ウエハースの椅子 の商品レビュー
毎度せっかちな自分ですが、この人の本だけはゆっくり読みます。ゆっくり何回も読みます。読み終わるのが勿体無いといつも思います。
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表紙の絵がとても綺麗で好き。なんだか心が痛くって、でも人生とはそういうものだとも感じた。絶望は、ふとした瞬間にやってくるもの。
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江国さんの描く女性は、とっても大人なようで、とっても乙女。 不倫相手=ウエハースの椅子。なんかな。 このたとえがステキ。
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絵國さんの作品の中でも1,2を争うほど好きな作品です。主人公の後ろ向きさ加減というか、絵国さんワールドの雰囲気がよく活かされていると思う。
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隅から隅まできっちりとは読めなかった作品ですが、主人公が絶望という名の自分の良心(?)と語り合うっているシーンは全てにおいて好きです。しびれる。そして痛すぎる…。
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主人公の女性は幸せなようで、実は最も不幸な生活をしていると思います。 わかっているのに抜け出せない、そんな感情があふれている本です。 後半から話が展開するので、あまり本を読まない人は途中で飽きてしまうかも…。
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江國さんの本は、何度も何度も、ゆっくりと噛みほぐすように読み返していって、やっと作品と一体になれるというか・・・そういうものが多い、と思います。この本もその中のひとつ。解説で翻訳家の金原瑞人さんがおっしゃっているように、この「ウエハースの椅子」にはストーリーが・・・ない。絶えず動...
江國さんの本は、何度も何度も、ゆっくりと噛みほぐすように読み返していって、やっと作品と一体になれるというか・・・そういうものが多い、と思います。この本もその中のひとつ。解説で翻訳家の金原瑞人さんがおっしゃっているように、この「ウエハースの椅子」にはストーリーが・・・ない。絶えず動くアクション小説・推理小説なんてのからは一番離れたところにある。でも、それがいいんです。例えば自己紹介などするときに、「あなたの好きな食べ物は何?」と聞かれて咄嗟に頭に浮かぶもののように、何度も食べたい=読みたいと思わせる本。ストーリーよりむしろ、本当にちょっとした感情の揺れをひどく繊細に細かく描いていく。そんな江國さんの持ち味が遺憾なく発揮!されています。通学途中などに、これからももっともっと読み返したいなあ。とろりとして病み付きになるチョコレートのような小説でした。
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一切名前が出てこないということに気づかないような書き方ができるのは素晴らしいな、とおこがましく思う。話は緩やかな流れ。時間経過が酷くゆっくりな気になる。
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うん。 大人な恋愛だった。 しかも、話からはどーやら不倫くさい!! そーゆーのをさらっと書けちゃうのはすごいなぁ
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「でも、私は彼が、私の髪のちょうど三ミリ外側をなでているように感じる。」 「次の瞬間、ふいにそれが訪れる。それとは、恋人が帰る瞬間のことだ。」 「彼は私を愛している。私はそれを知っている。私は彼を愛している。彼はそれを知っている。私たちはそれ以上なにも望むことがない。終点。そ...
「でも、私は彼が、私の髪のちょうど三ミリ外側をなでているように感じる。」 「次の瞬間、ふいにそれが訪れる。それとは、恋人が帰る瞬間のことだ。」 「彼は私を愛している。私はそれを知っている。私は彼を愛している。彼はそれを知っている。私たちはそれ以上なにも望むことがない。終点。そこは荒野だ。」 「私と恋人の計画は完璧で、そこには何の問題もない。何の問題も。ただ、私にはその日が永遠にやってこないことがわかっている、という一点をのぞけば。」 「私は自分が架空の存在であるような、彼の空想の産物であるような気がする。」 「私は恋人のために絵をかいているわけではないが、恋人のために日々生きているから。私にとって、絵をかくことと生きることは似ている。だからつまり、恋人のために絵をかいているのだ。」 「みちたりた絶望のなかで。」 「信じきっていなければ、愛に意味などないことを知っていた。」 「『あなた、よっぽど絶望しているのね』 愛を込めて、私は言った。 『してる』 恋人の声も、ひどく愛にみちてやさしかった。」
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