箱根の坂 新装版(下) の商品レビュー
数々のエリアを傘下に…
数々のエリアを傘下にしていく早雲だが、私利私欲に全く走らない生き方に、現代を生きるヒントを貰った。
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どちらかと言えば公家…
どちらかと言えば公家的な素養で、武士のような猛々しいところのない早雲が関東制覇を目指す。
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箱根を超えて、小田原を切り取った 伊勢宗瑞(北条早雲)を主人公とした物語。 戦国時代の幕開けを告げた、遅咲きの人物。 「民を苦しめず、国を豊かにする」政治をした。 力でねじ伏せるのではなく、仕組みや制度を整えることで民からの信頼を得た。結果、関東を100年支配する後北条氏の礎を...
箱根を超えて、小田原を切り取った 伊勢宗瑞(北条早雲)を主人公とした物語。 戦国時代の幕開けを告げた、遅咲きの人物。 「民を苦しめず、国を豊かにする」政治をした。 力でねじ伏せるのではなく、仕組みや制度を整えることで民からの信頼を得た。結果、関東を100年支配する後北条氏の礎を築いた。 ・下剋上の先駆け 実力があれば、身分が低くてもトップになれる!という下剋上を最初に実行した。いまの静岡県や神奈川県を自分の力で手に入れた。 ・おじいちゃんになってから大活躍! 歴史の表舞台に立って暴れだしたのは、56歳ごろからと言われてる(諸説あり)。亡くなったのは、88歳ごろ。長生きして、バリバリ働いていた。 ・民(たみ)に優しい仕組みをつくった 税金を安くした:四公六民。とれたお米の4割を税金、残りの6割を自分の取り分にしていいよ、という仕組みを広めた。 早雲寺殿二十一箇条:「朝は早く起きなさい」、「嘘をついてはいけない」といった、人として大切なルールをまとめた。 「検地」による正確な把握:土地の広さを正確に測ることで不公平な課税を防いだ。
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・時代が必要とした人物 ・受動的 革命家 ・聖(ひじり) が早雲に対する印象である。 出自が不明であり、司馬遼太郎の空想も含まれるが、神格的印象が強い。 社会制度が形骸化した時代だからこそ、早雲のような人材を歴史が求めたと言える。 武家貴族が衰退し、足利家を含め上級武家が私闘に明...
・時代が必要とした人物 ・受動的 革命家 ・聖(ひじり) が早雲に対する印象である。 出自が不明であり、司馬遼太郎の空想も含まれるが、神格的印象が強い。 社会制度が形骸化した時代だからこそ、早雲のような人材を歴史が求めたと言える。 武家貴族が衰退し、足利家を含め上級武家が私闘に明け暮れる中、生産能力の向上により力を持った農民階級が現場を熟知した衆導者を求めた理想像に早雲があると感じた。 滅私の傾向が非常に顕著な人物。 時代が100年早ければ、おそらく馬の鞍作りとして生涯を終えていたと思われる。 ・(敵に対して)村を焼き払うな。こちらも焼かぬ。 ・(関東管領 扇谷上杉に対して)早雲は憤りもせず、かといって自分の功を取り立てて言うつもりもなかった。 なんて言動が好きだ。 これからの自分の行動の道標としたい。
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室町時代後期に登場し、戦国時代の火蓋を切った伊勢新九郎、のちの北条早雲の物語。 北条早雲と言われれば、なんとなく戦国時代の印象だったのですが、本書では室町時代の社会構造(幕府の仕組みや実態、仏教その他いろいろ)を詳しく解説しており、なかなか馴染みのない室町の時代背景をよく学ぶこと...
室町時代後期に登場し、戦国時代の火蓋を切った伊勢新九郎、のちの北条早雲の物語。 北条早雲と言われれば、なんとなく戦国時代の印象だったのですが、本書では室町時代の社会構造(幕府の仕組みや実態、仏教その他いろいろ)を詳しく解説しており、なかなか馴染みのない室町の時代背景をよく学ぶことができました。戦国時代につながる混沌期。お上は自分のことしか考えず権力闘争に明け暮れる日々。ところが、支配されていた農民は農耕技術の発達に乗じて力を蓄えつつあり、お上に対する不満が蓄積するばかり。そんな情勢のなか、ひょんなことから一城の主人となった早雲は、関東への進出を果たしていく。 物語性の強い小説ではなく、先述の通り、説明口調も多いところはありましたが、それでも室町時代を新鮮に楽しむことができた作品でした。聞いたことのある太田道灌とか日野富子なども登場して少し知識が深まりました。
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変化の渦中にいる人間には、問題の本質は見えないもの。早雲がもし現代を生きていたら何を問題と捉えるだろうか。 悪い領主を追い出して善政をしく、なんて日本史じゃないみたい。中国の古典とか、ヨーロッパみたい。日本にもこんな人いたんですねえ。知らなかった。 でも、今は個人が社会全体に...
