この命、何をあくせく の商品レビュー
18年ぶりの再読。 他の文庫本に比べて、字が大きく行間も広めにとってあり、小さい文字が見にくい身にとって読みやすい。 題名は、島崎藤村の「千曲川旅情のうた」の一節だそうだ。 「テンポの速い人間が多くなり、社会のテンポが加速度的に速くなっている」ゆえに、この言葉をつぶやきたいと。 ...
18年ぶりの再読。 他の文庫本に比べて、字が大きく行間も広めにとってあり、小さい文字が見にくい身にとって読みやすい。 題名は、島崎藤村の「千曲川旅情のうた」の一節だそうだ。 「テンポの速い人間が多くなり、社会のテンポが加速度的に速くなっている」ゆえに、この言葉をつぶやきたいと。 まったく同感の思い。 戦争体験の著者が、「ガイドライン法、盗聴法、国旗国歌の法制化、一億総背番号制と、国民の自由を奪うおそれのある立法が立て続けに進められており(著者執筆当時)、悲惨な戦争に何を学んだのかと、悲しくなる」とも。 現在でなら、マイナ法や個人情報保護法などが該当し、著者の懸念は増すばかりだろう。 その他、身辺雑記や読んだ本などを淡々と綴られており、じっくりと腰を据えて味わいたい一冊。
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城山三郎の作品は、好きだった。 久しぶりに城山三郎の読んでみた。 晩年という雰囲気が漂うなかで、どう生きるのか? を 淡々と 書いているのが実にいい。 私の年齢に近いので、「何をあくせく」という言葉が沁みる。 「なるようにしかならない」 妻を亡くして、そのなんとも言えない悲しみが...
城山三郎の作品は、好きだった。 久しぶりに城山三郎の読んでみた。 晩年という雰囲気が漂うなかで、どう生きるのか? を 淡々と 書いているのが実にいい。 私の年齢に近いので、「何をあくせく」という言葉が沁みる。 「なるようにしかならない」 妻を亡くして、そのなんとも言えない悲しみが漂う。 残されたものとして、生きる意味が 半分亡くしているようだ。 しかし、どう晩年を生きるのか? 「野垂れ生きる」 「死に向かって傾斜していく過程」 と言いながら、自分の内面に向かって 何かかけがえのないものを 見つけようとする。 戦争という大きな体験の中で、 まさに生死を分ける運命みたいなものを 覚悟をしながら受け止める。 やはり、生きていることが 不条理なのだ。 城山三郎の 終活の息遣いが、聞こえるようである。 何をあくせく と。
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2014/04/09 エッセイ集。 気持ちを分かるにはまだはやいかな。もう少し年をとったら読み直そう。
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