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果てしなき渇き の商品レビュー

2.7

67件のお客様レビュー

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2023/06/22

 この小説を語ると、読者の男性と女性では議論が対立すると思います。  藤島秋弘(主人公)は、身の破滅を顧みず行動する粗暴で激情型です。  物語は、妻(桐子)の浮気相手を殴って離婚されヤメ刑事となり、警備会社に勤務していた。ある日、桐子から娘の加奈子が行方不明になったと連絡があ...

 この小説を語ると、読者の男性と女性では議論が対立すると思います。  藤島秋弘(主人公)は、身の破滅を顧みず行動する粗暴で激情型です。  物語は、妻(桐子)の浮気相手を殴って離婚されヤメ刑事となり、警備会社に勤務していた。ある日、桐子から娘の加奈子が行方不明になったと連絡があり元自宅へと向かった。  てがかりを求めて加奈子の部屋を調べると違法ドラッグと接種具を発見した。離婚した妻が藤島を呼び寄せたのは、それを知っていたからだ。藤島は娘の失踪なら「警察に通報しろ」と言っていたが、ドラッグを見つけてからは「俺が加奈子を捜す。警察には言うな」と元妻を脅し、仕事を放棄して加奈子を捜すことになる。  警察官の仕事柄幾日も帰れない、家庭を蔑ろにしていたわけではなく、幸せな生活を夢見たはずで、娘と妻を愛するのは父親として理解できます。加奈子の同級生やかかりつけ医とかを辿って居場所を突き止めようとする。  しかしここからがエグイのです。元刑事さながら聞き込みをして、段々と加奈子の知られざる側面が見えてくる。中学校の元担任によると、純愛の彼氏(緒方)がいた。その彼氏は虐められていて、虐めが収まったかと思ったらドラッグを飲まされ変態ジジィに犯され、ショックで自殺した。暴力団と繫がっている不良グループ(アポカリプス)からクスリを仕入れ転売する。更に若い女の子たちを集めて売春組織を作るといった具合だ。  かなり異常です。顧客は大物政治家、警察幹部、医者、その中には加奈子の主治医もいた。加奈子は、おぞましい行為の写真を隠し撮りしていたのだ。加奈子の存在に不都合な者達と父親藤島は、血眼になって捜しているが、姿が見えない。以上があらすじです。  物語上で、藤島元夫婦の道義上の問題と道徳上の問題、妻桐子は、離婚を画策して加奈子を生贄にしたのではないかと思っていた。しかし、加奈子は両親を恨んでいたかについては何も語っていない。二つの物語が交錯して、最後は驚愕の事実が語られている。  読書は楽しい。かなりグロいけど!

Posted byブクログ

2021/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

妻の浮気相手に対して暴力事件を起こして警察を退職した元刑事が元妻の依頼で失踪した娘を探す話。娘は真面目な優等生という表の顔以外に覚醒剤を大量に所持し、ヤクザに繋がる不良グループと接触しており、売春組織まで作り上げていたことという裏の顔を持つことが分かった。娘は何処にいるか、何が娘をそうさせたかを探っていく。 実際のプチエンジェル事件を元に作られたと言われている話で「このミステリーが凄い」にも選ばれ、映画化もされた小説。 読後感が悪いことも知っていたが、想像以上に悪かった。誰も救われないし、共感できる人がいない。主人公の藤島は自己中心的で無責任で刹那的。娘が残していた覚醒剤を使用するところは全く理解出来ない。「三年前」のボクである瀬岡が気の毒で気の毒で…。加奈子みたいにクールに理性的に壊れていく人を私は見たことがない。現実離れしていて、プチエンジェル事件には、こんな裏話はなさそう…と思ってしまった(当たり前だが)。 悪くても突き抜けたものがあれば、ある意味、爽快な気持ちになるかと思っていたが、グロテスクだとそうならないことが分かった。

Posted byブクログ

2019/02/24

読後さっさと売ったので読んだの忘れてた。文章も構成も嫌いじゃない。ただ、オチがバカバカしすぎて作者が大嫌いになり、以後この作者の本は読んでない。

Posted byブクログ

2018/11/15

第3回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。 元刑事の藤島秋弘に、別れた妻から失踪した娘・加奈子の捜索を依頼される。 捜索をはじめた藤島は、我が子の暗く、冷たい一面が露呈してくるにつれ、破滅への一歩を踏み出す。 売春、薬、暴力、あらゆる負の事案の中に誰もが飲み込まれ...