変化の渦中にいる人間には、問題の本質は見えないもの。早雲がもし現代を生きていたら何を問題と捉えるだろうか。 悪い領主を追い出して善政をしく、なんて日本史じゃないみたい。中国の古典とか、ヨーロッパみたい。日本にもこんな人いたんですねえ。知らなかった。 でも、今は個人が社会全体に影響を与える時代ではないよなあ、とも思う。優秀な人材は、不満があれば国外逃亡できるし。 19世紀ユートピア思想に少しだけ毒された現代人には、ここではないどこかに楽園があるという夢を捨てきれない。 ソフトスキルで生きる人間ほど、どこにもいけないという閉塞感に苦しんでいるのかも。 ハード派の人たちこそ、のびのび生きていこう。なんて思いました。 前の巻の感想で、農耕民族と侵略戦争は切り離せない、と書いたらまさにそんな展開になって、これは平和教育のための良い教材になりそう。 重税に苦しむ民衆を救うため。 土地を増やしてみんなで豊かに生きるため。 でも、もしこれが現代だとして、戦争はいけないという観点からどんな解決方法があるか考える。 私にも答えは出せないけれど、残虐な資料を見せるだけの平和教育よりずっと意味があると思う。気持ち悪くて昔から苦手なのです。 あと、仏教の種類分けが少しわかってきた。天台宗、真言宗は貴族のもの。臨済宗は武士、曹洞宗は民衆。浄土真宗も民衆。
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早雲が小田原の大森氏を追い、三浦氏を滅ぼすまで17年も待っている。81歳でも戦っているところが、怪人ではないかと思う。生涯ほとんど負けていないが、とても慎重だからだと思う。『孟子』への言及が多くて、たしかに早雲には影響を与えているのかもしれないなと思った。早雲によって、領域国家とか、城下町ができて、ここから生活規範ができて、ビジネスというものが成り立っていったという指摘が興味深いと思った。
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2024/10/13読了(再読) 遂に、箱根を越えて小田原城を奪取。後世に秀吉も正面突破を避けた〈総構え〉をすぐ完成させ、攻めてきた三浦氏とは直接対決を避け、引き籠もってやり過ごすという事を繰り返して17年。攻めてきたけど、どうせ出て来ないし……と敵が弛みに弛んで、弛みきった時に...
2024/10/13読了(再読) 遂に、箱根を越えて小田原城を奪取。後世に秀吉も正面突破を避けた〈総構え〉をすぐ完成させ、攻めてきた三浦氏とは直接対決を避け、引き籠もってやり過ごすという事を繰り返して17年。攻めてきたけど、どうせ出て来ないし……と敵が弛みに弛んで、弛みきった時に、一気に打って出て本城まで陥としてしまう、というエピソードが大好き。 40代で駿河に下向、50代で今川範満を討って、氏親を駿府館に入れ、自身は駿東の興国寺城で関東を牽制。64歳で小田原を奪取。更に17年をかけて敵対する三浦氏を駆逐し……と88歳の生涯をほぼ現役で通した早雲。何より、“民、百姓の為の治世”を貫いているのが良い。結局の所、私利私欲の私闘を繰り広げていた『乱都』の登場人物達とは、そこが決定的に違う。 ところで……早雲の小田原攻めで、大森藤頼に急を知らせ、早雲勢を迎え討って討死にした成田某は、和田竜『のぼうの城』の成田長親のご先祖様ですかね?
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日本の戦国時代、そのスタートを切った北条早雲の戦国大名になるまでがついに描かれます。京都から始まったこの物語は、序盤が長過ぎるように感じますが、時代の先駆者である早雲を鮮やかに描き出すために必要であったことがわかります。早雲とともに旅をしてきた長い物語は、ついに箱根の坂を超えます...
日本の戦国時代、そのスタートを切った北条早雲の戦国大名になるまでがついに描かれます。京都から始まったこの物語は、序盤が長過ぎるように感じますが、時代の先駆者である早雲を鮮やかに描き出すために必要であったことがわかります。早雲とともに旅をしてきた長い物語は、ついに箱根の坂を超えます。当時、駿河、伊豆までが京都の力の及ぶところであり、箱根の坂を超えた関東は別の領域であったと司馬遼太郎先生は記載します。とても良い読書体験となりました。
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義という論理は、仁のように人の自然の情の中に含有されておらず、人にとって外に存在している。義の字義には、道理。すじみちという意味もあれば、同時に「外から仮りたもの」という意味もふくむ。善きものである仁や悪しきものである利とはちがい、義は人が、いわば私情を殺して意志力で外からひきよせ、行動目標もしくは、ばねとするもので、義をおこなうのは情としてはつらく、しばしばわが身を危くもする。しかしながら、義がなければ国家にも個人にも美しさがない、と氏綱はいう。さらに、美しさがなくて繁栄をえたところで仕方がないものだ、と氏綱は痛烈にいうのである。孟子は、利をきそいあう戦国の諸侯たちに仁・義を説きまわってついに容れられることがなかった。書生論であるとも思われた。が、氏綱は、この置文という家憲により、本気で息子に義を相続させようとしているのである。
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