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下流社会 の商品レビュー

2.8

293件のお客様レビュー

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    13

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2018/10/08

以前読んだ、「格差は遺伝する」の著者がそれ以前に書いた本。アマゾンのレビューではかなり批判的な意見が目立つが、言われるほどの悪い内容でもないと思う。アマゾンでのレビューは感情的なリアクションがかなり多いが、それは著者が本書中で特に比較的下流の層に対して厳しい私見を盛り込んでいるこ...

以前読んだ、「格差は遺伝する」の著者がそれ以前に書いた本。アマゾンのレビューではかなり批判的な意見が目立つが、言われるほどの悪い内容でもないと思う。アマゾンでのレビューは感情的なリアクションがかなり多いが、それは著者が本書中で特に比較的下流の層に対して厳しい私見を盛り込んでいることに加えて、様々な仮説をかなり断定的に書いているからではないだろうか。たとえば、母数の少ないアンケートのデータを引き合いに出して、埼玉や千葉に住む人間が所得と共に意欲が低いなどというのな表現である。 一方で、著者のこうした偏見とも取れる指摘も、経験的には納得の行くものが多かったのも事実である。本書は社会学や経済学的な視点から書かれているのではなく、マーケティング的な視点によって消費者を階層化し単純化、一般化を試みているのである。解決策が書かれていないことを批判するレビューがあったが、これも的外れであろう。そもそも、著者はあとがきで、一連の問題提起は仮説であるということを認めている。 百貨店がかつて60%超を占めた中流意識を持つ消費者を対照とし、そのニーズに合うビジネスを行っていたのが、現在中流を自認する消費者は37%である現状でかつてのビジネスモデルをそのままに低迷しているのは至極当然であるという指摘はかなり納得がいく。 下流に属する人たちは総じて、「自分らしく」ということに対して価値観を見出す傾向が読み取れる一方で、「一人でいることに幸せを感じる」と他人とのコミュニケーションを放棄している。

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2021/08/08

2005年の著書ということで、リーマンショック以降、2極化傾向はさらに強まっているものと思われ、いまさら読んでも古いかなと思いつつ、BOOKOFFで50円で売られていたので、思わず買ってしまった。 階層の固定化についても触れられているが、「上」「下」を分ける大きな要素として、コミ...

2005年の著書ということで、リーマンショック以降、2極化傾向はさらに強まっているものと思われ、いまさら読んでも古いかなと思いつつ、BOOKOFFで50円で売られていたので、思わず買ってしまった。 階層の固定化についても触れられているが、「上」「下」を分ける大きな要素として、コミュニケーションを挙げているのが、今時らしい分析である。 期待しないで読んだせいか、想像以上に面白かった。特にコラム。宮台真司の結婚についてのゴシップ調のコメントにセンスが感じられた。最近の著書もぜひ読んでみたい。

Posted byブクログ

2018/09/19

10年前、日本社会における貧富の差が明確になり始めたころ、評判になった本。 東京帰りの空港で読んだ。 一億総中流だった日本の社会が階層分化して、圧倒的多数を占めていた「中の中」グループのうち、上昇意欲の強い一部のグループは中の上に移行するが、それ以外の大部分は「中の下」あるいは...

10年前、日本社会における貧富の差が明確になり始めたころ、評判になった本。 東京帰りの空港で読んだ。 一億総中流だった日本の社会が階層分化して、圧倒的多数を占めていた「中の中」グループのうち、上昇意欲の強い一部のグループは中の上に移行するが、それ以外の大部分は「中の下」あるいはそれ以下に転落しつつあるのが日本の社会である、といったようなことを述べた本。 なかなかおもしろい。 とくにアンケート結果のデータ分析の仕方は参考になる。 こういうアンケート結果の報告書に書いてある解説は、「何々が何%で一番高い」というような、結果の数字をそのまま文章にしただけのものが多いのだが、ここでは、これから読み取れる可能性は?としていくつもあげ、それを比較検討して、著者の推論を述べている。こういうのはなかなかお目にかかれない。 もっとも途中からは面倒くさくなって、データは見ないで結論しか読んでないが。 この手の本、そんなに一生懸命読むほどのものでもない。 ただ、最初の「下流度チェック」は興味深い。 次の文章で、半分以上当てはまるものがあれば、あなたはかなり「下流的」である。 01 年収が年齢の10倍未満だ 02 その日その日を気楽に生きたいと思う 03 自分らしく生きるのがよいと思う 04 好きなことだけして生きていきたい 05 面倒くさがり、だらしない、出不精 06 一人でいるのが好きだ 07 地味で目立たない性格だ 08 ファッションは自分流である 09 食べることが面倒くさいと思うことがある 10 お菓子やファーストフードをよく食べる 11 一日中家でテレビゲームやインターネットをして過ごすことが良くある 12 未婚である(男性で33歳以上、女性で30歳以上) (p3-4) さて、どうだろう。 私の場合、客観的に考えた場合、現状であてはまるのは、2つぐらい。 だが、願望や、そうあるのが本来のすがただと考えるものを選ぶと、8個ぐらいになる。 これはどういうことか。 隠れ「下流」? ほったらかすと「下流」になってしまう人間? おそらくそうだろう。 それでも別にかまわないような気がするが。 ←そう考えるのが下流のシルシだ! べつにいいじゃんか。 ←そう考えるのが下流のシルシだ! 余計なお世話だよ。 ←そう考えるのが ああうるさ。もう寝よ。

Posted byブクログ

2018/05/26

マーケティングデータを使った解説であまり厳密性はないが、いつ頃から階層構造の変化が起こっているかが分かって面白い。昔の下流階層は消滅し、中流からおちこぼれて生じた新しい下流階層が発生して来た。

