してくれています。  明治終わり隆盛の入り口に入ろうとしていた新聞が文芸界に登場した彼を争って入社させようとしたこと、軍配は朝日新聞に、文芸欄の定着に大きく貢献したことなど、他数々の夏目漱石の新聞文化に対する功績が記されている。漱石なければ、新聞の形態は大きく異なっていたであろうと思わせることがあり、あらためて漱石すごいぞ、と喝采したくなる。新聞小説としてでた『虞美人草』『三四郎』など、彼の作品の多くは新聞とのかかわりが強い。新聞小説家としての漱石。  文豪といって間違いないであろう漱石が新聞記者であった時代、それをどのように捉えるか。牧歌的な時代の過去とみるか、新聞という大衆創造装置に本来必須な資質の人物である、というように捉えるか。  時代背景と重ねながら新聞記者漱石の活躍をみていくとなにか解るような気がする。今の新聞に足りないもの、それは漱石である、といえないか。  新聞記者をやりながら書いた『こころ』を読み直すきっかけにもなる本かと思います。

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