図で考えれば文章がうまくなる の商品レビュー
『図で考えれば文章がうまくなる』久恒啓一(著) 平井孝志(著)の『武器としての図で考える習慣』は、デザイン思考を組み立てる上で、非常に役に立った。とりわけ、『おでん理論』は、現状(四角)から、あるべき姿(マル)に行くために、課題と解決方法(三角)を串刺しにして考えることができ、実...
『図で考えれば文章がうまくなる』久恒啓一(著) 平井孝志(著)の『武器としての図で考える習慣』は、デザイン思考を組み立てる上で、非常に役に立った。とりわけ、『おでん理論』は、現状(四角)から、あるべき姿(マル)に行くために、課題と解決方法(三角)を串刺しにして考えることができ、実際に使って見た。なるほど、使い具合がいい。図を使うというのは、論理的な思考には役に立つと思った。そして、この本である。 文章を書くときに、図を使って書くと簡単になり、上手くなり、スラスラかけるという。 「図解文章法」というアイデアも悪くないと思って、読んだ。 文章術に関する本はたくさん出ている。谷崎潤一郎の『文章読本』は、文章はわかりやすくすることを強調した。清水幾太郎の『論文の書方』は、知的散文という言葉を使って、「文章は答えである」といい「正確な文章」を示した。本多勝一の『日本語の作文技術』は、私も実に参考になり、文章を書く上で、貴重な指針となった。野口悠紀雄の『超・文章法』は、文章を書く技術よりもメッセージをよく考えることが必要という。確かに「考え抜くこと」を強調しているが、どう考えるかが明確化されていない。梅棹忠夫の『知的生産の技術』で、「文章を書くという作業は、実際には、二つの段階から成り立っている。第1は、考えをまとめるという段階である。第2は、それを実際に文章に書きあらわすという段階」という。知的生産技術は、京大式カードを生み出し、情報を小さな単位にして規格化することで、整理や操作が簡単になる。 つまり、「読む、考える、書く」という順序が成り立ち、知的生産のための読書を創造的読書と呼んだ。なるほど、梅棹忠夫が「創造的読書」と言ったのか。 著者は、文章術の系譜を整理して、書く内容とは、考えたことで、その考えるには図解を用いると簡単に文章が書けるという。自分の中にあるキイワードを書き出して、何を言いたいのかということを図で見えるようにする。結局は、キイワードを選び出し、そのキイワードの関係性を図では見やすくなり、そしてその関係性を矢印で結びつけて行くという作業をする中で、文章の骨格が生まれる。 確かに、この手法で、書こうとすべき文章のキモが見えてくる。つまり、図解作業をすることで、文章の設計図を作ることになる。そして、その図と関係性を、自分の視点ではなく、他人の視点で見ることで、より鮮明になるという。 文章は語彙が豊富で、表現がおもしろく、スラスラ読めることは必要だが、文章は考えるための道具としては弱い。考えることに時間を注ぐとは、図解することだ。 論理的な思考力と文章力を作る上で、①文章構造。②論理展開。③用語の正しい使い方がよりはっきりした文章になるのである。図解することで、同じような概念が何回も出てくることを防ぎ、論理展開の堂々巡りをやめることができるという。そして、著者は「経営の本質はコミュニケーション」であり、それも図解することで、より明らかになる。ふーむ。この考える上で、図解化して、文章にするという作業は面白い。 読点の打ち方も、シンプルだ。①長い修飾語が二つ以上ある時、その境界にテンを打つ。②原則的語順が逆順の場合にテンをうつ。③筆者の思想としての例外的なテン。ふーむなるほど、私は天の使い方にいつも迷うのだ。その原則を使えばいいのか。 そして文章としては「簡・明・短・薄」にするのがいいという。そういえば中学の先生が、「簡単明瞭かつ完全」と言っていたのを思い出した。そうだね、文章の極意は変わらない。「図で考える人は仕事ができる」と著者がいうが、デザイン思考の図解で、前進し、さらにレポートを書く前に図解することでよりシンプルにメッセージが伝えることができる。 私も、文章を書くのが苦手で、とにかくブログなどでかきちらすことで、習得してきたが、こうやって読書術・文章術を読んでいくことで、「森林限界の手前」まではきているようだ。
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文章を書くことは知的生産活動の1つ。 まず伝える内容がしっかりしていること。そして文章の技術力が必要です。
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地元図書館で借りた。 文章をうまくするというより、平易な文をすらすら書けるようにする、そのために考えをまとめるための指南書という感じ。 普通の厚さだけど、概要は10分でつかめる。つかめた。 第1章は文章の書き方本のヒストリーが延々と続くので、普通に文章や図を使えるようになりたい...