Posted byブクログ

2018/01/13

著者が10年以上前に指摘したように上流と下流の2極化が正に進んでいる。昔は中間層に向けた商品を開発していれば良かったが、今は多様な趣向に企業は答える必要があると感じた一冊だった。また、上流になるのに求められる能力はコミュニケーション能力という主張もその通りだと感じた。

Posted byブクログ

2017/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2005年刊行。本書としては分析のためのサンプル数が少なすぎるのが問題だが、後に多くの書が明らかにしてきた格差社会の固定化という現実を、明快に言語化した点、その端緒となった点は評価してよいだろう。

Posted byブクログ

2016/09/06

思っていたよりは普通の主張だった。 データ元は一都三県と偏っているが、サンプル数の多少や類似調査との比較等、一応データの信頼性について考慮はしてある。どのみち上中下という「主観」のヒアリングなので何が言えるというものでもないとは思うし、数字と表は全部読み飛ばしたのであまり関係な...

思っていたよりは普通の主張だった。 データ元は一都三県と偏っているが、サンプル数の多少や類似調査との比較等、一応データの信頼性について考慮はしてある。どのみち上中下という「主観」のヒアリングなので何が言えるというものでもないとは思うし、数字と表は全部読み飛ばしたのであまり関係ないが。 「格差があること自体は、結果平等よりはまし」 「だが、格差が固定されることはよくない」 そのとおりだろう。 ノブレス・オブリージュの復活はよいと思う。

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2016/06/09

1958年生まれ、三浦展(あつし)さんの「下流社会」-新たな階層集団の出現ー(2005.9)を読みました。わかりやすくて、とても勉強になりました。「下流」とは、単に所得が低いということではなくて、コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり、総じて人生へ...

1958年生まれ、三浦展(あつし)さんの「下流社会」-新たな階層集団の出現ー(2005.9)を読みました。わかりやすくて、とても勉強になりました。「下流」とは、単に所得が低いということではなくて、コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり、総じて人生への意欲が低いことをいうのだそうです。若年層で下流化が進行してるそうです。「下流の男性」はひきこもり、「下流の女性」は歌って踊るとか。確かに、パチンコ屋の前に座り込む男性の前をOLが颯爽と歩いて行く風景、よく目にします。う~~~む!

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2016/04/05

・低学力ほど、自己能力感を学習以外で感じる →格差を個性や自由という言葉で隠そうとする大人たちの罠。 ・コミュニケーション能力の高い男女ほど、結婚しやすくなる 原因→女性の社会進出が進み、女性と男性が同じ基準で争う結果、類ではなく個人として男女が向き合わなければならなくなる。オ...

・低学力ほど、自己能力感を学習以外で感じる →格差を個性や自由という言葉で隠そうとする大人たちの罠。 ・コミュニケーション能力の高い男女ほど、結婚しやすくなる 原因→女性の社会進出が進み、女性と男性が同じ基準で争う結果、類ではなく個人として男女が向き合わなければならなくなる。オス対メスではなく、個人対個人。より共通点を探そうとする作業が必要になる。だから、自分の魅力を相手に伝える力、コミュ力が必要とされるようになる。相対的にコミュ力の高い男女ほど、恋愛しやすくなるというわけだ。 ⇒見方としては面白いが、論理がよくわからない。オス対メスと、個人対個人とで、「共通点を探そうとする作業」の作業量は、果たして変わってくるのか。 女性の社会進出が進んだことで恋愛がしにくくなったというのは、実感として同感だが、その原因がはっきりしない。。。 ・一番大事なのは家族。 幸福感が一番強いのは、上流階層の男性・女性。家族持ち。彼らが最も幸福を感じる瞬間は、家族とともに時間を過ごしているとき。やはり、幸福には色いろあるといえど、家族と時間をともにしている瞬間が、一番幸せなんだと思う。 独り身で、カネ稼ぐことに執着するやつをばかにしているやつは、きっと不幸になってしまう。一人で幸福を感じようとすることは、現代ではまだ難しいだろう。人間は、社会性のいきものだ。 ・幸福の形は必ずしも多様化していない 2005年時点で、最も階層意識が高く最も生活満足度が高いのは、裕福な男性と専業主婦と子供のいる家庭。 ⇒これも納得。働き方、生き方、考え方が多様化しても、人間の本質である社会性に変わりはない。幸福を得られる瞬間は、誰かと時間をともにしている瞬間だろう。 ⇒もっと自分に素直になろうと思った。誰かと一緒に過ごす時間は、自分の人生において、読書や漫画と同じくらいの感動と楽しさを自分にもたらしてくれる。人は選ぶけど。 ⇒もっと自分をオープンにするにはどうすればいいのか。怖がり過ぎなのだろうか。相手の反応を見るのが怖いのか。うーーーん。。。。

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2015/10/22

ずいぶん前にちょっと流行った本 データの取り方が適当なので、なんだろうこれと思ってたら、筆者が自分でとったデータでした。 全体として言ってることはそうかもな、という気もしますが、インタビューとか適当すぎるので、信用性に著しくかけます。軽めの情報系雑誌の記事を長めにして本にしました...

ずいぶん前にちょっと流行った本 データの取り方が適当なので、なんだろうこれと思ってたら、筆者が自分でとったデータでした。 全体として言ってることはそうかもな、という気もしますが、インタビューとか適当すぎるので、信用性に著しくかけます。軽めの情報系雑誌の記事を長めにして本にしましたといった本です。 笑える部分が多いので星2つ。

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