武州公秘話 の商品レビュー
戦国時代が舞台。南條…
戦国時代が舞台。南條範夫は本作を読んで残酷物を書いたのかもしれません。
文庫OFF
戦国時代の城を舞台に…
戦国時代の城を舞台に繰り広げられる、残酷でありながらもどこか滑稽な物語。手洗い所の描写は凄いな、と思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
首に取りつかれた一人の男の物語。 青少年期に見たものというのは 非常に印象深いものとなるけれども 武州公の場合はそれが首であったということ。 そしてその首の鼻をなくす、ということに 魅入られてしまい、 まだ戦いに赴くことのできる年齢を前に 衝動により大将を討ち取るまで至ります。 そして、あるものとの出会いが 恋心とフェチ要素を爆発させるのです。 なんというかなまめかしくもあり 不思議でもあり… ヘンな感覚の残る作品でした。
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変態性癖の武将の秘話。女首、鼻もげなど、少年期に体験した、曲がった興奮を、密かに持ち続け、それが大人になっても。
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何冊読んでも、谷崎潤一郎はいい! これは、戦国時代が舞台。最初は漢文の序章でスタート。戦死者の首の髪を、微笑みながら結う女。それを取り巻く静寂の空間、戦の興奮の残り香を伝える部屋に漂う匂い。そのすべてに飲み込まれた少年。それを再現するまでと、長い妄想を描く。 たまたま、今、谷...
何冊読んでも、谷崎潤一郎はいい! これは、戦国時代が舞台。最初は漢文の序章でスタート。戦死者の首の髪を、微笑みながら結う女。それを取り巻く静寂の空間、戦の興奮の残り香を伝える部屋に漂う匂い。そのすべてに飲み込まれた少年。それを再現するまでと、長い妄想を描く。 たまたま、今、谷崎さんの「文章読本」を並行して読んでおり、谷崎さんが源氏物語を好きである理由を悟ったとこ。それを踏まえて読むと、なお味わい深い。 源氏物語に因んだ、和歌などが出てくる。そして、文の長さが気にならない工夫をされて、長々と続く一文なども出てくる。 最後の終わり方も、安逸にメロドラマの様な展開でないところもいい。続きが気になって気になって、夜寝るのが嫌だった。
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途中からの話の方で、面白いんだけど、本編からはだだずれで大谷崎にもこういうことがあるんだなあと面白く読んだ。でも面白いので、なんというか底知れぬすごみを感じだというほどもない軽快なずれっぷりのちょうしがいい。話の内容よりもそういうところが見ごたえ満点です。 武州公はもうまるで何度...
途中からの話の方で、面白いんだけど、本編からはだだずれで大谷崎にもこういうことがあるんだなあと面白く読んだ。でも面白いので、なんというか底知れぬすごみを感じだというほどもない軽快なずれっぷりのちょうしがいい。話の内容よりもそういうところが見ごたえ満点です。 武州公はもうまるで何度も語り継がれた物語みたいにたんたんとした狂いっぷりなのに、においたつようなどろどろとした愛着、血のにおいはしないのにまみれた温度が伝わってくるような、やっぱり筆力の素晴らしさを感じて登場人物たちに対して思わず肩入れしてしまう。面白い。
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読んだのは「聞書抄」も併録されている1984年版の方ですが、表紙イメージのあるのでこちらを登録。 それに「聞書抄」は「武州公秘話」に比べて内容的に見劣りするように感じたので。 最期まで飽きることなく貢を繰らせる筆力は流石です。 貴人の厠云々の件は、「陰翳礼賛」を思い出しました。 ...
読んだのは「聞書抄」も併録されている1984年版の方ですが、表紙イメージのあるのでこちらを登録。 それに「聞書抄」は「武州公秘話」に比べて内容的に見劣りするように感じたので。 最期まで飽きることなく貢を繰らせる筆力は流石です。 貴人の厠云々の件は、「陰翳礼賛」を思い出しました。 戦国物なのに所々当世風の台詞があったのが気になりましたが、些細な事です。 真夜中の首装束の場面の描写がいい。 武州公が空想する、あくまで冷酷な桔梗の方のイメージは中々魅力的でした。
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