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ハイゼンベルクの顕微鏡 の商品レビュー

4.2

7件のお客様レビュー

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2022/03/18

多くの物理学者が間違えていたハイゼンベルクの顕微鏡の思考実験の意味。それはハイゼンベルクの不確定性関係とは別のことだった。その不確定性関係は波動現象一般の性質だった。その誤解の歴史を説明してくれて、両者を統合した不等式に至った経緯を教えてくれる。

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2022/09/10

初期の不確定性原理が完全でなかったが故に、現代に至るまで学者たちの論戦が続いてきた、その歴史がわかりやすく解説されている。しかし各所に数式が織り込まれており、この数式の意味がわからないとこの本を完全に理解したとは言えないのだろう。残念ながら私には理解できなかった。 不確定性原理の...

初期の不確定性原理が完全でなかったが故に、現代に至るまで学者たちの論戦が続いてきた、その歴史がわかりやすく解説されている。しかし各所に数式が織り込まれており、この数式の意味がわからないとこの本を完全に理解したとは言えないのだろう。残念ながら私には理解できなかった。 不確定性原理のエッセンスを理解したいだけなら、少し古くても「不確定性原理―運命への挑戦 (ブルーバックス)」の方がわかりやすい。

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2014/11/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 「小澤の不等式」がハイゼンベルクを乗り超える! 不確定性原理の不思議な世界への招待。 [ 目次 ] 第1章 不確定性原理とは何か 第2章 不確定性原理はどのようにして発見されたか 第3章 物理学会との対決―コペンハーゲン解釈の成立 第4章 再開された論争―アインシュタインの再批判 第5章 原子核物理学の発展とハイゼンベルク 第6章 コペンハーゲン解釈への挑戦 第7章 不確定性原理は破れているのか―重力波測定の限界をめぐって 第8章 書き直された不確定性原理―ハイゼンベルクから小澤へ [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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2013/06/27

2013年上半期の僕が読んだ中では第1位(出版は2005年)。 ハイゼンベルクは「量子的な領域においては位置と運動量は同時に規定できない」という不等式を提唱し、それが広く認められていたが、2003年に小澤正直教授によってその不等式の修正が提唱され、昨年の2012年にそれが実験的...

2013年上半期の僕が読んだ中では第1位(出版は2005年)。 ハイゼンベルクは「量子的な領域においては位置と運動量は同時に規定できない」という不等式を提唱し、それが広く認められていたが、2003年に小澤正直教授によってその不等式の修正が提唱され、昨年の2012年にそれが実験的に裏付けられた。 この本は、量子力学の創成期、ハイゼンベルクの不等式が確立する経過、そして小沢教授がその修正を提唱するまでが書いてある。 実は小沢教授の話はちょっとしか書いていない。 それでも、そこまでの課程が非常に丁寧に描かれていて、僕としては好感を持った。 この本を読んで何より思ったこと。 「アインシュタインてやっぱり凄いんだなぁ」 ランダウという有名な物理学者がいて…物理学者としてだけではなくて、辛辣な批判屋として…彼が言うには、アインシュタインは0.5流なんだそうだ。二流…じゃなくて、その上の一流…でもなくて、その上の0.5流。しかも、それぞれの数値の開きは対数関数的なんだとか。(ちなみに、他のランダウが言う一流はボーア、ディラック、ファインマン) 閑話休題。 アインシュタインと量子力学といえば、最後まで量子力学に抵抗し、最後の捨て台詞として「神様はサイコロを振らない」とつぶやいてとぼとぼと退場して行った、というイメージがあったのだけれど、そんなイメージをこの本は払拭してくれました。 アインシュタインも、量子力学の確立に貢献した一人である。 それは、アインシュタインが批判的な立場から量子力学における問題点を提起し、それに対する回答を量子力学を支持する人が必死になって考える、ということを繰り返して、どんどんブラッシュアップされていく、という意味においてです。 その中で、アインシュタイン(とその他2名)が提起した量子力学の問題点の一つが、最近まで解決されずにいた「EPRのパラドックス」であり、小沢教授の提唱する不等式により、矛盾が解消された、という話。 是非御一読を。

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2012/06/11

「小澤の不等式」が実験的に証明されたニュースはとても嬉しかったけれど、恥ずかしいことにその中身についていまいち知らなかったのでこちらを読んでみた。 小澤の不等式が生まれてくるまでの歴史的経緯は臨場感迫るものがあったし、歴史上の偉大な物理学者の人間味あふれるエピソードも満載で、量...

