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中国歴史研究入門 の商品レビュー

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2009/10/04

まだ序説と専門の先秦史のところを流し読みしたくらいですが、率直な感想として(勘違いかもしれませんが)「京都学派ここに健在」と感じました。執筆者もだいたい京都系の人が中心となってるみたいですし(東大の岸本先生などもいますよ)、序説のところなんかとくに色濃くでてたと思います。で、私の...

まだ序説と専門の先秦史のところを流し読みしたくらいですが、率直な感想として(勘違いかもしれませんが)「京都学派ここに健在」と感じました。執筆者もだいたい京都系の人が中心となってるみたいですし(東大の岸本先生などもいますよ)、序説のところなんかとくに色濃くでてたと思います。で、私の専門であった先秦史(この区切りも京都系の吉本道雅先生が確立したのではなかったかと記憶している)に関していえば、殷や西周のところは研究入門書にしては細かすぎるきらいがありましたが、戦国時代に関してはひろくまとまっていたのではないかと思います。とくに、日本における戦国史研究を大いに発展させた、秦漢時代の君臣関係についての西嶋定生先生の「家父長的家内奴隷制度」と増淵龍夫先生の「任侠的人的結合関係」の議論の紹介はこれから戦国史研究を志す人々にとって是非とも読んでもらいたい一文です。ただ、けちをつけるならば、もっと取り上げてもいい論文や講座ものなどもあるのではないかと思います。汲古書院の『殷周秦漢時代史の基本問題』や、岩波の新版『世界歴史』シリーズなど研究「入門」書と題打っているのならば是非とも取り上げるべきではなかったかと思います。あと決定的な欠点が「文献が探しにくいこと」。本書は本文では著者とその論文や著作の発行年のみを書き、巻末に「文献一覧」としてまとめる体裁を取っています。ページ数を省略するためでしょうが、これでは論文が探しにくい。せめて、「文献一覧」に載っている論文は何ページに記載しているかくらいは載せて欲しかったと思います。しかし、こういった「研究入門書」のたぐいは歴史研究者にとって必携の書。失礼ながら評価は低くつけさせてもらいますが、最新の研究成果を載せてあるということには間違いありませんので、これから何かを研究しようとする場合、まず目に通すべき本であることには間違いありません。前の「中国史研究入門」や「アジア歴史研究入門」、世界歴史大系の『中国史』1〜5などを参考にしながら研究史を整理してください。

Posted byブクログ