空中ブランコ の商品レビュー
義父のヅラが良い
表題作、悩めるやくざの「ハリネズミ」も良いが、義父のヅラをとってしまいたい衝動にかられる症状の作品に深く感情移入した。作者の魅力が出た作品。
平塚 泰司
おもしろい!
破天荒な精神科医・伊良部が帰ってきた!今回の犠牲者(=患者)は5人。それぞれ深刻な(はずの)悩みを打ち明けるも、返ってくる言葉は……。これは、新感覚の癒しか!? 第131回「直木賞」受賞。
yama
登場人物の引き出しが多く、不自然さもないので、どの話も興味深く、かつ、さらっと読める。 ただ、実際に自分が患者の立場だったら、未だに何も解決されてないような気がする。深刻な自分だけの悩みから解放されるのは、実際はなかなか難しい。一方で、完全に完治・解決することができる、というのが...
登場人物の引き出しが多く、不自然さもないので、どの話も興味深く、かつ、さらっと読める。 ただ、実際に自分が患者の立場だったら、未だに何も解決されてないような気がする。深刻な自分だけの悩みから解放されるのは、実際はなかなか難しい。一方で、完全に完治・解決することができる、というのがそもそもの思い込みの間違いで、時に和らいだ気分の一日を過ごしたりしながら、肩の荷物を一時的に下ろせる場所を見つけたりしながら、良い方向に向かっているなんて自分に思い聞かせながら、騙し騙し、暮らしていくのが、実際の人生の処し方なのかもしれないとも思う。
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伊良部の武器は、人懐っこさだなぁ。そして鈍くさいけど意外に器用なとこもある。空中ブランコも楽しんでみたりして。義父のヅラでは実際にこちらもジリジリして、怖いもの見たさを味わった。伊良部は変な奴だけど肝が座ってて精神科医が天職なのかも!
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伊良部は実は何もしていない。相談に乗って、勝手にはしゃいで、周りの人は振り回されるだけ。 看護師もただのビタミン剤を注射するだけ。 全て患者が考え、行動し、悩み、気付く。 そして回復に向かうのも全部患者自身なのだ。 そういう、ことなのかもしれない、
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それぞれがいろんなことを抱えている。 伊良部総合病院で診てもらうと最後に、ふっと軽くなっている。 軽くなる理由ははっきり書かれない。けど、しんどい時って、誰かの一言が自分の中にすっと入ってきて、いつの間にかしんどさを忘れてることってある。そういうことなんだろうな。
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伊良部先生シリーズ第二弾。 やっぱり面白かったです! 5つの短編でそれぞれ読み終わる度に心がスカッとすっきりします。 第三弾も早く読みたいです!!
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子供の頃読んだのだが大人になって精神科に通うようになってからそういえば自分と似た症状の人の話があった気がすると思い読み返してみた。 義父のヅラという話がそうで症状が似てるんだけど読み返してみたけどあんまり自分の治療の参考にはならなかった。 私の場合はいやな言葉が頭に浮かんでそれを...
子供の頃読んだのだが大人になって精神科に通うようになってからそういえば自分と似た症状の人の話があった気がすると思い読み返してみた。 義父のヅラという話がそうで症状が似てるんだけど読み返してみたけどあんまり自分の治療の参考にはならなかった。 私の場合はいやな言葉が頭に浮かんでそれを大声で言いそうになって、口に出したくもない言葉なので困ってたんだけど、この登場人物の場合はやってみたいことが浮かんでて抑圧された欲求が原因みたいだったから私の場合とちょっと違うし。 物語としては全体的に読みやすくてよかった。 女流作家という話は最後ちょっと泣けた。
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