ニュートンの海 の商品レビュー
アリストテレスによる万物考察と体系化が人類史における知の革命とすれば、ニュートンによるアリストテレスの否定もまた人類史における知の革命である。 「万有引力の発見」で知られるニュートンであるが、その業績と人物像(と偏屈さ)をここまで立体的かつ包括的に描き出したグリック氏に恐れ入る...
アリストテレスによる万物考察と体系化が人類史における知の革命とすれば、ニュートンによるアリストテレスの否定もまた人類史における知の革命である。 「万有引力の発見」で知られるニュートンであるが、その業績と人物像(と偏屈さ)をここまで立体的かつ包括的に描き出したグリック氏に恐れ入る。ニュートンの天才性は万有引力の「(発見ではなく)発明」よりむしろ、その導出に至るまでの微積分の発明や定義厳密化(「運動」など)といった近代科学の土壌を整えた点にある。万有の疑問はニュートンのご褒美であり、海を見たことない者(真偽はさておき)が潮汐を解明するとは思考実験の醍醐味ではなかろうか。自説の公表を極端に嫌がったのも旧弊との議論に時間を割かれるのを不毛に感じていたからかもしれない。 興味深いのが孤高な秘密主義の偏屈王ニュートンが、ハレーの酔狂的行動のような『プリンキピア』刊行をうけ王立造幣局長官になったあたりから社交性を纏い権力欲を発揮するようになったのが面白い。万有引力を発明した時点のニュートンでは人々に惜しまれながら国葬なんてのは無理だったであろう。まるでスティーブ・ジョブズのようだ。天才も万能ではないとともに、ベクトルを変えれば大きく性格をも変容させるのはまた天才ならではであろう。
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伝記物というよりニュートンの解説みたいに感じました。 でもニュートンの人物像が浮き出てくる所はやはり伝記的要素によると感じました。 ニュートンは引力以外にも色々やっていたとはじめてしりました。
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