地元図書館で借りた。 文章をうまくするというより、平易な文をすらすら書けるようにする、そのために考えをまとめるための指南書という感じ。 普通の厚さだけど、概要は10分でつかめる。つかめた。 第1章は文章の書き方本のヒストリーが延々と続くので、普通に文章や図を使えるようになりたい人は飛ばしていいと思う。私は飛ばした。 あとは拾い読みで、図の感じとどんな文になるか把握しておけば。 じっくり読むより、実際に自分でやってみるほうが時間的には必要だと思う。 個人的には文章を日常に入れたいたちなので、 もっといろんなことに応用できる、というところまで発展させて欲しかったかなと。(仕事のプレゼンとか、レイアウト術とか、しゃべるときの思考整理とか) 会社うんぬんは一応あるんだけど軽すぎて使えない。 優秀な例として学生の名前が出ちゃってるのはこれ本名?大丈夫?って思った。
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文章を書くにあたって、なにから始めたらいいかがわかったような気がする。ただ、的確な図を描くのは、文章を書くのと同じくらい難しいような気がする。
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これまでのいくつかの文章読本を取り上げて、その概要や主な主張を説明している章はわかりやすかった。 その上で、メッセージを図で表すことによって、文章を論理的に組み立てることができるという考え方には賛同できる。 しかし、図の描きかたについては数ページの記載に終わっているのが残念。 「...
これまでのいくつかの文章読本を取り上げて、その概要や主な主張を説明している章はわかりやすかった。 その上で、メッセージを図で表すことによって、文章を論理的に組み立てることができるという考え方には賛同できる。 しかし、図の描きかたについては数ページの記載に終わっているのが残念。 「実践」の章で、いくつか事例が掲載されているので事例研究にはなるが。 「文章読本」谷崎 潤一郎 * よい文章の条件は、わからせることと、長く記憶させること 「論文の書き方」清水 幾太郎 * 文章は答えであり、正確な文章を書くことが大切 「理科系の作文技術」木下 是雄 * 読者はどれだけの予備知識を持っているか、何を知りたいのかを調べ上げて考え抜き、慎重に主題を選定する。自分の主張をひとつの文にまとめてみる * 事実と意見を区別する。意見を書くときは、主語を明記する * まず大づかみな説明を与えて概観を示してから、細部の記述に入る * パラグラフの先頭にトピックセンテンスを置く。トピックセンテンスだけ抜き出すと、文章の要約ができあがる * 序論・本論・結びの3つで構成する 図の描きかた * テーマに関連するすべてのキーワードを書き込む * 要素を整理する(類似、遠近) * キーワードの群れをマルで囲む * マル同志の関係を考えて並び替えて矢印で結ぶ(並列、上下、対立、補完など) * 価値の高い情報は大きくするか中心に置く * ある情報を補足しているものは、その下に置く * 図の下にコメントを書き込む * 内容を一言で表した人目を引くようなタイトルをつける <読んだ本> 日本語の作文技術(本多 勝一) 「超」文章法(野口 悠紀雄) <購入した本> 理科系の作文技術(木下 是雄)
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