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北朝鮮「虚構の経済」 の商品レビュー

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かつてのように、地上…

かつてのように、地上の楽園だなんだと賛美するのも問題ですが、ヒステリックな対北朝鮮強硬論も考え物。そんな時にオススメなのがこの本。断片的な諸データを纏めあげることで、全体像を鮮明にしていくのは見事。経済破綻の理由、経済からみる北朝鮮の歴史、経済の現状、中国・ベトナムと比較しての経...

かつてのように、地上の楽園だなんだと賛美するのも問題ですが、ヒステリックな対北朝鮮強硬論も考え物。そんな時にオススメなのがこの本。断片的な諸データを纏めあげることで、全体像を鮮明にしていくのは見事。経済破綻の理由、経済からみる北朝鮮の歴史、経済の現状、中国・ベトナムと比較しての経済改革の成否への考察などが書かれています。そして、巻末には経済制裁についての意見も。北朝鮮が建国当初より経済援助に依存していたこと、莫大な軍事費が経済を歪な形にしたこと、過度の個人崇拝によって金日成・金正日の発言が

文庫OFF

2023/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なぜそうなったかはもう最初の時点で 決まり切っていたのでしょうね。 本当に目も当てられない有様です。 結局は何の知識もない人が 政治を投じするとなるとこういうことになるわけです。 しかも軍がメインのあの国、 今は亡きあの一家、実は軍経験なし(!) もういろいろとね。 そして今… どうなるのでしょうな。

Posted byブクログ

2016/04/20

2005年に出版された新書。 すでに10年以上前に出版された同書であるが、「北朝鮮経済はなぜ破綻したか」について、国内的要因と国際的要因に分けてわかりやすく解説してくれている。 まず、国内的要因について。 1、社会主義を名乗っているが、北朝鮮は「計画なき計画経済」であること。 ...

2005年に出版された新書。 すでに10年以上前に出版された同書であるが、「北朝鮮経済はなぜ破綻したか」について、国内的要因と国際的要因に分けてわかりやすく解説してくれている。 まず、国内的要因について。 1、社会主義を名乗っているが、北朝鮮は「計画なき計画経済」であること。 2、南北の対峙により、軍事費が圧迫すること。 3、指導者による細かすぎる現地指導(時には非合理的な指示も)。 4、三元化経済(表向きの計画経済、軍事関連部門の「第二経済委員会」、闇経済) 5、計画の途中で強引な繰上げ・超過達成運動が行われることでかえって計画が挫折する。 6、指導者の思い通りに動かせる蓄えがあり、それを融通してもらうには賄賂が必要となる。 次に、国際的要因について。 援助大国であったソ連との関係性の変化による援助額の変化や、ソ連の崩壊、同じく中朝関係の変化や、近年では中国の対北「制裁」への参加などが北朝鮮の経済に影響を与えている。 こうした様々な要因により、北朝鮮経済は現在も厳しい状況に置かれている。北朝鮮は経済特区を設けたり、韓国との金剛山観光などにも力を入れているが、北朝鮮経済の不透明さからくるリスクや、核開発疑惑などにより、それらは成功に至る前に壁にぶち当たっているようにみえる。 反対に、経済がほぼ自給自足の北朝鮮は、海外への依存度が低いため、制裁の効果も限定的だ。 同書は、金日成・金正日時代の北朝鮮について書かれたものだが、北朝鮮の国内的要因が現在も変化していない。一方で、国際的な制裁はかつてなく厳しくなっていることを鑑みると、金正恩時代の北朝鮮経済の明るい展望は描けそうにない、と感じた。

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2014/10/05

[ 内容 ] かつて「地上の楽園」と賛美する者さえいたこの国の経済は、なぜ破綻したのか。 そこには社会主義国が共通に抱える問題とともに、北朝鮮独自の問題があった。 北朝鮮は建国以来、社会主義国でありながら計画経済が機能しない「計画なき計画経済」国家であり、また「自立的民族経済」を...

