虚無への供物(下) の商品レビュー
もはや伝説ともなった…
もはや伝説ともなった名著が、手軽な文庫で読めるのが嬉しい。竹本健治や綾辻行人が好きな人にはお勧めです。
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上巻でゲンナリしたの…
上巻でゲンナリしたのですが、下巻になると文体に馴れたのか、だんだんと面白くなってきます。相変わらず無駄話の垂れ流し状態なのですが、ストーリーに動きが出てきて読むのを止められなくなります。事件の真相はずいぶん哲学的で冷静に考えればムチャクチャなのですが、私には結構衝撃的でした。この...
上巻でゲンナリしたのですが、下巻になると文体に馴れたのか、だんだんと面白くなってきます。相変わらず無駄話の垂れ流し状態なのですが、ストーリーに動きが出てきて読むのを止められなくなります。事件の真相はずいぶん哲学的で冷静に考えればムチャクチャなのですが、私には結構衝撃的でした。この作品ってミステリーじゃなくて、いわゆる「メタフィクション」なんだと思います。結局、これって傑作か駄作かどっちなんだろう?強いて言えば「怪作」かな?でも、フィクションを書くということがどういう事なのかを突き詰めて考えるとこういう小説
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氷沼家で薔薇と不動の…
氷沼家で薔薇と不動の符号の上に4つの密室殺人が起こる。それに対して4人の探偵が推理合戦を繰り広げる。アンチミステリというよりも探偵小説へのアンチテーゼ的作品。全てを悟った探偵が全ての事件が起こった後に出てきて謎を解くという行動はある意味真犯人である。このことを4人の素人探偵の推理...
氷沼家で薔薇と不動の符号の上に4つの密室殺人が起こる。それに対して4人の探偵が推理合戦を繰り広げる。アンチミステリというよりも探偵小説へのアンチテーゼ的作品。全てを悟った探偵が全ての事件が起こった後に出てきて謎を解くという行動はある意味真犯人である。このことを4人の素人探偵の推理合戦と4つの密室殺人によって見事に書き上げている。アンチミステリと言うだけあって、密室は機械的であるが、その殺人に対する符号ともいうべきものはすさまじい。
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キャラクターは意外と…
キャラクターは意外とライトノベル的でしたが、内容はなかなか理解しづらいです。
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トリックなどはあまり…
トリックなどはあまりに複雑で考える気力が湧きませんでした……。
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周りの人間の推理合戦がうるさい。 本筋と関係ない適当な推理がてんこ盛りで話がややこしい。と思ってイライラしていたけど、それ自体が作者が仕込んだテーマだった様です。 殺人事件という不幸な出来事をエンタメとして楽しむ周囲(読者含む)の不謹慎さ。 周囲の存在がミステリー作品を求めてま...
周りの人間の推理合戦がうるさい。 本筋と関係ない適当な推理がてんこ盛りで話がややこしい。と思ってイライラしていたけど、それ自体が作者が仕込んだテーマだった様です。 殺人事件という不幸な出来事をエンタメとして楽しむ周囲(読者含む)の不謹慎さ。 周囲の存在がミステリー作品を求めてまた架空の殺人事件が作られる!よく無い! って事らしい。 でもでもだってしょうがないよ!みんな人間関係の噂話が大好きで、殺人って人間関係の終極地点なんだから。そりゃ興味津々で聞きたくもなるよ。
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再読。ミステリーというジャンルが持つ不謹慎さをあえて押し出すことでアンチ・ミステリの極北となった小説。事件かどうかもわからない段階から探偵気取りが変死の謎を解こうとしたり、実際に何らかの事件が起きたら嬉々として推理合戦を繰り広げたり、ミステリー小説やミステリー作家の言葉を引用して...
再読。ミステリーというジャンルが持つ不謹慎さをあえて押し出すことでアンチ・ミステリの極北となった小説。事件かどうかもわからない段階から探偵気取りが変死の謎を解こうとしたり、実際に何らかの事件が起きたら嬉々として推理合戦を繰り広げたり、ミステリー小説やミステリー作家の言葉を引用して遊ぶように謎解きしてみたり、殺人事件をエンタメとして扱うミステリーというジャンルの不謹慎で不真面目で不用意な部分をあえて押し出すようにして話が進んでいく。 それらすべては真犯人が語るテーゼに繋がっており、都合の良いように事象を解釈し、勝手な意味づけを行い、あまつさえそれを楽しんでさえいる探偵、さらにはそれを物語として消費している読者をも巻き込み、その罪を告発する。 三代奇書の中では犯人像にしても探偵たちにしても割とマイルドで、文章も読みやすいのでとっつきやすい。途中の推理合戦は冗長に感じるけれど、ところどころにある爽やかで人情味を醸す場面は好き。ミステリーの教養と登場人物たちへの愛着次第で評価が上がりそうな気もするのだが、しかし飲み込みやすいぶんインパクトの弱さは否めない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
古典を読んでみようシリーーズ!! 題名とミステリの金字塔的な位置づけ?(違うかも)なのぐらいしか知らずに読んでみましたが、…こんな感じかぁ~という感想。 なんか耽美な感じ??最近でいうと古野まほろみたいな??? とりあえず脳内再生のアイちゃんは若いころの美輪明宏さんでした(笑)
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日本三大奇書という情報だけを知り、読み始めた作品だった。話の入りを読んでいき長編推理小説か!と話にのめり込んでいった。話が二転三転としていき一体どういうオチに繋がるのだろうと不安になるほどであった。最後まで読んでいくと話はきれいに纏められ、現実なのか夢なのかと思っていた分からなく...
日本三大奇書という情報だけを知り、読み始めた作品だった。話の入りを読んでいき長編推理小説か!と話にのめり込んでいった。話が二転三転としていき一体どういうオチに繋がるのだろうと不安になるほどであった。最後まで読んでいくと話はきれいに纏められ、現実なのか夢なのかと思っていた分からなくなっていた気持ちが急に現実へと引き戻された。終章で訴えられていたことは50年以上経った今、情報の拡散性が向上し、より受け取り手の解釈に左右されるようになっている。奇書って一体なんだろうと読み始めた一作だったが、改めて考えさせられる一冊になった。
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つまりはこの作品は、"「ミステリ読者がこうなるだろうな」と言う想定を予め意識してハズす"、それ自体をミステリ小説にしました。 と言うお話なんだろうな、と言う感想。 舞城王太郎の「煙か土か食い物」を読んだ時と似た読後感を持ちました(あっちはミステリを下書きに...
つまりはこの作品は、"「ミステリ読者がこうなるだろうな」と言う想定を予め意識してハズす"、それ自体をミステリ小説にしました。 と言うお話なんだろうな、と言う感想。 舞城王太郎の「煙か土か食い物」を読んだ時と似た読後感を持ちました(あっちはミステリを下書きに家族愛を、こっちはミステリを下書きにミステリ論を)。 さて、一般読者として読む価値は無くは無いけど、僕にとってミステリはお勉強の要素もありつつ、あくまで娯楽なのでこればかりをやられると時間の消耗になってしまうな、と言うのが偽らざる本音では有ります。 "ミステリ評論を自分でも書く作家の作品以外とつまらない説"を象徴するような作品。
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