日本の不平等 の商品レビュー
数式は難解なので、文章だけ読みました。肌感覚と近い部分が多かったですね。経済学は卵が先か鳥が先か、は必ず議論になるので、因果関係は証明できても、見立てが出てしまう部分はあります。
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パッと見は、計量経済学のアプローチをとっているため、数式やデータが多く難解な印象を与えるが、一つ一つの結果について非常に分かりやすい分析が加えられている。 他誌論文を集大成したものであるので、統一テーマはあるものの若干総花的になっていることは否めないが、日本における格差について...
パッと見は、計量経済学のアプローチをとっているため、数式やデータが多く難解な印象を与えるが、一つ一つの結果について非常に分かりやすい分析が加えられている。 他誌論文を集大成したものであるので、統一テーマはあるものの若干総花的になっていることは否めないが、日本における格差について考察するにあたっての重要な一冊になると思われる。 リファレンスも充実している。 第7章「ITは賃金格差を拡大するか」について、もう少し突っ込んでもらうと更に良かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
研究している訳ではないので、モデル・推定・データ検証の部分は飛ばして、考察とまとめを中心に読む。(データが豊富な実証分析の本なのだと思うが) 世間の感覚として持っている「格差の拡大」も実際は高齢化によるものであるというのは意外であったし興味深かった。賃金格差については、若年層の学歴間格差や、正社員とパートタイムの格差などについても取り上げられていた。 「世代効果」についても興味深いテーマだった。世代の質・世代の人数・景気状況などの「世代効果」の要因についてどのような施策があるのか気になるところだ。
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著者は労働経済が専門で、格差の問題をデータを駆使して実証的に論じてい。最近、所得格差・格差社会という言葉を目にしない日はないほど問題視されているが、本当に所得格差は存在するのか。本書では著者が行ったアンケート調査や厚生省の行った調査などのデータをもとに、綿密に格差を実証分析する。...
著者は労働経済が専門で、格差の問題をデータを駆使して実証的に論じてい。最近、所得格差・格差社会という言葉を目にしない日はないほど問題視されているが、本当に所得格差は存在するのか。本書では著者が行ったアンケート調査や厚生省の行った調査などのデータをもとに、綿密に格差を実証分析する。 方法は非常に緻密で、表面的な数字に表れにくい要因やデータにバイアスがかかりそうな部分も注意深く扱っている。たとえば現在格差が広がっていると言われるが、高齢化によって所得の低い世代人口が増えたことも所得格差として数字に現れてしまうため、世代ごとの所得を分析する必要がある。また所得の再分配(高所得者から高い税金を取り、低所得者に補助する)を指示するかどうかということは、必ずしも所得の多寡によるだけではなく、個人の危険回避傾向が高いか低いか(つまり自分が低所得に陥る危険を強く感じるかどうか)にも左右される。 このように、体験や印象だけでは実証できない格差を分析している。
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所得格差は統計的には確認されなかった。傾向は見られるので、国民の危惧が現れた? 年代格差は年代の大きさで格差が見られた。団塊ジュニア層では2−3%他の世代より低い。
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