離脱・発言・忠誠 の商品レビュー
離脱=経済学的論理=市場の論理 発言=政治学的論理=非市場の論理 経済的論理は政治学的論理を必要以上に過小評価し、貶めてきた。その逆もまた然り。 離脱と発言、両方を取り入れることこそ組織の改善に必要になる。 一文一文丁寧に読みたい本。
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経済学者であり政治学者であり、社会学者でもありそうなハーシュマンによる政治経済学に関する本。 衰退していくあらゆる組織体に対して、構成員が取りうる手段は離脱<exit>(さようならする)か発言<voice>(抗議する、意見する等々)かの二つであるということ。 それらを行うかど...
経済学者であり政治学者であり、社会学者でもありそうなハーシュマンによる政治経済学に関する本。 衰退していくあらゆる組織体に対して、構成員が取りうる手段は離脱<exit>(さようならする)か発言<voice>(抗議する、意見する等々)かの二つであるということ。 それらを行うかどうかはその組織体にどれだけ忠誠<loyalty>(愛着)を感じているかによるということがきちんと論理立てて書かれている。 フリードマンらの市場原理主義者への反論(企業間競争において離脱する以外にもとる手段がある、例えば品質改善を求めて提案するとか。)をしつつ、国家に対して発言以外の対抗手段がなかなかないことから、モデルに基づいて単純化する経済学と、多様な概念を扱う政治学の両者を架橋することを目指して書かれている。 あとがきに書かれているハーシュマンの壮絶な人生(7回もの移住と従軍経験)を読むとなおさら、様々なことを架橋させていく試みを行っているハーシュマンの原動力に触れられてよかった。 プラスでフリードマンがなぜ市場原理主義者になったのかについてもわかった。思想はその人の経験してきたことと不可分なんだなぁやっぱり。
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旧訳と比べて新訳がどれほど読みやすくなったのかは,旧訳を読んでないので分かりませんが,ハーシュマンの3つの概念の説明力の高さをあらためて感じました。
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