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クリスマスの幽霊 の商品レビュー

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2009/10/04

イギリスの児童文学の巨匠と呼ばれたウェストール(1929年〜1993年)が1992年に発表した作品。 1930年代のイギリスの庶民の生活が生き生きと描かれています。 クリスマス・イヴ。 少年はワクワクドキドキしながら1日を過ごします。 お母さんからサンタを迎えるための準備...

イギリスの児童文学の巨匠と呼ばれたウェストール(1929年〜1993年)が1992年に発表した作品。 1930年代のイギリスの庶民の生活が生き生きと描かれています。 クリスマス・イヴ。 少年はワクワクドキドキしながら1日を過ごします。 お母さんからサンタを迎えるための準備を言いつけられるし そのお母さんは料理と部屋の飾り付けで大忙しだし おつかいに出れば賑やかな町でいろんな人と出会うし おばあさんの持ってきた料理はいつも通り1羽丸ごとの鳥だし 外国のお話に出てくる食べ物ってどうしてこんなにも美味しそうで魅力的なんでしょうね? そんな中、お母さんとおばあさんは夜の10時まで働くお父さんがお弁当を忘れたことに気付きます。 勤め先の化学工場にそれを届けるおつかいをたのまれた「ぼく」の冒険が始まります。 お父さんは化学工場で真っ黒になりながら働く誇り高き労働者。 ぼくの自慢のお父さんです。 子どもがむたみやたらと出入りできる工場ではありませんから、口うるさい守衛の目をすり抜けるのも一苦労。 入り口を突破し、工場内にある古いエレベーターに乗り込んだら、中にある鏡に見知らぬ老人の姿が映っていたのです。 伝説となった工場設立者・オットーらしい。 彼が現れると工場では事故や死者がでるという噂がある。 このままだと、工場が、お父さんが危ないのかも知れない! さてどうやったらオットーから事情を聞けるのだろう。 どうしたらみんなが無事にクリスマスを迎えられるのだろう… 短い物語ですが、怖いお話ではなく父と子の心温まるお話です。 楽しいだけのクリスマスでは無いけれど、ちょっとした奇跡が用意されていて結末はハッピーに。 現場責任者として働くの父への尊敬があふれていますね。 優しいだけではなく、子どもと大人のけじめがあり、厳しさも込められた愛情に溢れている感じがしました。 作者ウェストールの未発表の回想録が巻末に2編収められています。 「島」と「油まみれの魔法使い」 両方とも幼い頃の思い出と父への崇拝が綴られています。

Posted byブクログ