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椿山課長の七日間 の商品レビュー

4.1

373件のお客様レビュー

  1. 5つ

    120

  2. 4つ

    152

  3. 3つ

    76

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2023/09/30

浅田次郎『椿山課長の七日間』朝日文庫 読了。突然の死に納得できず、美女の肉体で現世に舞い戻る、ファンタジックな物語。だが、家族の秘密で覆われていた惨い真実が顔を覗かせる。邪淫の罪を雪ぐ過程で明かされた真実もまたやるせない。逆送された三人の物語がひとつに重なる終盤。あざといが巧い。...

浅田次郎『椿山課長の七日間』朝日文庫 読了。突然の死に納得できず、美女の肉体で現世に舞い戻る、ファンタジックな物語。だが、家族の秘密で覆われていた惨い真実が顔を覗かせる。邪淫の罪を雪ぐ過程で明かされた真実もまたやるせない。逆送された三人の物語がひとつに重なる終盤。あざといが巧い。 2017/02/12

Posted byブクログ

2018/10/23

ふと気づくと、あなたは見知らぬ場所を歩いている。なぜ、ここにいるのだろう、まったく思い出せない。そのまま歩き続けると、おびただしい数の老人であふれかえるビルにたどり着く。そこで、あなたはあなたの人生が終わったことを知らされ、遣り残したことを清算するため、7日間の現世滞在が許される...

ふと気づくと、あなたは見知らぬ場所を歩いている。なぜ、ここにいるのだろう、まったく思い出せない。そのまま歩き続けると、おびただしい数の老人であふれかえるビルにたどり着く。そこで、あなたはあなたの人生が終わったことを知らされ、遣り残したことを清算するため、7日間の現世滞在が許される(現世滞在中は生きていたときとはまったく違った姿となる)。あなたは、この7日間をどのように過ごしますか? 本書は、主人公である椿山課長の、この7日間(実際には3日間)の物語である。 46歳の椿山は、呆けた父親、34歳の妻、7歳の息子を残し、突然、過労死した。その後、前述のビルで知り合ったヤクザ(拳銃で撃たれた)と、子供(交通事故死)とともに、7日間の現世滞在が許される。一家の大黒柱を失って路頭に迷うだろう家族や、遣り残した仕事の整理をつけるため、また、昔の女友達との関係を確かめるため、彼はこの7日を使う。これにより、「実は呆けてなかった父親」、「自分の部下と不倫していた妻」、「息子の父親は、妻の不倫相手」、「女友達は、椿山を今でも愛している」、「高卒ノンキャリがゆえ仕事に不満を持つ椿山は、実は会社ではだれからも愛される存在」などの自分を取り巻く事実が明らかになってゆく。知るべきでないことまで知ってしまった椿山。一方、残してきた子分たちの行く先と自分が殺された理由を追い求めるヤクザ。自分の出生の秘密を知り、最後に実の親へのお別れを言いたい子供。それぞれの人生がオーバーラップする。彼らの心中を思い、私の耳の奥で桑田圭介の「切ない胸に風が吹いていた」がこだました。涙なしでは読み進められない。出張帰りの新幹線の隣の席が珍しく空いていたことがありがたかった。 この複雑な人間模様は、椿山の父親により一本の糸に紡ぎ上げられ、なんとも爽快なエンディングを迎える。その時、ちょうど東京駅に着いた私の頭の中には、「千の風になって」が鳴り響いていた。

Posted byブクログ

2018/09/04

内容は所々曖昧。小学生の時にこれを読んで、どんな経緯か覚えてないけど校長先生に勧めた。朝登校する時に「あの本すごい面白いね」って言ってもらえたのがとっても嬉しかったのはよく覚えてる。

Posted byブクログ

2018/08/31

おじいちゃんは勝手にミッキーカーチスと思い込んで読んでいたので、映画は桂小金治、ドラマは津川雅彦が祖父役というのを見て、小説だけで留めておこうと思いました。泣いてしまいました。

Posted byブクログ

2018/08/24

仕事、子育て、家のローン、介護、いろんな重荷を背負った働き盛りの主人公がある日突然仕事中に倒れてそのままこの世を去る。うーん、他人事ではないな。

Posted byブクログ

2018/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

それぞれまだやることが残っているのに何も言わないまま亡くなり、何とか取り戻そうと天国に行く前に7日間だけ別人になってUターン。 言えなかったことを伝えたり、生きてるときは知らなかった恐ろしいことを知ったりと7日を一所懸命に生きます。 最後の主人公のお父さんが取った行動は勇気あるとは思いますが、上がってこれるのだろうかと心配になります。いつかは戻れるよね・・?ちょっとあまりにもお役所すぎて腹立たしいです。

Posted byブクログ

2018/06/09

こういう話が大好物です。 笑い8、涙2くらいの割合。 主人公の父親の言葉が、心に響きます。 映像化されたモノも観たくなりました。

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2018/06/08

小説 働き盛りの46歳で突然死した椿山和昭は、家族に別れを告げるために、美女の肉体を借りて七日間だけ“現世”に舞い戻った!親子の絆、捧げ尽くす無償の愛、人と人との縁など、「死後の世界」を涙と笑いで描く。

Posted byブクログ

2018/05/21

働き盛りである椿山課長が突然死する。 でもどうしても、思い残したことが多く、七日間だけ現世に戻る。 現世に戻るための相応の事情が認められた3人、椿山・やくざの男・小学生… この3人がそれぞれ現世で会いたい家族に会い… 「死」を扱っているのに、ユーモアに溢れ、コミカルに描かれている...

働き盛りである椿山課長が突然死する。 でもどうしても、思い残したことが多く、七日間だけ現世に戻る。 現世に戻るための相応の事情が認められた3人、椿山・やくざの男・小学生… この3人がそれぞれ現世で会いたい家族に会い… 「死」を扱っているのに、ユーモアに溢れ、コミカルに描かれている場面も多く、ぐいぐい引き込まれていく。 見たくない秘密を知り、気付かなかった相手の思いを知り、怒り、困惑、感謝…いろんな感情が溢れ… 涙なしでは読めません。 生きている間に家族を愛し、大切にしなければ。 と改めて思った。

Posted byブクログ

2018/03/11

タイトルと解説でありがちな話なんだろうなって思い込んで読み始めたけど面白かった。椿山課長だけじゃなくて3人のエピソードが色々絡み合って、生まれてきた事の意味だとか生きていく事の辛さとか心構えとか色々考えさせられたしもっと人生を大切に生きなきゃいけないと思った。 ただ椿山課長のお父...

タイトルと解説でありがちな話なんだろうなって思い込んで読み始めたけど面白かった。椿山課長だけじゃなくて3人のエピソードが色々絡み合って、生まれてきた事の意味だとか生きていく事の辛さとか心構えとか色々考えさせられたしもっと人生を大切に生きなきゃいけないと思った。 ただ椿山課長のお父さんは大変立派でそんな風に生きていけるなんて素晴らしいとは思ったけど、赤の他人を幸せにする為に一番身近な家族は私人だから後回しってちょっと違うんじゃないかと思った。 確かに自分を犠牲にして他人を幸せにするのは大変立派な事で尊敬できると思うけどその為の犠牲なんかあっちゃいけないと思う。そうしなければ他人を幸せ出来ないのなら家族なんか持たないで天涯孤独で一人で生きるべきなんじゃないかな? ちょっと意味は違うかもしれないけど自分の頭の上のハエも追い払えないのなら他人の面倒なんか見てる場合じゃないと思います。

Posted byブクログ