心のパターン の商品レビュー
***** ひとたび習慣自体が蓄えられたパターンであるに違いないと悟ると,英語を話すいわゆる「習慣」というものは,英語のパターンを蓄えるということがその本質的な部分を成すということを,何の問題もなく認めることができるはずです。すなわち,私たちの英語の知識が一種の習慣であると主張...
***** ひとたび習慣自体が蓄えられたパターンであるに違いないと悟ると,英語を話すいわゆる「習慣」というものは,英語のパターンを蓄えるということがその本質的な部分を成すということを,何の問題もなく認めることができるはずです。すなわち,私たちの英語の知識が一種の習慣であると主張しても,私たちが頭の中に文法をもっている必要があるということを消し去ることはできません。(p.20) 素晴らしいとか,無意識であると言っただけでは,説明になりません。(p.33) 学習されるものは,環境からと同じ程度に,学習者内部からも生じます。(p.43) テレビを調整するという問題とテレビを作るという問題(あるいは,テレビがどのようにして作動するのかということを理解する問題)を比べてください。調整は子どもがしている作業のようなものであり,作るのは言語学者がしている作業のようなものです。隔たりがあっても当然です。(p.61)
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挫折。自分の興味と少しずれがあった。おそらく読み返さないだろう。 パート1 根本の論証 1 問題にたどり着く――生まれと育ちの論争 2 メンタル文法があるという論証 3 生得的知識があるという論証 パート2 メンタル文法の構成 4 概観 5 音韻構造 6 統語構造...
挫折。自分の興味と少しずれがあった。おそらく読み返さないだろう。 パート1 根本の論証 1 問題にたどり着く――生まれと育ちの論争 2 メンタル文法があるという論証 3 生得的知識があるという論証 パート2 メンタル文法の構成 4 概観 5 音韻構造 6 統語構造 7 アメリカ手話 パート3 言語に生物学的基盤があるという証拠 8 子どもはどのようにして言語を習得するか 9 普通でない状況での言語獲得1 10 普通でない状況での言語獲得2 11 言語と能 パート4 言語以外のメンタル能力 12 経験を構築するという論証 13 音楽と視覚 14 思考への窓としての言語 15 社会組織
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■私たちの心に浮かぶのは言葉でも画像でもない■ 全体的に「論証」の章が多い。自然と「普通はこう思うでしょうがそうじゃないんですよ」という記述になるため気難しいのは致し方ない。その点を許容して読めば、書いてあること自体は面白い。とくに言語の創出に関する記述が面白かった。 ほかに...
■私たちの心に浮かぶのは言葉でも画像でもない■ 全体的に「論証」の章が多い。自然と「普通はこう思うでしょうがそうじゃないんですよ」という記述になるため気難しいのは致し方ない。その点を許容して読めば、書いてあること自体は面白い。とくに言語の創出に関する記述が面白かった。 ほかには、A が「木」と言った時に B の頭に浮かぶのは「木」という言葉そのものでも「木」の画像でもない(だったかな)、というくだりは印象的だった。私自身は自分の事を視覚優位だと思っていて、人の会話を文字に直して頭の中で読んでいると思っているのだが、頭の中にあるのは文字でも画像でもないという話だったからだ。そうすると、「文字を読むということ」を何か抽象的な(本書によれば生得的な!)ものとして感じているということになる。 現在では様々な分野で「本能/文化/学習」と言ったような単純な分類はかなり相対化されてきている。本書はその中にある。人間の感覚も動物同様、生得的な基盤に基づいている、言語であっても同様だという現在進行系の議論。 パート I 根本の論証 1 問題にたどり着く──生まれと育ちの論争 2 メンタル文法があるという論証 3 生得的知識があるという論証 パート II メンタル文法の構成 4 概観(思考と音の変換装置としての言語, 機能主義, モジュラー性の仮説) 5 音韻構造(音韻構造は聴覚性パターンでも運動性パターンでもない, 音韻構造の心理的実在 対 物理的実在, 言語の内部の構造, 再び逆理, 聴覚信号には言語以外に何があるか) 6 統語構造(統語構造は音韻構造とは別物である, 統語構造は意味とは別物である, 統語構造は意味とは別物である, 統語パターンの例をいくつか, 再帰性と統語的移動, 長距離依存に課せられる制約, 統語構造における不変文法) 7 アメリカ手話 パート III 言語に生物学的基盤があるという証拠 8 子どもはどのようにして言語を習得するか(子どもは言う以上のことを知っている, ほか) 9 普通でない状況での言語獲得 I (言語獲得における遺伝的障害, 臨界期仮説, 言語に接触するのが遅れたさらに多くの事例, ほか) 10 普通でない状況での言語獲得 II (言語の創出─家庭内手振り, 言語の創出─クレオール言語を類人猿に教える, ほか) 11 言語と脳(脳の損傷に原因がある言語障害, ほか) パート IV 言語以外のメンタル能力 12 経験を構築するという論証 13 音楽と視覚 14 思考への窓としての言語(言語は統語構造でも視覚の像でもない, 空間の配置における図と地の構成, 思考の抽象的な領域における同じ構成, ほか) 15 社会組織(文化能力を言語能力と比べる, 社会理解のための脳の特化, 社会理解の基盤にある三つの概念, さらに帰属集団について) さらに読む人のために 訳者のあとがき
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生成文法の立場から言語を論じたもの。 一見大きく異なる各国語だが、無意識下にメンタル文法が存在すると主張されている。 そのメンタル文法はどのような言語でも共通である普遍文法に各国語のデータを加えることで完成する。 普遍文法は生得的で、言語の能力は他の脳の機能と兼用な能力ではなく、...
生成文法の立場から言語を論じたもの。 一見大きく異なる各国語だが、無意識下にメンタル文法が存在すると主張されている。 そのメンタル文法はどのような言語でも共通である普遍文法に各国語のデータを加えることで完成する。 普遍文法は生得的で、言語の能力は他の脳の機能と兼用な能力ではなく、 それ自体が独立した別個のモジュールであるとされている。 本書はそのことを様々なデータや実例を用いて実証したもの。
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