悪意の手記 の商品レビュー
絶対人殺してる ってな事で、中村文則の『悪意の手記』 もうね、中村さん絶対人殺したとこあると思うんよ。 こんな感情、人殺さんと書けんと思うよ。 深い、深いよ… 実際にわしが殺られたよ 2022年49冊目
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手記1,2,3で構成される犯罪者の物語。 手記1で、「死にたい」と言ってるのに人を殺してしまうクズぶりを発揮し、言い訳ばかりしているのに、手記2で、少しまともな人間に出会い、手記3では、急にドラマチックな展開になる。 今までの作者の小説の中ではかなりエンタメ性が強く、特に手記3は...
手記1,2,3で構成される犯罪者の物語。 手記1で、「死にたい」と言ってるのに人を殺してしまうクズぶりを発揮し、言い訳ばかりしているのに、手記2で、少しまともな人間に出会い、手記3では、急にドラマチックな展開になる。 今までの作者の小説の中ではかなりエンタメ性が強く、特に手記3は結末にドキドキしながら読んだ。 祥子の「理由なんてないよ。理由を作ると、必ずそれに反対する言葉が出てくるでしょう?だから理由を作ったら駄目なんだよ」というのがこの小説の本質かな? 本当に知りたい「なぜ人を殺してはいけないか」や、全ての人生に関する疑問には何も答えない。 なぜなら理由を作っては駄目だから、なんだろう。
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結末は少し残念。 決して異常者の話ではなく誰でも起こり得る物語。+みんな、自分に降りかかった困難から逃れようといろんなことを考えてるはず。自分に嘘をついたり気を紛らわせたりすることはごく自然なこと。 みんなが持ってる内なる世界を小説として言葉として描ける才能はすごい。 只この作家...
結末は少し残念。 決して異常者の話ではなく誰でも起こり得る物語。+みんな、自分に降りかかった困難から逃れようといろんなことを考えてるはず。自分に嘘をついたり気を紛らわせたりすることはごく自然なこと。 みんなが持ってる内なる世界を小説として言葉として描ける才能はすごい。 只この作家、何を読んでもこんな感じ。嫌いではないが他の本も大体こんな感じ。(でも結構他も読んでるので、やっぱりこういった内容が好きなのかな!)
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「生きていて欲しいと思う。あなたが、過去に何をやったのだとしても」「どこかで、苦しんでいてもいいから、生きていなさい。私も、同じように、生きているから」
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図書館で借りた本。 ある青年が、15歳で難病にかかってから、25歳になるまでの手記。ただし、15歳で患った難病は回復するが、「死」と隣り合わせの闘病生活を経て、少年は「死」について考えるようになり、親友の少年を殺害してしまう。死んでしまった親友と、病気で死ななかった自分。殺害され...
図書館で借りた本。 ある青年が、15歳で難病にかかってから、25歳になるまでの手記。ただし、15歳で患った難病は回復するが、「死」と隣り合わせの闘病生活を経て、少年は「死」について考えるようになり、親友の少年を殺害してしまう。死んでしまった親友と、病気で死ななかった自分。殺害された親友と殺人者である自分についての手記。
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ある意味ではホラー小説よりも怖い作品だと思う。 正直少し自分の内面を見ているようで途中思わずぐっと力を入れて読んでしまったシーンもあった。 世の中がくだらないと切り捨てることの楽さ。 この主人公は全く褒められない人間性だけれど、 どうしてかわかってしまう。その部分に恐ろしさを感じ...
