箱根の坂 新装版(中) の商品レビュー
武略家になりつつも、…
武略家になりつつも、庶民の生活を常に考える早雲の生き方に感銘!
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守護の没落や混乱で早…
守護の没落や混乱で早雲の活躍の場が用意されていく。戦国時代初期、日本の色んな所で同じ様なことが起こっていたのだろうなあ。
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2024/10/8読了(再読) 今川家での立場が危うくなった北川殿(千萱)と竜王丸(のちの今川氏親)を守るため、急拵えの家臣団――というより同志か――を従えて駿河に下向した早雲は、後見といいつつ竜王丸を亡き者にして駿河守護の座を狙う今川範満と、そのバックにいる関東管領上杉家を牽制...
2024/10/8読了(再読) 今川家での立場が危うくなった北川殿(千萱)と竜王丸(のちの今川氏親)を守るため、急拵えの家臣団――というより同志か――を従えて駿河に下向した早雲は、後見といいつつ竜王丸を亡き者にして駿河守護の座を狙う今川範満と、そのバックにいる関東管領上杉家を牽制しつつ、徐々に駿河の国人たちの心を摑んでいく。そして10年余の後、氏親を亡き者にしようと範満が動くや、逆に討ち果たして(戦火を国中に広げぬため、少数精鋭で大将首のみを狙う作戦が見事)氏親を駿府館に迎え入れる。そして、これで終わりにはせず、今後の脅威になるであろう関東の制圧を策す……後世に知られる〈戦国大名・北条早雲〉が生まれようとしている、という所で下巻へ。 とにかく、早雲は焦らない。50代、あの時代なら老齢でいつ死んでも……みたいな歳でも期が熟すのを待つ(下巻では、小田原入城後にもっと凄い事をするのだが)。政治も経営も、長期的展望を示せぬまま、短期間で”成果”を出すべく場当たり的に対応する、そんな現代こそ、この男に学ぶ事は多いのではあるまいか?
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本作品は昭和57年6月から翌58年12月まで『読売新聞』に連載された。司馬の歴史小説としては、最後期の作品になる。北条早雲の生涯は、特に前半生について良く分かっていないことが多く、諸説が認められるようだが、本作では当時の研究を反映させた"新説北条早雲"といった...
本作品は昭和57年6月から翌58年12月まで『読売新聞』に連載された。司馬の歴史小説としては、最後期の作品になる。北条早雲の生涯は、特に前半生について良く分かっていないことが多く、諸説が認められるようだが、本作では当時の研究を反映させた"新説北条早雲"といった趣がある。ただあとがきで作者が付記しているように、想像で補っている部分も多々あるし、史実を曲げない範囲で、独創的な解釈も試みている。史実を追うだけでは小説にならないから、そこに歴史作家としての力量が問われるのだろう。その点、本作はNHK大河ドラマの候補に挙げたいほどの面白さがある。 中巻からいよいよ早雲が駿河に下る。かの地で孤立する"妹"北川殿とその子、竜王丸の危急を救わんがためである。従者をひとりも持たない早雲は、かねてよりの盟友・田原郷の荒木兵庫と山中小次郎に駿河への下向の供を求める。のちに大道寺太郎、更に伊勢で勇士三人が加わった計六人と早雲は、伊勢で神水を酌み交わし、同士の誓いをする。三国志の桃園の誓いもさもありなん。いよいよ早雲の一代事業が始まる。
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未だ箱根にたどりつかず、舞台は駿府と丸子。 義忠の子どもはまだ幼く、遠縁の今川新五郎範満が駿府城に居座って実質的に駿河の支配者となっている。 彼の後見は関東公方の扇谷上杉家。 今川の嫡子であり、伊勢家の血を引く竜王丸を守るため、早雲は駿河に行く…のだが、これが11年間も守備一...
未だ箱根にたどりつかず、舞台は駿府と丸子。 義忠の子どもはまだ幼く、遠縁の今川新五郎範満が駿府城に居座って実質的に駿河の支配者となっている。 彼の後見は関東公方の扇谷上杉家。 今川の嫡子であり、伊勢家の血を引く竜王丸を守るため、早雲は駿河に行く…のだが、これが11年間も守備一辺倒なわけです。 竜王丸の命が奪われないよう、丸子の館に住まわせ警護する。 自分は江戸や鎌倉からの兵を駿河に入れないよう沼津の城に住み、関東各地の情報収集に余念がない。 生まれの良さだけで土地を治めることができない世の中になりつつある。 早雲はそれを見極め、急速に力をつけ始めた国人、地侍、そして農民を大切にするように竜王丸を教育する。 のはいいけれど、やはり対外的にはもっとパフォーマンスを見せた方がよいのではないかとじりじりする。 この時代の礼法を仕切る名家、今川家と伊勢家の血を引いた子なのだから、いくら弱体化しているとはいえ、正統性を強く訴えたら天皇のお墨付きくらいはもらえたのではないだろうか。 ましてやその後、早雲は小笠原家の娘を妻にするのである。 この三家が後ろ盾になれば、結構勝ち目はあったと思うんだけどなあ。 史実だからしょうがないか。 早雲の弓で敵の大将を斃し、無事竜王丸が守護として立つところでこの巻は了。 箱根は遠いなあ。 というか、今のところ早雲は竜王丸改め氏親を立てることに腐心して、自分が前面に出ることが考えていない。 でも後北条家はその後今川家と並ぶ戦国大名になるんだよね。 どこでどう道が分かれたのか。それとも繋がったままだったのか。 次が気になる。気になる。 この巻で気に入っているのは、太田道灌と早雲の交流。 互いを認め合いながら、敵味方でいる。 敵味方なのに礼を尽くして清廉な付き合いをしていた二人だが、私心のない道灌の器の大きさを恐れた主家が道灌を弑する。 正直なだけでは生き残れないのだよね。 そう意味で早雲はしたたか。
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室町末期、応仁の乱から戦国時代に至るまでの雰囲気を北条早雲=伊勢新九郎という稀なる人物を通して眺めることができた。
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あれよあれよと言う間に50代後半。まだ、甥っ子を守護にしたとこまで。ここからどうやって関東の覇者に駆け上がるのか。楽しみ。
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20150827 展開がゆっくりなので少し読み疲れてしまった。この先が本来知りたかったところなので少し疲れをとってから読む事にする。
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中巻はどこからどこまでだったか忘れた。 伊豆に領土を持った早雲は善政を施した。 そして足利茶々丸を倒し伊豆を支配。 このとき戦国時代が幕を開けたといっていい。
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早雲の妹・千萱は今川義忠に嫁ぎ、氏親をもうけた。 その嫡子・氏親は幼少であったので、 義忠の従兄弟である今川新五郎が実権を握り対立した。 中巻ではその今川新五郎が斃される。
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