「小澤の不等式」が実験的に証明されたニュースはとても嬉しかったけれど、恥ずかしいことにその中身についていまいち知らなかったのでこちらを読んでみた。 小澤の不等式が生まれてくるまでの歴史的経緯は臨場感迫るものがあったし、歴史上の偉大な物理学者の人間味あふれるエピソードも満載で、量子力学の礎を築いた不確定性原理をめぐるさまざまな顛末はとてもエキサイティングなものだ。 ハイゼンベルクの不等式が不十分だったのは、測定のプロセスとは無関係に定義できる標準偏差σと、測定の際に生じる誤差εおよび撹乱ηを明確に区別せずになんとなく同一視してきたことに起因する。量子力学の標準的なテキストでは、不等式を異なる思考実験から求めるが、両者は似て非なるものだったわけだ。それが、初めて学ぶ学生が感じる疑問でもあった。

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2012/04/19

量子理論の根幹であるは「不確定性原理」、即ち量子の位置とエネルギー量は同時に計測することは不可能であるとする原理とそれを表現するハイゼンベルグの不等式について、日本の物理学者が提起する修正が世界の物理学界で受け入れられつつある、とのニュースが先日出たので購入した本。奥付けも何も見...

量子理論の根幹であるは「不確定性原理」、即ち量子の位置とエネルギー量は同時に計測することは不可能であるとする原理とそれを表現するハイゼンベルグの不等式について、日本の物理学者が提起する修正が世界の物理学界で受け入れられつつある、とのニュースが先日出たので購入した本。奥付けも何も見ずに、勝手に最近のものだとばかり思っていたら、実は2006年が初版で全然新しくは無かった。 不確定性原理・量子理論は半導体の設計などで実用化技術に応用され久しいとは言え、それを正確に理解している物理学者も少ないと言えば、量子理論の難解さは説明ができるし、素人が読んで理解できなくともちっとも恥ずかしくはない。 著者はジャーナリストでありながら不確定性原理が生まれる歴史そしてその後の論争等を素人向けに易しく解きほぐしてくれている。勿論、「神はサイコロを振らない」とするアインシュタインらの反論とその不確定性原理に挑戦する「純粋思考実験」なども数式を交えて説明しているが、そこらは読み飛ばしても全体の流れさえ追えれば問題は無い構成だ。 さてその日本人科学者・小澤教授については最後の章を割いて詳細に説明している。小澤が提唱するのは不確定性原理のハイゼンベルグの不等式では「位置とエネルギー量」と「測定に関する誤差」が混同されているので、それ修正式の中で個別に計算できるようにしようというものだと云う。現在では不可能だが将来、例えばものすごく小さいエネルギーである重力波測定が出来るほど測定精度が上がった時にこの小澤の修正不等式を実験により証明可能だという。 そして驚くことに小澤は実は物理学者ではなく元々は工学専門だったというのだ。いわば門外漢である一人の日本人学者が物理学の根幹とされる原理に修正を加えるということはもっと知られても良いのではないかと思う。 と、云う事で深い理解は別として少なくとも素人に多少なりとも「判ったような気分」にさせてくれる良い入門書である。

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2012/04/09

久しぶりに大学で専攻していた物理の本を読んだが、やはり性に合って いるのかとても楽しく読むことができた。 二重スリットで干渉パターンが消える実験の結果を読んだときには、 本当に鳥肌が立った。 あたかもEPR状態にある2つの光子がお互いに意思を持っていて 自身の状況を連絡しあって...

久しぶりに大学で専攻していた物理の本を読んだが、やはり性に合って いるのかとても楽しく読むことができた。 二重スリットで干渉パターンが消える実験の結果を読んだときには、 本当に鳥肌が立った。 あたかもEPR状態にある2つの光子がお互いに意思を持っていて 自身の状況を連絡しあっているかのようだ。 しかも、思考実験として理論から予測していたのだから、人間の思考の 深さをつくづく思い知らされた。

Posted byブクログ