第3回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。 元刑事の藤島秋弘に、別れた妻から失踪した娘・加奈子の捜索を依頼される。 捜索をはじめた藤島は、我が子の暗く、冷たい一面が露呈してくるにつれ、破滅への一歩を踏み出す。 売春、薬、暴力、あらゆる負の事案の中に誰もが飲み込まれていく。 東野圭吾「白夜行」を彷彿とさせるようなストーリー。 自分には文体も、展開もなじめなかったので、☆2つとさせて頂きました。

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2018/02/20

最近大好きな作家さんのルーツを知りたくて手に取ったデビュー作。グロい描写やアクションは現在の片りんを感じさせるがやや観念的か。主人公の救いのない行動や娘の狂気を感じる不可解な行動に非現実感が漂う。進化しているなあ。

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2017/02/12

 作品解説(表紙より)元刑事・藤島秋弘のもとに、失踪した娘の加奈子を捜して欲しいと、別れた妻から連絡があった。家族とよりを戻したいと願う藤島は一人、捜査に乗り出す。 一方、三年前。中学生である瀬岡尚人は手酷いイジメにあっていた。自殺さえも考えていたところを藤島加奈子に救われる。彼...

 作品解説(表紙より)元刑事・藤島秋弘のもとに、失踪した娘の加奈子を捜して欲しいと、別れた妻から連絡があった。家族とよりを戻したいと願う藤島は一人、捜査に乗り出す。 一方、三年前。中学生である瀬岡尚人は手酷いイジメにあっていた。自殺さえも考えていたところを藤島加奈子に救われる。彼は彼女に恋をし、以前、彼女がつきあっていた緒方のようになりたいと願うようになるが……。 二つの物語が交錯し、探るほどに深くなる加奈子の謎、次第に浮き彫りになる藤島の心の闇。用意された驚愕の結末とは――?  第3回 このミステリーがすごい!大賞 大賞受賞作  主人公・藤島のどす黒い心の闇。そして、痛々しい描写の連続。女性の方にはオススメできない作品。心の闇と書きましたが、藤島の思考は、はっきり言って子ども(又はストーカー)の思考です。極限まで自分本位に奔走し、他社を省みない行動の数々。それでも中盤まではそんな藤島に同情しそうにもなりましたが、最後は結局理解できませんでした。本当に暗い内容ですので「自分が主人公になりきったつもりで楽しめるから小説が好き」という方は読まないほうがいいかと…。この作品は「ハードボイルド好き」でも評価が分かれるところでしょう。  別段ラストでの驚愕もなく、個人的には最低評価にしようかと思いましたが、グイグイ引っ張る文章力は、さすが大賞受賞作というところでしょうか。

Posted byブクログ

2016/04/02

いなくなった娘を探す父。 …となると娘思いの優しい父親かとおもいきや 鬼畜だったという 救いのない胸くそ悪い読後感。 でも読む手は止められなかった。 旅のお供(それも行き)には向かなかったかもしれない… 映画は見てないけど この小説のままなら 見ない方が身のためかも… と打たれ...

いなくなった娘を探す父。 …となると娘思いの優しい父親かとおもいきや 鬼畜だったという 救いのない胸くそ悪い読後感。 でも読む手は止められなかった。 旅のお供(それも行き)には向かなかったかもしれない… 映画は見てないけど この小説のままなら 見ない方が身のためかも… と打たれ弱い私は思う

Posted byブクログ

2016/01/20

ある悲劇的な事象が発生したとき、その周囲の人々は、自分との関係性を勝手に想像し、やがては自滅していくという物語でした。 藤島の、行方不明の娘を探す心理は理解でき読み進められましたが、やがて暴走がエスカレートするうちに、次第と馳星周のような、悪の教典の蓮実のような、サイコパス的人格...

ある悲劇的な事象が発生したとき、その周囲の人々は、自分との関係性を勝手に想像し、やがては自滅していくという物語でした。 藤島の、行方不明の娘を探す心理は理解でき読み進められましたが、やがて暴走がエスカレートするうちに、次第と馳星周のような、悪の教典の蓮実のような、サイコパス的人格が露見していく点に混乱してしまいました。 第三回「このミステリーがすごい!」大賞作品だけあって、最後まで面白く読めました。

Posted byブクログ

2015/12/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画を見たので、原作を読破 内容的には二つのプロットから物語が進んでる あまりスッキリとした終わり方ではなかった まあただ人間の矛盾、汚いところを加減なく描き出したところに作品の良さがでていたのかもしれない。売春、裏社会、近親相姦、幼児性愛、オンパレードだった

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2015/04/15

主人公の娘が凄すぎ。何者だよって。 娘の末路が悲しいけど、良かったのかなとも思う。 出てくる人たちがみんなネジ飛んでて、 昏くて、そのくせ行動力があるので読んでてドライブ感があった。 爽快感も感動もないのに本では惹きつけられてしまうのは、クズにはあまり出会ったことがないおめで...

主人公の娘が凄すぎ。何者だよって。 娘の末路が悲しいけど、良かったのかなとも思う。 出てくる人たちがみんなネジ飛んでて、 昏くて、そのくせ行動力があるので読んでてドライブ感があった。 爽快感も感動もないのに本では惹きつけられてしまうのは、クズにはあまり出会ったことがないおめでたい人生なのかもしれない。

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