ポーリーヌ の商品レビュー

アレクサンドル・デュマ・ペール(著者),小川節子(訳者)

2017/09/01

比較的短い小説でもあり、『三銃士』や『モンテ・クリスト伯』のような傑作とは比べ物にならないが、それでもワクワク・ドキドキさせるデュマらしいエッセンスは感じられ、楽しめた。廃墟となった修道院の地下納骨所、という場所からしてワクワク感を刺激されますな。

惜しむらくは、訳がかなりヒドイこと。不自然な言い回し、何が主語なのかわからない長い文など、「直訳しました」風の文章が続き、読んでいてつらかった。
また、後書きがわずか1ページで出版年の紹介などに留まり、作品や作者についての解説がなかったのにもがっかり。やっぱり、できればフランス文学やデュマに造詣の深い人に訳してほしかったな。（2007.3.4）