ある意味ではホラー小説よりも怖い作品だと思う。 正直少し自分の内面を見ているようで途中思わずぐっと力を入れて読んでしまったシーンもあった。 世の中がくだらないと切り捨てることの楽さ。 この主人公は全く褒められない人間性だけれど、 どうしてかわかってしまう。その部分に恐ろしさを感じる。 自分は人を傷つけてやりたい、本気で殺したいなどと思ったことはない。 多分そこまでの増悪や激情を抱いたことはまだないのだろう。 でも人は死ぬのも壊れるのもきっと一瞬なんだ、という感覚を持ったことはある。 だから、まったくわからないわけではない。と思う。 教団Xを初めて読んだときは抽象的すぎて途中で読むのが苦痛になりやめてしまったのだけれど、この作品はテーマこそ重たいものの手記ということもあって聞いているようにスルスルと読めてしまう。 人を殺した人間が、その罪の呵責に耐えながらどう生きていったか、 望んだものはなんだったのか。 悪とはなにか。人の尺度で変わってしまう。 復讐とはなにか。 死は生まれたものにしか与えられない。 生は圧倒的暴力で突然人に与えられる。 どちらにせよ不条理である。 その不条理の中でどう生きていくのか。 この作品に面白い、という感想はいささか不適切のような気もするので、 あえていうとするならば「とても興味深い」だろうか。 結局私は、ホラー作品は好きだけれどお化けより何より人が一番怖いと思っているから、創作物として楽しめるのだろうなと思った。 人の思い、思念、内に潜むものの方がよほど恐ろしいと思う。
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平坦な手記がずっと続くので、退屈になりそうだけど最後まですんなり読めてしまった。相変わらず、静かで、陰鬱で、くせになる。この陰鬱さは作者の自己投影だったりするのかな。 生死の間をさ迷うような重病に侵されながら、すべてを憎み、すべてをどうでもいいと考えることによって死の恐怖を克服し...
平坦な手記がずっと続くので、退屈になりそうだけど最後まですんなり読めてしまった。相変わらず、静かで、陰鬱で、くせになる。この陰鬱さは作者の自己投影だったりするのかな。 生死の間をさ迷うような重病に侵されながら、すべてを憎み、すべてをどうでもいいと考えることによって死の恐怖を克服しようとした主人公。普通の人ならその感情にどこかで歯止めをかけるんだろうけど、主人公はそのまま成長してしまった。衝動的に親友を殺し、後々も罪の意識に苦しめられることになる。 祥子の「簡単に死をほのめかすのって、卑怯な人間のすることなんだよ」という言葉と、リツ子の「どこかで、苦しんでいてもいいいから、生きていなさい」という言葉が刺さる。ずっと死を考えていた主人公が、最後に「まだ死ぬわけにはいかない、自分が殺人者であるということを意識し続けながら生きていかねばならない」とちゃんと答えを出しているところに少しだけ救いを感じた。 被害者側に立って読むと、全く違う感情が出てきそうだけど…。 最後の3行は何か怖い意味でもあるのかな??と深読みしそうになった。ただ単にそのままの意味なんだろうけど。
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善と悪、人を殺した少年の手記。とても暗い話だが、少年の心情が良く理解できて、奥が深いと感じた。さすが芥川賞作家だなぁと所々で思わせる。ただし、少々無理な設定と展開があるのが難点である。
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まずテーマがあり、それに見合う物語を作ってみた。そんな感じがした。ストーリーというか、ことの顛末はあまり面白くない。無理な設定が多すぎです。この主人公にあってあのような親身になってくれる人と関われるとも思えないし、悪人のふりをしているけれど実はいい人なんです、みたいな設定は反吐が...
まずテーマがあり、それに見合う物語を作ってみた。そんな感じがした。ストーリーというか、ことの顛末はあまり面白くない。無理な設定が多すぎです。この主人公にあってあのような親身になってくれる人と関われるとも思えないし、悪人のふりをしているけれど実はいい人なんです、みたいな設定は反吐が出る。 でも、でもね。でもとても面白い小説でした。社会に対する虚無や孤絶や疎外感を抱える人にとっては、中村さんの小説は聖書にも等しいのではないかと思うことがあります。この本は確かにまだ序章。あちらこちらに不完全燃焼な印象はありますが、その世界観は僕にとって常に◎です。
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