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社会保障を問いなおす の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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負担ばかりが高くなり…

負担ばかりが高くなり、その分の保障はきちんとされるのかという問題がこれからもっと深刻になるだろう。

文庫OFF

2014/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] かつてのような右肩上がりの成長が見込めない現在、もはや、旧来のままでは立ち行かなくなった社会保障制度。 その中で、なんとかみなが「納得できる」制度を作るにはどうしたらいいのか。 年金・医療・子育て、と従来バラバラに論じられがちの諸論点を、「身の丈」「安心感のある」「公平性」「わかりやすさ」という四つのポイントで、一貫した観点からまとめて考え直し、錯綜した問題の整理と、将来へ向けての具体的な処方箋を提示する。 [ 目次 ] 序章 全体の見取り図―なにが、どう問題なのか 第1章 公的年金制度―不公平感払拭のために(そもそも年金制度とは?;二〇〇四年制度改革 ほか) 第2章 医療・介護保険制度―平等優先制度の限界(医療保険制度;介護保険制度) 第3章 子育て支援策―思い切った規模拡大を(進む少子化;少子化対策の変遷 ほか) 終章 「納得できる将来」のために [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted byブクログ

2014/03/30

 ・年金は、全額消費税を財源として、どんな人でも原則1人7万円。ただし1人暮らしの人は9万円とする。  ・中学就学前の子ども1人につき年間100万円を支給する。 ・混合診療を解禁し、医療の世界にも競争と効率化を推進する。  って、どうよ? わかりやすくって、誰にも公平で、予算的...

 ・年金は、全額消費税を財源として、どんな人でも原則1人7万円。ただし1人暮らしの人は9万円とする。  ・中学就学前の子ども1人につき年間100万円を支給する。 ・混合診療を解禁し、医療の世界にも競争と効率化を推進する。  って、どうよ? わかりやすくって、誰にも公平で、予算的にも無理とは言わないんじゃねーの、というのが本書の結論。賛成? 反対? まぁ、いろいろ思うところはあると思うが、「身の丈」「安心感」「公平性」「わかりやすさ」の4つを基準にするという著者の「考え方」は納得できるかんじ。(実際100万円が妥当かはゴニョゴニョ……)  年金も、少子化対策も、医療も……制度の見直しはされているけれど、なんだか複雑すぎて……。バラバラにやるといっそ面倒だから、まとめて考えようよ、という本書のポジションは、読み手にもやさしい。  「納得できる将来」は、果たして描けるのか? 本書の提案をそのまんま実行するのは、かなりの大手術が必要だが、考え方そのものはワルクナイと思う。現況の整理もわかりやすいし、記述も平易。提案全体の見取り図も明快で親切。年金、医療、少子化対策のうちでは、医療がすこし物足りない印象なのが残念。  とはいえ、全体としては社会保障制度の入門書にとどまらず、そこから一歩進んだ考察を読めることで、読者を引きつけることに成功しているといえるだろう。見通しのいい俯瞰図を与えてくれる「よくまとまった」以上の新書。

Posted byブクログ

2010/06/12

・少子化対策については、他国と比べてもいちじるしく見劣りがし、それが少子化の進行に歯止めがかからない一因となっていることから、従来の枠を超えて資源を投入するべきである。 ・民は乏しきを憂うのではなく、等しからざるを憂うのである。損得が生じにくい、お互いが疑心暗鬼になる必要のない制...

・少子化対策については、他国と比べてもいちじるしく見劣りがし、それが少子化の進行に歯止めがかからない一因となっていることから、従来の枠を超えて資源を投入するべきである。 ・民は乏しきを憂うのではなく、等しからざるを憂うのである。損得が生じにくい、お互いが疑心暗鬼になる必要のない制度としていくことも不可欠である。 ・単純な制度でなければ、様々に多様化する国民の生活に対応できないのである。 ・社会保険庁によって行われている保険料の徴収には税金の徴収よりもはるかにコストがかかっている(100円あたりの徴収費用:国民年金3.17円、国税1.78円)。 ・WHOが2000年現在で行った各国比較では、我が国の医療水準は世界一となっているのである。なぜか。それは、費用をそれほどかけずに高い成果を上げているからである。 ・イギリスでは国による原則無料の医療提供制度が運営されている。一見、我が国よりも恵まれているようだが、さにあらず。病気になるとまずは地域の指定された医者にかかることとされ、必要があれば、より専門性の高い医療機関への紹介を受けることができるけれども、その数が全体として不足しており、待機者リストが膨大である。この結果、風邪をひいても受診ができる頃には自然に治ってしまっているとさえいわれている。 ・男性でも女性でも、正社員の結婚が早いのである。~もう一点注目すべきことは、夫も妻も経済力のある組み合わせ、また逆に夫も妻も経済力のない組み合わせ、が増えている。 ・デュレックス社の調査によれば、セックスの頻度は我が国は世界的に見ても例外的に少ない(2004年現在世界平均103回/年、日本は46回/年)。30代、40代の既婚女性に行ったアエラの調査では、自分がセックスレスだと思うと答えた人が全体の45%。平均で3.4回/年。そうでないと答えた人は平均で30回/年)。 ・保育所 公営 0歳児 346千円/月 民営 0歳児 223 全児童平均 公営112 民営86 → 平均して年間100万から130万。

Posted byブクログ

2009/10/16

分かりやすく砕いて説明し、 現実的(と思われるよう)な改善案を提示してくる。 良作? あとがきには 「合意形成が不可能なこの分野では、この提案も結局筆者の価値観の反映でしかない」 といった文。

Posted byブクログ

2009/10/04

元官僚らしく、「潜在的国民負担率」50%をかたくなに固持して議論を進める。「身の丈」「不公平感」「分かりやすさ」「安心感」って何だろう?

Posted byブクログ

2009/10/04

一番印象に残ったのは『身の丈に合った政策』って言葉です。そうなんだよね〜最近の人々はペイは減らして、でもバックば増やして欲しいなんて身勝手なことばっかり。手厚い保障がほしければ負担増はやむを得ないし、負担増やしたくないなら、保障が手薄くなっても仕方ない。権利ばっかり主張するんじゃ...

一番印象に残ったのは『身の丈に合った政策』って言葉です。そうなんだよね〜最近の人々はペイは減らして、でもバックば増やして欲しいなんて身勝手なことばっかり。手厚い保障がほしければ負担増はやむを得ないし、負担増やしたくないなら、保障が手薄くなっても仕方ない。権利ばっかり主張するんじゃなくて、そういうことをきっちり理解しないといけないなと思いました。

Posted byブクログ