復刊ドットコム奮戦記 の商品レビュー
数々の絶版本をよみがえらせてきた実績を元に、本への愛情や出版文化に対する誇りが文章からにじみ出ている。 消えていく本を再び市場へ流通させようとすることは、私たちが考えている以上に複雑で難しいことなんだと思う。構造が化石化し収益が多く見込めない業界の中、1冊の本を大切に扱う著者の姿...
数々の絶版本をよみがえらせてきた実績を元に、本への愛情や出版文化に対する誇りが文章からにじみ出ている。 消えていく本を再び市場へ流通させようとすることは、私たちが考えている以上に複雑で難しいことなんだと思う。構造が化石化し収益が多く見込めない業界の中、1冊の本を大切に扱う著者の姿勢には感心させられる。 本書の中で取り上げられている事例でもかなりマニアックな本が多く登場し、根強いコアなファン層の存在に驚かされる。 誰でも知っている漫画家から、現代消費社会の速さにより忘れられつつある作家まで、後世に残すべき作品を守り続けたいという心意気には共感せざるを得ない。あの時に読んだ本(読みたかった本)が、今では手に入らないなんて哀しすぎる。 文化財としての性質を失いつつある本に息吹を与えようとする試みは素晴らしい。 ただ、この事業がベンチャー的かと問われたら、果たしてそうなのか。 復刊ドットコムを運営するブッキング自体が大手出版社の出資により設立された会社であり、著者である左田野氏も大手取次の日販から出向した身。 本書の中でも盛んに「リスクを背負ってでもこの事業に邁進したい」的なアツい思いが語れているが、あくまでも内輪の話であって、これまでの延長線上での展開にしか過ぎないような気がする(バックに日販のような大きなサポートがあったからやってこれたと氏自身が語ってもいる)。 情熱は感じられる。ただ、それだけのような感覚も受ける。 長く業界の中枢にいるだけに、もう少し突っ込んだ提言をして欲しかった。
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だめだこれは! 掲載された本、どれも欲しくなってしまって・・・だめだこれは! こんな商売やっててくれて、本当にありがとう! と言いたくなります。 言わずに、本を買っちゃうのです。 この本の書き手がどうこう、じゃなくて。 本や漫画、アニメ、映画、音楽・・・。 「そういえば、コレ...
だめだこれは! 掲載された本、どれも欲しくなってしまって・・・だめだこれは! こんな商売やっててくれて、本当にありがとう! と言いたくなります。 言わずに、本を買っちゃうのです。 この本の書き手がどうこう、じゃなくて。 本や漫画、アニメ、映画、音楽・・・。 「そういえば、コレもあったな。アレも懐かしいな・・・」と。 日本に生まれてよかった、と、ちょっと大袈裟に思ってしまう1冊です。
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絶版になっているけど、また読みたい——。 人びとのそんな欲求に応えるべく設立された「復刊ドットコム」。 どういう仕組みでやってるのか謎だったけれど、なるほど、書籍取次大手の日販が親会社だったのね。 にしても、取次とはまったく勝手が違う「復刊」という事業。絶版になるからにはそれなり...
絶版になっているけど、また読みたい——。 人びとのそんな欲求に応えるべく設立された「復刊ドットコム」。 どういう仕組みでやってるのか謎だったけれど、なるほど、書籍取次大手の日販が親会社だったのね。 にしても、取次とはまったく勝手が違う「復刊」という事業。絶版になるからにはそれなりの事情があるわけで・・・。 それでも読者のためにと奔走する社員さんは、ほとんどボランティアみたいなもの。奮闘記を読む限り、その原動力は「熱意」のみ。もっと言えば「執念」。 出版界の抱えるいろいろな問題も見つつ、新しい(2005年時点なので、今はさらに事情が変わっているはず!)ビジネスモデルを興味深く、気持ちは左田野専務と併走しながら(?)見させてもらった。
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まさに奮戦記。一から十まで奮闘奮闘。 復刊ドットコムを初めて知った当時、投票のラジオボタンが並んでるだけの、そっけないwebサイトだった記憶があります。今や立派な会社に成長していますが、そこにたどり着くまで失敗を繰り返しつつ、足で稼ぎ、アイデアを振り絞り、頭を下げて歩き、と熱病...
まさに奮戦記。一から十まで奮闘奮闘。 復刊ドットコムを初めて知った当時、投票のラジオボタンが並んでるだけの、そっけないwebサイトだった記憶があります。今や立派な会社に成長していますが、そこにたどり着くまで失敗を繰り返しつつ、足で稼ぎ、アイデアを振り絞り、頭を下げて歩き、と熱病のような情熱でがむしゃらに進んできた彼らの様子が垣間見える一冊です。 こんな情熱で仕事をしている会社、潰したらいかん。 復刊はここで買おう。
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なるほどー。こういう仕組みになってたのか。 存在は知ってたけど、具体的にどうなってるのか知らなかった、復刊ドットコム。 読者のニーズ第一に復刊希望を募るとこんな本が…というの、面白かった。 「読者の読みたい本を復刊する」ということを徹底していて、粘り強い交渉を続ける態度は本当に...
なるほどー。こういう仕組みになってたのか。 存在は知ってたけど、具体的にどうなってるのか知らなかった、復刊ドットコム。 読者のニーズ第一に復刊希望を募るとこんな本が…というの、面白かった。 「読者の読みたい本を復刊する」ということを徹底していて、粘り強い交渉を続ける態度は本当にすごい。 「売れるものだけ作る」という態度にはきっと批判もあると思うけど、利用者(読者)のニーズに応えずにメーカ(出版社)の考えだけで出版してても売れないだろうと思うし。バランスが難しいところではあるけれど。 また、著作権の問題はここにもかなり影響してくる。 この本の出版が2005年。この時点で電子書籍にも触れられていて、取次と書店はかなり厳しいようなことが書いてあるが、さてどうなっていくのか…。
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ブックガイドにもなる、とか自分で言っている時点で、ああ方向性を間違えている本なんだと気づくべきだった。具体例出せなくてももっとそのビジネス自体の部分を書いて欲しかったのに。2007.1.22
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この本がサブカルの棚にあることに違和感を覚え、でもどうしようもなくて購入。でもまた補充されて棚に戻ってた。表紙はとことん気に食わない。中身は本当に勉強になった。復刊された本はここから買ってやらなきゃ!と思った。「なぜ、オンデマンド出版は儲からなかったのか?」
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分類=復刊ドットコム。05年7月。リクエスト投票に基づき、絶版本の復刊を出版社に働きかける。(参考)復刊ドットコム→http://www.fukkan.com/
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