[ 内容 ] かつて「地上の楽園」と賛美する者さえいたこの国の経済は、なぜ破綻したのか。 そこには社会主義国が共通に抱える問題とともに、北朝鮮独自の問題があった。 北朝鮮は建国以来、社会主義国でありながら計画経済が機能しない「計画なき計画経済」国家であり、また「自立的民族経済」を掲げながらその実態は援助の上に成り立つ「“被”援助大国」であり、対外経済関係ではボーダレスには程遠いボーダ「フル」な経済国家だったのである。 関係諸国から断片的に報告される各種データや研究書を丹念に調べ上げて、「秘密国家」のベールの奥に隠された経済の実態に迫る、渾身の研究の書。 [ 目次 ] 第1章 北朝鮮経済はなぜ破綻したのか(計画なき計画経済;“被”援助大国北朝鮮) 第2章 北朝鮮の経済「改革」は成功するか―中国・ベトナムとの比較(改革の始まりか;改革の前提条件と順序 ほか) 第3章 北朝鮮経済史(「解放」直後の北朝鮮;朝鮮戦争と戦後復興三ヵ年計画(一九五四‐五六年) ほか) 第4章 北朝鮮経済の現状(不足するエネルギー;厳しい農漁業生産 ほか) 終章 出口の見えない北朝鮮経済(回復の兆しのない北朝鮮経済;経済制裁に「効果」はあるか) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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2009/10/04

「窓を開けたならば、新鮮な空気とともにハエがはいってくるかもしれないが、それでもかまわない」と語って、中国の改革開放政策を大胆にすすめたトウ小平。旧ソ連・中国と同様に社会主義国としての国づくりのなかで隣国の大国・中国の経済モデルを意識しながらも、北朝鮮ではトウ小平のような大胆な改...

「窓を開けたならば、新鮮な空気とともにハエがはいってくるかもしれないが、それでもかまわない」と語って、中国の改革開放政策を大胆にすすめたトウ小平。旧ソ連・中国と同様に社会主義国としての国づくりのなかで隣国の大国・中国の経済モデルを意識しながらも、北朝鮮ではトウ小平のような大胆な改革がいまだ現れていない・・・。 同じ社会主義国の経済改革でも、これほど異なるものか、これほど政策のサジ加減で明暗を分けるものなのか、ということがデータと歴史分析に基づいて克明に描かれている。北朝鮮経済入門書として明瞭な良書!!

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2009/10/04

 情報が少ない北朝鮮の「経済」の状態が、歴史的に明らかしにしてある。北朝鮮の政治性は明らかにしたものが多い中、経済について膨大な資料と研究(巻末の索引が、詳しい)の結果が本書である。その価値は高い。■著者の「政治的」主張は極力抑えられており、データブックとして、また、中国とソビエ...

 情報が少ない北朝鮮の「経済」の状態が、歴史的に明らかしにしてある。北朝鮮の政治性は明らかにしたものが多い中、経済について膨大な資料と研究(巻末の索引が、詳しい)の結果が本書である。その価値は高い。■著者の「政治的」主張は極力抑えられており、データブックとして、また、中国とソビエト、韓国の経済援助と関係が、建国時から述べられており、2000年代が如何に北朝鮮の経済が矛盾に満ちたものになっているかだけではなく、破綻に向かっているかが描かれているとも読める。  中国と旧ソビエト、韓国の経済援助がなかったら、今頃は経済的土台は崩壊していただろう。  90年代の中国の経済台頭から、中国を見習って経済特区の開設、農業では、生産責任制の導入、外資の導入、などをしているが、殆どが成果を上げていない。金正日以下の官僚が、官僚制に寄りかかり賄賂に満ちており、引っ込み思案で、大胆な改革が出来ない「国柄」なのだろうか。  ともあれ、本書によって、北朝鮮と主に中国、韓国の関係が、中国を中心に経済を媒介にした、「政治」戦略を、組み立てているとの推測を成り立たせる上に貴重ではある。■北は、02年7月1日経済政策として「経済管理改善政策措置」の開始を宣言した。実利主義の採用(投資に見合った生産をしているか)、価格・賃金の大幅引き上げ、配給制度の見直し、外貨兌換券の廃止とウォンの切り下げ、賃金の成果主義の導入、企業自主権の拡大を措置宣言に盛り込んだ。が、ウォンの切り下げは不十分で、150ウォンに治まってしまった(実勢では200から300に相当)こと価格の改定であって、価格の自由化ではないことから、市場原理を取り入れたわけではない。この措置案は、北が、如何にも市場化に、また、経済の自由化に臆病であることを物語ると同時に、経済復興は援助外交に頼らなければならない「構造」を示したものと判断できる。■なお、著者の今村弘子氏は、可能な限り北に対しては、ソフト・ランディングを望んでいる。

Posted byブクログ