ぼんち の商品レビュー
今は存在しないであろう船場商屋の厳しいしきたりの中でのお話。 船場の世界観は現在では無くなってしまっているだろうが、女性のしたたかさや我が儘などは何時の時代でも変わらず。男性は男性で、こんな風に放蕩してみたいなぁーなんて気持ちを少なからず誰しもが持っているのではないだろうか。 だ...
今は存在しないであろう船場商屋の厳しいしきたりの中でのお話。 船場の世界観は現在では無くなってしまっているだろうが、女性のしたたかさや我が儘などは何時の時代でも変わらず。男性は男性で、こんな風に放蕩してみたいなぁーなんて気持ちを少なからず誰しもが持っているのではないだろうか。 だいぶ前に書かれた作品だが、読み応えがあった。
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再読。 船場ものの中では一番読み応えありますね。 「ぼんぼんではあきまへん。遊びも商売も帳尻をぴしっと合わせるぼんちにならなあきまへん。」 とにかくおもしろい。
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1959年に発表された作品なので、もう50年以上前のものになるから驚き。「暖簾」「花のれん」に継ぐ、大阪ものの第三作。前二作はまだ未読だが(たぶん…)、船場や花街のしきたりについて精緻に描かれている。 そもそも船場とは、今の大阪市中央区あたりにある、四方を川と堀で囲まれた四角い町...
1959年に発表された作品なので、もう50年以上前のものになるから驚き。「暖簾」「花のれん」に継ぐ、大阪ものの第三作。前二作はまだ未読だが(たぶん…)、船場や花街のしきたりについて精緻に描かれている。 そもそも船場とは、今の大阪市中央区あたりにある、四方を川と堀で囲まれた四角い町で、江戸時代に大阪城の築城にあたって、大勢の家臣や武家が移り住むことになったことから、武器・武具をはじめ大量の生活必需品を集めるべく、商業者を半強制的に移住させたのが、商人街として栄えた船場の発端らしい。 物語は、そんな船場の老舗足袋問屋の一人息子として産まれ、暖簾をささえる喜久治を主人公とし、彼を取り巻く五人の女たち(ぽん太・幾代・お福・比沙子・小りん)と、女系主義の祖母と母(きの・勢以)の、船場ならではの厳しい風習と女の戦いがテーマ。 そもそも、大阪では良家の坊ちゃんを「ぼんぼん」というが、その中でも器がでかいぼんぼんを「ぼんち」という。豊子さんの言葉を借りれば、「根性がすわり、地に足がついたスケールの大きなぼんぼん、たとえ放蕩を重ねても、ぴしりと帳尻の合った遊び方をする」のが、ぼんち。 女系におされ、古いしきたりに束縛されながらも、女遊びに明け暮れるが、結局は戦禍を被って新たに人生を切り開く。 「女の道で苦労して、何かものを人に考えさせるような人間にならんとあかん」という言葉を金科玉条にして生きようと決意した喜久治だが、結局、何かものを人に考えさせる人間になったのだろうか?その結末が、きのの自死と女たちの自立ってこと?それがよくわからなかった。 とはいえ、やっぱり豊子作品すごい。圧倒的な知識と人間関係の機微を描ける人ってそうそういない。 あとがきの一言がとても印象的だった。 「一千枚近く書き終えてみて、今さらのように私が、故郷である大阪に深い愛着を持っていることを思い知りました。それは愛するというような生やさしいものでなく、もう一種の執念のようなものかも解りません」
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最早この手の世界は現存しないんだろうなぁ。 それにしてもまさに山崎豊子の世界、とにかくねちっこい描写。 そしてキャラクターのデフォルメが非常に上手い。 自身がどう思っているのかは分からないが、この作家の作品の本質は上質のエンターテインメントであり、故に大衆的映画・テレビでの映像化...
最早この手の世界は現存しないんだろうなぁ。 それにしてもまさに山崎豊子の世界、とにかくねちっこい描写。 そしてキャラクターのデフォルメが非常に上手い。 自身がどう思っているのかは分からないが、この作家の作品の本質は上質のエンターテインメントであり、故に大衆的映画・テレビでの映像化が今なお行われているのだと思う。
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面白かった!!! 粋で華やかで人間くさくて嫉妬ぶかくて、どきどきした。 芸妓のきのきいた振る舞いや戦前のしきたりが描かれてて読んでてたのしかった。 ラストも素敵。女は強いなあ
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山崎豊子らしい重厚さ。船場の一族の姿を描く。 女系家族おどろおどろしいと思いつつ、最終的に、女系が終わって、男系に変わってしまうところは流れ的にはしょうがないのだろうけど、少々残念。
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2010/02/12 初 山崎豊子。 船場の古いしきたり 関西人は野暮だと聞くけど、これは粋な文化だと思った。
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2007/6/10。大阪・船場の商人の雰囲気が手にとるように伝わってくる。風俗の描写ひとつひとつが素晴らしい。大正時代の設定なのに、人々の暮らしはいつの時代も毎日の積み重ねなのだな。
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