心を商品化する社会 の商品レビュー
カウンセリングとは、…
カウンセリングとは、基本的に患者を環境に適応させるものなので、根本的な解決にならないことも。万能ではないのだということを教えてくれた本です。
文庫OFF
誰でもかかえる心の問…
誰でもかかえる心の問題の危険性も知った一冊。
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心理主義のビジネス化への問題提起。医療現場だけでは儲からないので、学校や会社へとビジネス展開。その背景として予防と成長の両面展開により臨床心理の対象領域を「普通の人」にまで広げるという戦略があるらしい。当然国の政策も絡んでおり、前著に引き続き、河合隼雄批判が展開されている。それに...
心理主義のビジネス化への問題提起。医療現場だけでは儲からないので、学校や会社へとビジネス展開。その背景として予防と成長の両面展開により臨床心理の対象領域を「普通の人」にまで広げるという戦略があるらしい。当然国の政策も絡んでおり、前著に引き続き、河合隼雄批判が展開されている。それにしても「心のノート」というのは気持ち悪い。 これまで事故や災害等でよく耳にする「心のケア」というワードをなんとなく受け入れていたが、心のビジネスとして知らず知らずのうちに日常生活にまで侵食されている事に気がつかされる。心のビジネスが拡大する要因としては個人主義化・自己責任化の進展が大きな要因なのだろうが、著者はコミュニタリアン的思想の持ち主のようなので、この進展には反対の立場をとっているように思える。 心に問題のある人≒普通ではない人という考えが「心のケア」として忍び寄ってきて、矯正だったり排除の論理を生む。それが善とされ、悪意もなかったりするからタチが悪い。こういう問題点がある事に留意しておく必要はあるだろう。
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心のケアが正しいものかという疑問や、現状に対する疑問が投げかけられていて考えさせられる。 社会において心理学がどのように関わるべきか、その形を見つけ出して行きたいと思わされた。
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(「BOOK」データベースより) 「心の商品化」は作為的に作られている!現代人は心に関する悩みが本当に多いのだろうか?専門家が幅をきかせる風潮、「癒し」「心のケア」という言葉が流行する背景には何があるのか?何事にも自己解決が迫られ、それゆえに専門家依存の風潮が進むなかで、「心」さ...
(「BOOK」データベースより) 「心の商品化」は作為的に作られている!現代人は心に関する悩みが本当に多いのだろうか?専門家が幅をきかせる風潮、「癒し」「心のケア」という言葉が流行する背景には何があるのか?何事にも自己解決が迫られ、それゆえに専門家依存の風潮が進むなかで、「心」さえモノとして商品化されている。こうした、安易な心理主義の流行は、生きていくうえでのさまざまな困難をもたらす社会的な要因を覆い隠し、問題を個人の責任に還元する構図に支えられている。心理主義が社会に浸透することの問題性を白日の下にさらす試み。
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とりあえず、批判すればいいってものじゃないぞ。 論理が飛んでいる点が多い。 この本の論理で、この本の論理を批判できてしまう。 100206
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【出版社による内容紹介】 「心の商品化」は作為的に作られている!現代人は心に関する悩みが本当に多いのだろうか?専門家が幅をきかせる風潮、「癒し」「心のケア」という言葉が流行する背景には何があるのか?何事にも自己解決が迫られ、それゆえに専門家依存の風潮が進むなかで、「心」さえモノと...
【出版社による内容紹介】 「心の商品化」は作為的に作られている!現代人は心に関する悩みが本当に多いのだろうか?専門家が幅をきかせる風潮、「癒し」「心のケア」という言葉が流行する背景には何があるのか?何事にも自己解決が迫られ、それゆえに専門家依存の風潮が進むなかで、「心」さえモノとして商品化されている。こうした、安易な心理主義の流行は、生きていくうえでのさまざまな困難をもたらす社会的な要因を覆い隠し、問題を個人の責任に還元する構図に支えられている。心理主義が社会に浸透することの問題性を白日の下にさらす試み!
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臨床心理学への批判。 「心のノート」のところがかなり面白い。 あんなヤバい本が全国の小中学生になんて思うとゾッとするが。 著者の1人である小沢牧子さんは オザケンこと小沢健二さんのお母様だそう(ゼミの指導教官情報)。 小沢ファミリーテラスゴス。
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今病院、学校、職場、とありとあらゆるところで、「心のケア」が叫ばれている。JRの事故でも、災害被災地でも、被害状況とともにニュースや新聞などを見ているとこの言葉をよく見聞きする。それだけでなく、ワイドショーやニュース、バラエティー番組関係なく、「癒し」「カウンセリング」「トラウマ...
今病院、学校、職場、とありとあらゆるところで、「心のケア」が叫ばれている。JRの事故でも、災害被災地でも、被害状況とともにニュースや新聞などを見ているとこの言葉をよく見聞きする。それだけでなく、ワイドショーやニュース、バラエティー番組関係なく、「癒し」「カウンセリング」「トラウマ」「性格分析」「相性分析」などなど「心理的」なものに関わるものが取り上げられることが実に多い。番組のゲストとして心理学者や精神科医が登場するのも珍しくはない。やや誇張すると、現代社会は「心理的」なものと切り離して考えることができなくなっていると言っていいかもしれない。そう、「心理万能主義」ともいうべきものである。しかし、それは果たしていいことなのだろうか。心理学者やカウンセラー、精神科医は万能なのだろうか。この書籍は、「心理ブーム」というべき今の社会状況に対し、そこに潜む危険性を批判的にあぶりだしている。 今作で示されている問題はあまりにも多く、多岐にわたっているが、一番の問題は、カウンセラーなどを配置したことに満足して、そもそもカウンセラーが必要になってしまった大元の出来事・問題への対処がおざなりになってしまう傾向にある、ということである。この作品にも書いてあるが、サラリーマンの自殺・過労死などが増えている状況を鑑みて、カウンセラーを配置する企業が増えてきている。一見、「社員に対する配慮」と、いいことのように思われるが、そんなに単純ではない。実は、リストラや成果主義制度に基づく自殺や病気などの責任を糾弾されたくないがための、「カモフラージュ」の意味あいが強いのである。過酷で劣悪な就労環境に対する改善なしに、カウンセラーを配置したところで大して意味がないだろう。カウンセラーに話をしたぐらいで事態が飛躍的に改善するぐらいの悩みなどであれば、そもそも誰も自殺したり、心の病を患ったりしない。これは、過労死などで遺族から訴えられた際に、「当社はカウンセラーを適切に配置するなど、労働者に対する配慮に落ち度はありません。お亡くなりになったのは御自身の問題です」と企業側の責任回避を正当化するための方便となる危険性がある。実際、企業相手にカウンセラーの派遣を行っている企業の担当者に聞くと、企業の本音がここにあることが本著で明らかにされている。片手で相手を殴りつつ、もう一方の手で絆創膏を貼る」ようなものである。企業の横暴は止まらない・・・。 それだけでなく、人間に関わるあらゆる問題が、同様の論理ですべて片付けられる風潮にある。それどころか、政府や企業などの強者により非常に都合よく利用されている動きを今見せているすら言えるだろ。「がんばる」ことの強要、安易にカウンセラーに依存することによる現実問題からの逃避・・・、あらゆる問題の原因を「個人」に押し付ける・・・。安易な心理ブームに潜む問題はかなり深刻なのだ。
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